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カテゴリ:花令嬢の華麗なる計画 全24話
花琉璃轶闻 Royal Rumours 第1話「初めての都」 昌隆(ショウリュウ)30年の冬、縉(シン)国は金珀(キンハク)国との大戦で護国大将軍・花応庭(カオウテイ)と夫人・長安(チョウアン)侯が敵将・阿瓦(アガ)を生け捕り、勝利した。 本来は国を挙げて喜ぶべきところ、文官たちは花家の増長を恐れ、皇位を脅かすことになるとこぞって奏上する。 頭を抱えた昌隆帝はこの騒ぎを収めるため、ある聖旨を出した。 花家の娘・花琉璃(カリィウリ)を県主に封じ、繁栄する都の暮らしを体験させるという。 県主の出迎えを任された皇太子・姫元溯(キゲンソ)だったが、その実、花琉璃が花家を牽制するための人質だと分かっていた。 「ようやく会える…果たして彼女は敵か味方か?」 玉京(ギョクケイ)に県主を乗せた馬車が到着した。 琉璃は矢面に立たされることなど百も承知、そこで出迎えた大臣や民衆の前で深窓の令嬢のごとく、か弱い県主を演じる。 実はその時、歓迎の賑わいに紛れて金珀の刺客が花家の娘を狙っていた。 大臣たちは花琉璃の様子に困惑した。 将軍の娘は毘沙門天の息子・哪吒(ナタ)太子のようにさぞや勇ましい姿だろうと思っていたが、まさか風に当たっただけで卒倒してしまうとは…。 その時、突然、刺客が現れ、馬車に襲いかかった。 しかしちょうど皇太子が遅れて到着、驚いた刺客は撤収する。 すると独り出遅れた刺客・小五(ショウゴ)が何も知らず皇太子の前に飛び出し、あっさり生け捕りになった。 姫元溯は侍女・鳶尾(エンビ)が止めるのも無視して県主の馬車に乗り込んだ。 確かに花琉璃は気を失っていたが、呼吸が乱れていないところを見ると仮病だろう。 その時、琉璃が急に咳き込んで血を吐いてしまう。 鳶尾は皇帝から賜った屋敷で早く休ませて欲しいと訴え、その場を切り抜けることにした。 すると元溯は県主が下賜された屋敷の辺りは騒がしいと、勝手に療養先を西郊の屋敷に変えてしまう。 琉璃は幼い頃、皇太子と文のやり取りをしたことがあった。 当時、習いたての字を書くのが楽しくて、家族だけでなく親しい皇族や高官に文を送っている。 東宮に戻った元溯は大事にしまっておいた琉璃の文を眺めていた。 「文の印象とはまるで違った…どちらが本当の姿なのか」 軍営で育った琉璃は幼い頃から弓や馬を操り、手作りの毒を自慢していた。 …猫も飼えない殿下は哀れですね… しかし琉璃は元溯が今、真っ白な猫を飼っていることなど知る由もない。 皇太子が決めた県主の屋敷は寂れた廃屋だった。 鳶尾はあまりに酷い扱いだと嘆いたが、琉璃は軍営の幕舎に比べれば恵まれているという。 すると寝殿の前に落ちていた扁額に″花府″とあった。 実はここは花家が辺境に移る前の旧宅で、扁額の字を見ると祖父が書いたと分かる。 祖父が戦死してから屋敷は放置され、必死に辺境を守っても警戒されるとは難儀なことだ。 「太子まで出しゃばってきた、これからも苦労しそうね」 「小姐、太子殿下は腹黒そうです」 琉璃は寝たふりをしていたので皇太子の顔が良く見えず、何を考えているのか想像もできない。 ただ寂れた場所に住めるのはかえって好都合だった。 文官たちは花家の動きを見張っているはず、街中では人目があって窮屈だろう。 「でも太子を探る必要があるわね… そうだ、さっき金玲苑(キンレイエン)の前を通ったわね?道を覚えてる?」 辺境にいる琉璃の耳にも都で人気の楽師・雲寒(ユンハン)の噂は届いていた。 何でも雲寒目当てに都の令嬢たちがお忍びで金玲苑に通っているらしい。 琉璃は朝廷の情報を集めるため、早速、出かけることにした。 そこで荷物から″玉京女子図鑑″を引っ張り出し、都で流行りの髪型と衣に着替えたが…。 琉璃と鳶尾は裏庭の外壁の穴からこっそり屋敷を出た。 父が若かりし頃に見つけた穴で、母に会いに行く時に使っていたと聞いたことがある。 こうして琉璃と鳶尾は門衛の目を盗み、金玲苑に向かった。 金玲苑の楽師たちは面で顔を隠し、客人たちの様子を探っていた。 実は楽師たちは皇太子の間者、金玲苑は皇太子の諜報機関の隠れ蓑で、ここには各所から情報が集められ、無数に並ぶ小さな箱に振り分けられている。 その中には花琉璃の箱もあった。 皇太子の腹心で大理寺少卿(ショウケイ)・裴済懐(ハイセイカイ)は県主が落とした手巾を拾って皇太子に届けた。 手巾には琉璃が喀血した際、付着した血痕がある。 すると裴済懐はその匂いで西域に伝わる果物の砂糖煮だと分かった。 「殿下も見抜いていたのですね」 「報告の通り花家に謀反の意思があるのなら花琉璃の怪しげな態度にも合点が行く、調べよ」 今日は雲寒が新曲を披露するとあって金玲苑は満員だった。 琉璃はそれとなく客人たちの話に耳を傾けていたが、隣の席にいた郡主・田嘉敏(デンカビン)と姚文茵(ヨウブンイン)が花家を中傷している。 「そう言えば太子殿下が花家の娘を西郊の寂れた屋敷に放り込んだらしいわ」 「陛下の意を受けて好き勝手してるとか、早々に復命していれば陛下も警戒しないのにね 花家も運に見放されたわね~」 「何ですって?!」 すると鳶尾が激怒、相手が誰かも知らず喧嘩を売ってしまう。 田嘉敏は鳶尾の時代遅れの装いを見て失笑、田舎娘かと馬鹿にした。 憤慨した琉璃はやんわり公の場で花家の話をするのは朝廷への侮辱になると牽制したが、店主が慌てて駆けつける。 「郡主、もうすぐ雲寒の出番です…そちらのお二人は静かな席へ移動しては?」 「分かりました」 騒ぎを起こしたくない琉璃は大人しく引き下がったが、その情報はすぐ皇太子の耳に入った。 舞台に雲寒が登場した。 店内の娘たちは雲寒の美しさに目が釘付け、琉璃はその隙に広間を抜け出してしまう。 …美形の楽師を捕まえられないかしら、どこかの小部屋で役人の話を詳しく聞きたいわ… すると回廊でばったり仮面をつけた楽師と出くわした。 「迷ったのですか?それとも人探しを?」 琉璃はどこか聞き覚えのある声だと思ったが、ともかくその楽師と話をすることにした。 ( ๑≧ꇴ≦)私たちのリーフェイ来たわ! つづく ( ゚ェ゚)ゲンソって…これだけでもう視聴意欲が落ちるわw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.03.13 11:08:27
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