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カテゴリ:風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~全40話
风起霓裳 Weaving a Tale of Love 第15話「尚服局へ」 魏林(ギリン)は卓錦娘(タクキンジョウ)から豆子(トウシ)の暗殺を命じられ、毒を受け取った。 そこで豆子の好物である桂花糕(ケイカコウ)に毒を混ぜ、差し入れることにする。 しかし臆病なため足がすくんで牢獄の奥へ進めず、結局、獄卒に豆子へ届けるよう頼んで帰った。 すると獄卒の胖子(ハンシ)が美味そうな菓子を見て勝手に食べてしまう。 その時、突然、皇太子・李治(リチ)が地下牢に現れた。 魏林は卓錦娘に任務を終えたことを報告したが、豆子の死を確認していなかった。 「中に入るなと言われて…でも獄卒に銭を握らせたし、豆子に届けてくれたはずです」 卓錦娘は動揺し、鄧七娘(トウシチジョウ)を呼んで掖庭の様子を探って来るよう命じる。 「…探ると言っても何をですか?」 「お黙り!」 琉璃(ルリ)は独房にあっても身なりを清潔に保ち、机の上も丁寧に掃除していた。 そこに突然、皇太子が現れる。 皇太子は早速、戸を開けるよう命じ、裴行倹(ハイコウケン)に頼まれて急ぎ助けに来たと教えた。 「それが優雅に身だしなみを整えているとは…怖くはないのか?」 「汚いなりで横たわり嘆き続けていたらもっと悲惨です、ならば楽しむ努力をすべきです」 李治は豆子の逆境にも動揺しない前向きな姿勢に感心し、その美しい容姿と男気は不禄院にはもったいないという。 その時、獄卒の叫び声が聞こえ、一同は慌てて様子を見に行った。 豆子への差し入れを盗み食いした獄卒が毒死した。 届けたのは20歳そこそこの見慣れぬ内官、どうやら豆子の毒殺を図ろうとしたのだろう。 李治は豆子を守るため東宮に移動するよう勧めたが、琉璃は義父と順子(ジュンシ)を巻き添えにしてしまった反省から、自分だけ逃げることはできないという。 すると李治はその義理堅さに感銘を受け、必ず下手人を見つけると約束した。 七娘は尚服局へ戻り、卓大家に掖庭の騒ぎを報告した。 皇太子の命で豆子は釈放され、暗殺を企んだ者を必ず探し出すよう命じていたという。 「でも師父、尚服局とは関係ありませんよね?」 「もちろんよ!」 すると卓錦娘は七娘に使いを頼んで追い出し、魏林を連れて内侍院の副総管・潘秦海(ハンシンカイ)を頼ることにした。 「無事に切り抜ける手立ては必ずある…」 不禄院に豆子が戻った。 義父や順子、仲間たちと再会を果たし喜ぶ琉璃、実は皇太子が自分の密命で皇宮を出たことにして救出してくれたという。 「外で太子の友人と知り合って…その人が太子に頼んでくれたらしい」 孫徳成(ソントクセイ)は安堵し、今度こそ逃してやると言ったが、琉璃は皇宮に残ると言い出した。 「阿娘の敵は卓錦娘なのでしょう?…阿娘の敵を討ち、無実の罪を晴らす!」 そこで尚服局に移動し、卓錦娘に近づいて母を陥れた証拠を探し出すという。 孫徳成は一介の医官に何ができると反対したが、琉璃の決意は変わらなかった。 不禄院の弟子たちは豆子のためにささやかな宴を開くことにした。 そこで買い出しの銭を取りに戻ったところ、自分たちの蓄えが全て消えている。 孫徳成は手癖の悪さで不禄院に落とされた魏林を真っ先に疑ったが、案の定、魏林の私物の箱の中から盗品が出てきた。 すると順子がせん別として豆子の荷物に入れたはずの自分の玉があると気づく。 琉璃はてっきり荷物を拾った裴行倹が中身をすり替えたと思っていたが、実は棺の荷物は皇宮内ですでに盗まれていたのだ。 その時、桂子(ケイシ)が銭を隠していた時、魏林から話しかけられたことを思い出した。 「あの時、弟子たちの好物は何か聞かれて…なぜか豆子の好物まで聞かれたんだ 桂花糕だと教えたよ」 琉璃は掖庭に毒入りの桂花糕を届けたのが魏林だと分かった。 話を聞いた孫徳成は激怒、すぐ魏林を呼んでこいと命じたが、思いがけず魏林が冷たくなって戻ってくる。 その頃、潘副総管は東宮を訪ね、皇太子に不始末を謝罪していた。 調査の結果、毒を盛ったのは魏林という内官で、日頃より手癖の悪い者だったという。 失踪を機に豆医官の銭を盗んでいたことから、豆医官が戻って発覚するのを恐れての口封じだと推察した。 しかし事が露見し、すでに湖に身を投げて自尽したという。 「盗品は見つかっています、豆医官だけでなく宮中で盗まれた物は全て魏林の仕業でした」 李治は思わぬ結末に驚いたが、今回は潘副総管を見逃すことにした。 「次は厳重に処罰するぞ」 卓錦娘は内侍院へ相談に行こうと魏林を連れ出し、道すがら湖に突き落として殺した。 この事実に気づいたのは潘秦海だけだったが、手癖の悪さでうまくごまかしてくれたという。 しかし豆医官の後ろ盾が皇太子だと分かり、潘秦海はここで手を引くよう警告した。 さらに驚いたことに不禄院から豆子が尚服局への異動を承知したと知らせがきたという。 「私を巻き添えにしないでくれ」 卓錦娘は豆子に手を出せなくなったが、尚服局に来るなら技を盗めばいいと考えた。 「殺せないのなら生き地獄を見せてやる!」 豆子の尚服局への異動はひとまず仮扱いとなった。 卓錦娘は殊勝な態度の豆子を温かく迎え、これからは尚服局の指示に従うよう命じる。 尚服局の2番手である阿碧(アヘキ)は掟に従い、新入りに一番後ろの机を準備していた。 しかし卓大家は豆子の腕が最後尾の水準なら引き抜くはずがないという。 「こうしましょう、今日はまず腕比べで豆子の実力を示させるわ」 すると気が強い阿碧が自分が相手になると名乗りを上げた。 卓錦娘は豆子と阿碧に薔薇を刺繍させることにした。 「そうね…決めたわ、″花の王″を題に妃嬪の枕覆いを作りなさい」 繍女たちは仕事に戻ったが、露台で対決している2人が気になって仕方がなかった。 すると双児(ソウジ)が阿碧は刺繍を始めたが、豆医官はまだ花を見つめていると報告する。 誰もが阿碧の勝利を信じて疑わない中、琉璃がようやく筆を持って図案を描き始めると人だかりができた。 間に合うのかしら?>(*´・ω)(ω・`*)<平凡な図案だわ~ つづく ・:*+.\(( °ω° ))/.:+*:・ やっと尚服局に来たわ〜! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.06.22 21:06:05
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