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カテゴリ:星河長明 運命の妃と不滅の帝 全25話
星河长明 Shining Just For You 第23話 出産を控え、見月楼(ケンゲツロウ)を離れることにした棠縁(トウエン)こと雪嵐微(セツランビ)。 しかし父に向けて放った伝書鳩が捕まり、翼無憂(イーウーユー)こと羽臨空(ユーリンコン)に正体を知られてしまう。 足止めされた棠縁は樊平(ハンヘイ)の子を懐妊したと明かして許しを乞うたが、そこへ棠縁を迎えに来た樊平が現れた。 樊平は面目を保つため密書を開けずに返して欲しいと嘆願、すると翼無憂は情けをかけて密書を返してくれる。 「棠縁、樊公子と幸せにな」 樊平は棠縁に多くの秘密があることは分かっていたが、それでも愛する気持ちに変わりはなかった。 そんなある日、白露が居所へ戻ると青夙(セイシュク)が待っていた。 聞けば運河を造る土伯(ドハク)が何者かに襲撃され、唯一の証拠となる骸に刺さった矢尻を持って来たという。 白露は鶴雪(カクセツ)の武器だと気づき、見月楼を訪ねた。 しかし鶴瑾(カクキン)から翼無憂なら留守で、急用以外は来ないで欲しいと追い返されてしまう。 「私に会えない理由があるようね」 白露は矢尻を渡し、いつもの場所で待っていると伝言を残して帰った。 翼無憂はいずれ葉子(イェズー)にも知られることだと腹をくくり、白露が待つ竹林に出かけた。 「樊如晦(ハンジョカイ)と手を組んだの?相手を間違えないで」 「ふっ…それは彧修明(ユーシューミン)を選んだ君の言い分だろう?」 翼無憂は皇子として羽族の復興が使命であり、責任だという。 かつて葉子のためなら全てを捨てられたが、どんなに尽くしても葉子は自分を気にも留めてくれない。 「権力があれば君を手に入れられる、手段を選ばぬ彧修明に君はなびいただろう? 天下を統べる皇帝になれたら君は私を彧修明のように見てくれる」 「私を口実にしないで」 しかし翼無憂はこの時、初めて凌霜に背を向けた。 雪嵐微は樊平が用意してくれた屋敷で静かに出産の日を待っていた。 知らせを聞いた雪宣京(セツセンキョウ)は密かに娘を訪ね、このまま一生、日陰の身で生きるのかと困惑する。 しかし雪嵐微は雪家の宿願を果たすことを忘れていないと安心させた。 羽臨空と樊如晦が手を組み越州の土伯を襲ったところを見ると、もうすぐ晁(チョウ)皇を狙うはずだという。 「子を産んだら寧州に戻り、軍の指揮を執ります」 彧修明は白露を氷鑑(ヒョウカン)台に呼んだ。 実は今日が彧修明の本当の生辰、一緒に団子を食べようという。 「幼い頃、生辰の日には母が甘い団子を作ってくれた 母が逝去した後も毎年、この日には団子を食べている」 すると白露が立ち上がり、朝臣らしい堅苦しい祝辞を述べた。 彧修明はそんな白露の態度に寂しさを覚え、自分が求めているのは山河も隔てられぬ心のつながりだという。 「白露、この意味が分かるな?」 しかし急に彧修明の様子がおかしくなり、反噬の発作を起こして乱心してしまう。 「陛下!私です、白露です、あなたは英明な晁の皇帝なのよ!」 白露の悲鳴にも似た訴えが届いたのか、彧修明は急に気が遠くなり、意識を失った。 知らせを聞いた天妃・冷天㬢(レイテンギ)は白露の皇帝への態度に不満を募らせた。 皇帝は白露のため命懸けで枕霞(チンカ)山の神殿に戻り、秘術師の呪いにかかった時には神力を消耗してついに不死身の身体を失っている。 「その意味を考えたことがあるの?!」 「私…よく分かりません」 すると白露は居たたまれなくなって逃げるように出て行ってしまう。 白露が居所に戻ると顧惘然(コボウゼン)がやって来た。 伝えるべきかどうか迷ったが、実は雲紋(ウンモン)が去る時に言い残した事があるという。 「陛下が″時遡(ジソ)の回廊″に戻ったのは君の代わりに朱顔(シュガン)公主を救うためだったそうだ 真師(シンシ)は時空法陣の乱用が許されぬ身、真師の加護を受けた陛下も苦しんでいると…」 何も知らなかった白露は激しく動揺した。 結局、何度、過去に戻ろうと七海蕊(チーハイルイ)が早逝するという運命は変えられない。 それなのに自分の執着のせいで愛する彧修明を害してしまったのだ。 白露は呆然としながら、雲紋から聞いた法術で丸薬を作った。 …白露、もし私が去った後、誰かを救いたい時が来たらこの法術を使え… 翌朝、白露は広陽(コウヨウ)宮を訪ねた。 侍衛・凌雲(リョウウン)は皇帝がまだ目覚めないと話し、白露に任せて寝所をあとにする。 白露はすっかり憔悴した彧修明に丸薬を飲ませた。 すると彧修明がようやく目を覚まし、白露が妙薬を作ってくれたのだと気づく。 白露の指には切り傷があった。 「二度と自分を傷つけてはならぬ」 「少しは元気になったようですね」 彧修明は白露の腕を引っ張って寝台に押し倒し、しばし見つめ合った。 「陛下、真師に何かされたのですか?」 「いいや…この症状は初めてではない、以前より重症なだけだ」 彧修明が回復すると白露は氷鑑台に呼び出し、後宮に入りたいと嘆願した。 しかし彧修明は愛する女子には自分から求婚したいという。 「朕の正妃に迎える、皇后となってくれ」 「でもなぜ私なのですか?」 「そなたは朕に似ている」 すると白露は皇后となってもまだ欽天監で働きたいという。 彧修明は呆れたが、嫁荷しだいだと笑った。 「目を閉じてください…ちょっとお待ちを」 彧修明は口づけを待っていたが、実は白露は氷鑑に法術をかけ、夜空に寄り添う2人の宿星を見せた。 「これで2人は一心同体だと天下に示せます」 「はお、朝議で婚姻を結ぶと宣言する」 その頃、雲紋は白露が閔中(ビンチュウ)山で見つけた法陣を探していた。 「穹石(キュウセキ)の入り口ってどこにあるんだよ~」 一方、翼無憂は瓊華槍(ケイカソウ)の修復を頼むため、再び宛(エン)州の桃源谷を訪ねた。 娘は再会を喜んだが、実は師匠が先月、亡くなったという。 そのため娘が河洛(カラク)族における創造神の代弁者・阿洛卡(アラクカ)を継いでいた。 「まだ修行が足りないのに…でも私で力になれる事があるかも」 そこで翼無憂は羽族の神器を託した。 ただどれだけ探しても星流石が見つからなかったという。 「確か星流石は真師の加護を得た者が持っているとか…」 すると翼無憂は葉子からもらった琥珀石を思い出し、阿洛卡に預けた。 棠縁は自分の正体を隠しながら無事、男子を出産した。 跡継ぎの誕生に大喜びした樊平は父に報告して正式に樊府に迎えると約束したが、棠縁は必要ないという。 「孫を見せに行って来たら?」 樊如晦が謁見すると、皇帝のそばに白露が控えていた。 「孫が生まれたそうだな?」 すでに皇帝の耳に入ったと知った樊如晦は息子の愚行を謝罪したが、予想外に皇帝は喜んでくれる。 「朕にとっても初めての従甥孫(ジュウセッソン)、欽天監に縁起の良い名をつけてもらおうと思ってな」 「陛下、″天授(テンジュ)″はいかがかと…」 彧修明は良い名前だと喜び、さらに白露を神祇(ジンギ)に任じて祖廟での祭祀を行うことを認めた。 「朕も参列しよう」 しかしその夜、屋敷に戻った樊如晦は次子の樊征(ハンセイ)を呼び、孫の満一月の祭祀に刺客を忍ばせるよう命じた。 「陛下が樊府に来る、翼無憂たちに罪を着せればいい」 実は樊如晦は逐幻(チクゲン)宮の密偵から皇帝が床に伏していたのは神力が枯渇したせいだと聞いていた。 そこで広陽宮を訪ねた折、こっそり神鏡を確認したところ、鏡にひびが入っていたという。 「恐らく不死身の身体を失ったのだ、だが叛徒をあぶり出す策かも知れぬ 今回は陛下の腹を探る、しかとやれ」 「やっと樊家の栄光を取り戻せるのですね」 彧修明は後宮を訪ね、天妃に樊家の祭祀に参列すると話した。 嬉しそうな皇帝の姿に安堵しながらも、冷天㬢は念のため自分も付き添いたいと申し出る。 彧修明は口うるさい天妃にいささかへき易したが、自分を案ずる心遣いだと思い直してを同行を認めた。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)イヤーッ!何だか見てはいけないものを見せられてる気分になるわwwwwww お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.11 20:43:29
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