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カテゴリ:山河令 全36話
※原作はBL作品ですが当ブログでは非対応です
山河令 Word of Honor 第21話「夢幻泡影(ムゲンホウヨウ)」 蝎王は義父の命で仙霞(センカ)派の掌門・白啓峰(バイチーフォン)の始末を悪鬼に頼んだ。 しかし仙霞派と鬼谷は無関係、無常鬼(ムジョウキ)は難色を示したが、蝎王から遠回しに脅されてしまう。 「拒むならいっそ決別すれば平和を保てる…しかし次に会う時、敵か味方かは別問題だがな」 すると無常鬼はしぶしぶ了承して引き上げた。 蝎王は念のため俏羅漢(ショウラカン)を同行させると決め、何人か生かすよう指示しておく。 そうすれば仙霞派が鬼谷に滅ぼされたと武林界に広まり、誰もが他人事ではないと恐れるだろう。 開心鬼(カイシンキ)は十大悪鬼の首領ともあろうものが蝎王の言いなりかと揶揄した。 急色鬼(キュウショクキ)も趙敬(ジャオジン)の手先になったところで先は知れていると冷ややか、しかし無常鬼は温客行(ウェンコーシン)に背いた今、趙敬の庇護を受けるしか生きる道はないという。 「温客行に許しを請うて受け入れてもらえるとでも? お前は谷に入ってまだ何年も経っていない、温客行がいかにして谷主となったか知らぬだろう? …あの男はな、皆の目の前で老谷主の皮を生きたまま剥いだのだ」 ↓ヤンチャな頃の温さん 龍淵閣から飛び出した温客行はその夜、行く当てもなくふらふらと歩いていた。 すると偶然にも林の中で暖を取っている周子舒(ジョウズーシュー)たちの姿を見つける。 その時、ちょうど周子舒が張成嶺(ジャンチョンリン)と葉白衣(イエバイイー)に話の続きを聞かせていた。 あの時、秦懐章(チンホワイジャン)は急用で重症の甄如玉(ジェンルーユー)を連れて行けず、3ヶ月後に迎えに来ると約束したという。 しかし約束通り戻ってみると、村が一面の焦土と化していた。 この一件は秦懐章の心の傷となり、息子の秦九霄(チンジウシャオ)が成人した時も″三番目の弟子″と言ったという。 趙成嶺は温客行が初めから師匠に気づいて付きまとったのだと分かった。 ならばなぜ甄衍(ジェンイェン)だと認めようとしないのだろう。 すると葉白衣が温姓の理由を教えた。 「甄如玉は神医谷の谷主の養子なのだ、元の姓は″温″、だからあいつは甄姓を拒むのだ」 恐らく甄夫妻は亡くなったのだろう。 周子舒は成嶺に師叔が何も言わないなら何も聞いてはならないと言った。 「悲しいです…師父、善人ほど報われないのはなぜですか? 父も龍(ロン)師匠も甄家の人たちも、容(ロン)伯伯だって…」 「天意は測れず、運命は人をもてあそぶ…善人に限らず、生きるものには苦しみがある」 その時、いつもの飄々とした様子で温客行が現れた。 「お、老妖怪もいたか」 温客行が甄夫妻の忘れ形見だと知った葉白衣は、師匠として弟子の過ちを償いたいと申し出た。 死者を生き返らせること以外、できないことはほとんどないという。 「情けではない、これはお前が持つべき権利だ、願い事を言ってくれ」 「…私の願いは1つだけ、阿絮(アシュー)の傷を治せるなら過去は帳消しにする ただし元の寿命と武芸は残すのだぞ?」 すると葉白衣は自分に治せなくても治せる者がいると思い出した。 ピューッ!٩(¨ )ว=͟͟͞͞ <四季山荘で私が戻るのを待て! (」゚ロ゚)」<前輩ーっ?!やれやれ、あれで100歳とは 英雄大会に顔も見せず、消息も分からなかった華山(カザン)派の掌門・于丘烽(ユーチウフォン)がひょっこり岳陽に現れた。 どういう風の吹き回しかと訝しむ趙敬、すると于丘烽はある噂を聞いたという。 「喜喪鬼(キソウキ)は元の名を羅浮夢(ルオフーモン)といい、哥哥の許嫁だったとか? しかし婚姻当日、哥哥は富豪の浙西(セッサイ)観察使の娘と出奔した 恥をかかされた新婦の怒りは激しく、浮気男を殺す鬼女に生まれ変わったとか…」 于丘烽はもちろん噂をしていた輩を懲らしめたと笑い、名誉を守るため警戒するよう助言した。 于丘烽は自分の過去をどうやって知ったのか。 あの日、喜喪鬼を移送させるため遣わした腕利きは皆、岳陽派内で死んでいた。 もしや于丘烽が喜喪鬼を奪ったのだろうか。 趙敬は于丘烽に怒り心頭だったが、自分と面会してすぐ殺されれば体裁が悪い。 そこで謝無恙(シエウーヤン)を呼び、悪鬼たちに連絡を取るよう命じた。 しかし悪鬼たちは仙霞派を討ちに行ったため、急色鬼しかいないという。 「十分だ」 温客行は周子舒と張成嶺に客桟探しを任せ、独りで酒を買いに出かけた。 すると酒売りの露店で暗号を見つけ、薄情司の娘たちがこの町にいると知る。 聞けば五湖盟の襲撃から逃れ、娘たちは食屍鬼(ショクシキ)がかくまっていた。 しかし食屍鬼に昔の病気が出て食べられそうになり、酒に酔わせて逃げ出したという。 その後、艶鬼(エンキ)・柳千巧(リウチエンチャオ)から文が届き、主人が療養につき軽挙は慎めと命じられていた。 寄る辺のない娘たちは青崖山に戻って谷主の帰りを待つと言ったが、温客行は食うか食われるかの鬼谷で娘たちが生き残れるとは思えない。 「どこへ行こうと構わぬが青崖山には入るな…背けば死を」 「はい」 …人生とは夢のごとく儚い …人々が追い求めるのはわずかばかりの蜂蜜の甘さに過ぎないのだ 華山派の山荘に急色鬼が現れた。 于丘烽は早々に逃げ出し、柳千巧は独り応戦するが歯が立たない。 やがて動きを封じられた千巧は主人に逃げるよう訴えたが、気が触れた喜喪鬼には通じなかった。 「″君 我を裏切らざれば 我 君を裏切らず″…敬郎?どこなの?ブツブツ…」 すると突然、蝎王が毒菩薩(ドクボサツ)を連れてやって来る。 「蠍王…なぜこちらへ?」 「私に尋ねる気か?…于丘烽は?」 「ああ~この女を捨てて逃げました」 この女とは絶世の美女と評判の十大悪鬼・艶鬼だった。 蝎王は顔に傷があると首を傾げたが、毒菩薩は扮装術を使う艶鬼に多少の傷など関係ないと教える。 その時、奥の部屋にいた喜喪鬼が叫び出した。 「敬郎?…敬郎?!どこなの?!」 蝎王は驚いて駆け寄ると、急白鬼が勘違いして口を滑らせた。 「なんと!蝎王は熟女系ですか?!」 っ'-')╮ =͟͟͞͞🔪シュッ! バタッ!(:3_ヽ)_ 蝎王が放った暗器は急色鬼の喉を貫通した。 羅浮夢は愛しい人の姿を探して外へ出ていった。 すると柳千巧は蝎王の足にすがりつき、主人を見逃してほしいと懇願する。 蝎王は艶鬼の首に手をかけたが、その時、逃げたはずの于丘烽が戻ってきた。 「やめろ!…放せ!」 于丘烽は琉璃甲(ルリコウ)の隠し場所へ案内することを条件に千巧を解放させ、今度は逃げないと千巧に誓う。 三文芝居に呆れる蠍王と毒菩薩、そこで毒菩薩は主上に昔話を教えた。 「この女が″淫乱″と呼ばれて江湖に名が知れ渡ったのは于丘烽にだまされ、その手に落ちたから 于丘烽の妻は嫉妬深くて有名だった 小娘だったこの女は衣を剥ぎ取られ、裸のまま華山から長安まで引き回されたのよね? この一件は世間を驚かせた、でも何が笑えるってこの男、最初から最後まで黙ったままだったとか 女は江湖に身の置き場を失い鬼谷へ去った、でもまたこの女を愛人にしたのね 姐妹?顔だけでなく、頭にも傷があるんじゃない?」 しかし千巧は于丘烽を利用しただけだと言った。 「琉璃甲は偽物よ、主人を救うためこの男を利用したの、意外にもこの男との関わりが役に立った …烽郎、だましたのはお互い様、私は許されないとでも?」 そこで千巧は主人を見逃す代わりに蝎王に仕えると誓った。 「世を震撼させた鬼女が今やうつけとなったのか…」 「主人は離魂病を患い、孟婆湯(モウバトウ)も飲んでいます、意識も記憶も曖昧ですでに廃人なのです」 鬼谷に入る前には必ず孟婆湯を飲み、飲めば執着を忘れることができるという。 蝎王は毒菩薩に誰にも知られぬよう毒蝎の分舵に女2人を連れて行くよう命じた。 「″君 我を裏切らざれば 我 君を裏切らず″…」 翌朝、周子舒たちは客桟を出発した。 すると郊外で立ち寄った茶屋に偶然、仙霞派の門弟たちがやって来る。 門弟たちは怪我をしている様子、給仕の話では数日前に鬼谷に放火され、掌門が亡くなっていた。 付近には無惨にも殺された仙霞派の亡骸が転がっていた。 すると見慣れない死体と死臭のせいで張成嶺はすっかり気分が悪くなってしまう。 そこで周子舒は成嶺を休ませ、温客行を連れてその場を離れた。 「仙霞派の屍は喉をかき切られたか、もしくは即死ばかり、殺し専門の者の仕業だ 鬼谷の名で邪魔者を排除し、さらにその罪を鬼谷に着せようとする者とは?」 温客行は英雄大会まで高崇(ガオチョン)が黒幕だと思っていたが、どうやら陰謀を巡らす者は他にいたらしい。 五義兄弟で残ったのは趙敬と沈慎(シェンシェン)、どちらも真の力を隠し、十分に怪しかった。 「あーっ!主人?!」 その声は曹蔚寧(ツァオウェイニン)と一緒に清風(セイフウ)剣派へ向かっていた顧湘(グーシアン)だった。 つづく (ヾノ・∀・`)いやいや〜婚儀当日に令嬢を捨てて令嬢と逃げたら大事になってるはずだよね? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.07.17 21:44:46
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