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カテゴリ:雲間の月は輝きて~運命の恋人~全40話
皎若云间月 Bright as the moon 第40話「時を超えて」 …時をさかのぼるには3つの宝を集めるべし… 醒世異聞録(セイセイイブンロク)を読んだ雲浅月(ウンセンゲツ)は″白玉の神龍″と″千年の寒鉄″を手に入れたが、最後の宝が何か分からず断念していた。 しかしついに3つ目の宝が鳳凰のかんざしだと判明する。 それは容景(ヨウケイ)が折ってしまった母の形見のかんざしだった。 その夜、浅月と容景は思い出の裏山に席を設け、別れを惜しんだ。 容景はやはり浅月と離れたくないと本音を漏らしたが、息子を放り出して後を追うこともできないという。 「君に生きていて欲しい…」 「でも私が去ったら、残されたあなたはどうするの?」 「辛い…胸が張り裂けそうだ、しかし君が生きていると思えば支えになる 浅月、どこへ行っても忘れないでくれ、君を愛している どんなに遠く隔てられ、未来永劫めぐり会えずとも、私は君と孤独を分かち合う」 「全ての出会いは深い縁があるからこそ…だからきっとまた会えるわ」 「思いが通じていれば千年の時を隔ててもこの愛は変わらない…心はひとつだ」 その時、浅月の全身が急に消えかかった。 容景は一刻の猶予もないと知り、慌ててかんざしの片割れを取り出す。 「約束してくれ、必ずしっかり生きると…」 すると浅月もかんざしの片割れを手にした。 「容景、あなたを愛している、千年後の世界で待っているわ」 2人は折れたかんざしをつなげて鳳凰のかんざしを復活させると、浅月の身体は光となって消散した。 容景は浅月を失い、その場で泣き崩れた。 すると走馬灯が回り始め、2人の思い出が帳(トバリ)に映し出される。 …容景、あなたとの思い出をすべてこの走馬灯に刻んでおくわ …私からの最後の贈り物よ、元気で、悲しまないで それは浅月が密かに作っておいた走馬灯だった。 浅月が消えて10年が経った。 皇太后は景世子に後添いを迎えるよう勧めたが、容景は辞退して隠居を申し出る。 「栄王府の妃は生涯、雲浅月ひとりです」 「容景っ?!…はっ!」 李蕓(リウン)はマンションの寝室で目を覚ました。 …何てこと?夢だったなんて… すると消し忘れたPCに穆小七(ボクショウシチ)の失踪を伝えるニュースが映っている。 …もう二度と会えないのね、とても長くて悲しい夢だった… 李蕓は孤独を紛らすように執筆に没頭した。 こうして書き上げた″紈絝(ガンコ)世子妃″は新人賞を獲得、李蕓は時の人となる。 容景と浅月を題材にしたラブストーリーは映画化も決定したが、その版権を買ったのは穆グループの映画会社だった。 「この作家に投資だと?…金をドブに捨てるようなものだ!」 失踪と報道された穆小七は無事だった。 何も聞いていなかった秘書が勝手に誘拐と誤解して大騒ぎになったが、実は施工停止の大損で父から3ヶ月の外出禁止を言い渡されただけだった。 缶詰生活に飽きた穆小七は秘書に頼んで気晴らしに外へ出た。 すると驚いたことに李蕓が現れる。 「あの日のダサい格好とは大違いだな」 李蕓はこの機会を利用してライブ配信を始めると、小説の容景のモデルは穆小七だと明かした。 このライブ動画がSNSで大バズり、映画の効果的な宣伝となったが、秘書はこの件で奇華(キカ)グループの社長が怒っていると報告する。 「縁談と提携に影響が出てはまずいと…」 「分かった、ではスキャンダルを事実に変えよう」 穆小七は李蕓のマンションを訪ねた。 「あなたの失踪で大変な目に遭ったのよ?」 「あの件か、思いがけず迷惑をかけて悪かったね」 「もういいわ」 すると小七は動画のせいで自分の名声が傷ついたと難癖をつけ、恋人契約を結びたいという。 しかし条件は李蕓が自分の家に同居することだった。 「心配ない、君を女として見ていないから…ただ両親が身を固めろとうるさくてな」 2人は会社公認のカップルとして1ヶ月の契約を結び、李蕓は小七の豪邸に引っ越すことになった。 穆小七は李蕓との交際を公にし、奇華グループの令嬢との縁談を破談することに成功した。 こうして始まった李蕓と小七の同居生活、2人は容景と浅月がそうだったように反発し合いながらも惹かれていく。 「以前のことはすまなかった、よく考えると君も悪くはないな」 「あなたこそ噂ほどひどくないわ」 すると小七は家族さえ自分を見る目は世間と大差なく、もう慣れっこだという。 しかし李蕓は小七の本当の姿を知っていた。 「あなたは陰で正しいことをしている、知っているの…タネを明かすわ」 実は小七の友人・林(リン)社長は李蕓の親戚だった。 李蕓は林社長から穆小七の情報を集めていた。 小説が現実になったのは小七の行動を事前に知っていたからだという。 「段取りは全部、従兄が組んでくれたの、もちろんあの偶然の出会いも…」 「最初から計画していたと?」 「そうよ、わざと近づいた、あなたが好きだから」 李蕓は小七が恋人を取っ替え引っ替えしているのはスキャンダルで縁談を流すためだと分かっていた。 しかし一方で忙しい中、毎月、複数の施設へ慰問しているのも知っている。 「遊び人に見せているけれどあなたは善良な人よ、父親の決めた道を歩くのが嫌なだけ …私はあなたを理解している、だって知り合ったのはずっと昔だから」 かつて李蕓はアルバイト先のバーで客にからまれているところを小七に助けられていた。 「…私は人にはめられるのが大嫌いだ、李蕓小姐、私たちの契約は今日で終わりだ」 「ごめんなさい、騙して…でもこれだけは言わせて、小説のモデルは本当に私とあなたなの …帰るわね、この本は置いていくわ、最後のプレゼントよ」 李蕓と穆小七はそれぞれの生活に戻った。 小七は仕事に復帰、漢代の墓が出土して頓挫した計画を変更し、文化遺産を保護して再開発を進める。 そんな忙しい毎日の中、暇を見つけては李蕓が置いていった″紈絝世子妃″を読みふけった。 一方、李蕓は執筆活動を続け、新刊も売り切れとなった。 するとある日、麗麗(レイレイ)から連絡があり、良い男を紹介するという。 「今度は間違いないわ、私の顔を潰さないでよね」 「いいわ、どこへ行けばいいの?」 李蕓が指定された場所で待っていると、ランボルギ〇ニが停まった。 「穆小七?…私をブロックしたくせに、なぜあなたがここに?」 「いいから乗れ」 「なぜ今頃になって誘いに来たの?」 「…あんなゲームを仕組まれてやられっぱなしじゃ男として失格だ」 「もう許してくれないかと…」 すると小七はこれから民政局に行くという。 「えっ?!…結婚登記?!」 喜んだ李蕓は思わず運転中の小七にしがみついて怒られてしまう。 「″私から3尺離れるのだ、よいな?″」 その時、李蕓は流れる景色の中で、巨大スクリーンに映し出された容景と息子の姿に気づいた。 …ディエディエ、きれいな蛍がいっぱいだね、にゃんちんもどこかで見ているかな? …そうだな、どこかで見ている 「…どうした?何かあったのか?」 小七はイタズラっぽく笑うと、李蕓はそっと小七の肩に頭を乗せた。 おわり ( ๑≧ꇴ≦)ちょwwwww かんざし版″トモダチ″で現代に戻ったぁぁぁ〜 久しぶりにミルクティ吹き出したわ(´゚艸゚)∴ブッ ちょっと最終回は肩透かしを食ったような… まあ〜折り返しからエグい展開だったので、これくらいライトな終わり方でもいいのかも? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.02.19 15:49:09
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