2024/07/14(日)23:13
七時吉祥~エンドレス・ラブ~#15 あらすじ
七时吉祥 Love You Seven Times(全38話)
第15話
天界に新たな神託が下った頃、摩羅(マラ)山では錦蓮(キンレン)がまさに滄海(ソウカイ)帝君を復活させようとしていた。
しかしなぜか失敗、錦蘿(キンラ)が激しい反噬で元神を損ない、錦蓮まで道連れになってしまう。
実は摩羅族の双子は同じ運命をたどり、死ぬ時も同じだった。
「これは…女媧(ジョカ)石の心ではないな?」
錦蓮は双子の妹で摩羅族の聖女でもある錦蘿の裏切りに驚愕した。
「今まで誰も与えてくれなかった愛を紫輝(シキ)がくれた
あの人を助けるためなら自分の心を捧げても構わない!」
「答えろ…女媧石はどこにある?」
「見つけられないわ、だってもうすぐあなたの魂も消散してしまうから
あはははは~!哥哥、私と一緒に地獄へ落ちるの、そこが私たちに相応しい場所よ」
すると錦蘿は姿を消してしまう。
一方、人間界では女媧石の化身である紫輝が目を覚ましていた。
しかし心を奪われたせいで記憶を失い、何が起こったのか全く覚えていない。
「ここは一体どこだ?なぜここに?」
摩羅族の邪魔が入ったせいで天界では転命司が神託を受ける際に混乱が生じていた。
しかし帝君が独りで対処し、初空(チュコン)が長寧(チョウネイ)殿へ駆けつけた時にはすでに昊軒(コウケン)が神託を受け取っていた。
…滄海が蘇って世が覆り、災いが訪れる…
第1話の神託では″滄海が千年で蘇る″とあったはず、初空はそれまでに元神を修復するため、急ぎ次の歴劫に出かけると決めた。
孫(ソン)天王は帝君が摩羅族の力を抑えたせいで元神が傷ついたと気づいた。
しかし昊軒は医者を断り、口止めする。
再び初空が歴劫に出れば天界の守りが手薄となり、さらに自分まで手負いだと知られれば摩羅族が動くこと必至だという。
一方、深手を負った錦蓮もまた元神を修復するため、人間界へ歴劫に出ると決めた。
「邪風(ジャフウ)、私がいない間、摩羅族を守ってくれ、軽はずみに動くな」
初空は念のため転命司を訪ね、李(リ)天王が書いた転生の物語を確認した。
3回目では心の臓の病・玲瓏(レイロウ)心を患い、20歳まで生きられない設定だという。
しかし同じ玲瓏心の祥雲が初空を愛して自ら心の臓を捧げると、初空の寿命を延ばせることになっていた。
「こうしてさほど待たせずに修行が終わり、元神も回復します(キリッ!」
「だが彼女に愛されていると確かめる方法は?」
「玲瓏心の者同士が唇を重ねると心の臓が光ります!」
「口づけって…それは…(テレ」
「何か問題が?(はっ!)では玲瓏心の者には神仙に近い力を与え、生まれつき無敵にします!」
初空は満足したのか、加えて祥雲が自分の命に従うよう従順にしてくれと頼んだ。
「今度こそ私をガッカリさせるなよ?!」
すると初空は神仙たちに祥雲との口づけを見られないよう、自分の運名簿を封印してしまう。
昇格できたのも束の間、急に3回目の歴劫へ行くことになった祥雲。
しかし紅塵(コウジン)井へ向かう途中、うっかり忘川蜜(ボウセンミツ)を落とし、初空が拾ってしまう。
(  ̄꒳ ̄)_🧪<これはそなたのか?
(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ~<転生の際には忘川の水を飲むのが決まりですから…(๑・᷄ὢ・᷅๑)チッ!
修茗(シゥミン)は七夕の手伝いで姻縁閣を訪れた際、偶然、祥雲の手首に触れ、彼女の元神の異変に気づいていた。
そこで転命司を訪ね、転生に関する書物を調べてみる。
…神仙が転生すると通例、死ねば天界に戻り元神が回復する
だが元神が同源の2人の場合、相手のために命を投げ出すと相手の元神を補い、その代わり死んだ者の元神は消耗する、このまま元神を捧げ続ければ、やがて元神は消滅するだろう…
「それで元神が傷ついていたのか」
修茗はようやく原因を突き止めたが、その頃、祥雲はすでに3度目の歴劫に出かけようとしていた。
今回ばかりは記憶を消して行かざるを得なくなった祥雲。
しかし初空は祥雲が忘川水を飲むのを確認すると、さっさと紅塵井に飛び込んでしまう。
天界での記憶を持ったまま人間界に転生した初空。
幼い頃から邪道の技を学び、天性の驚くべき力を持つも病弱という聖凌(セイリョウ)教の教主で、俗世とは関わらず、その名を知る者もいなかった。
何の因果か初空の側近は錦蓮の転生・千忍(センジン)と記憶のない紫輝こと千謀(センボウ)。
初空は似顔絵を頼りに長年、祥雲を探し続けていたが、19歳となる今年、ついに祥雲を見つけることになった。
祥雲は御剣(ギョケン)宗の宗主夫妻の娘・楊小祥(ヤンシャオシャン)に転生した。
玲瓏心の小祥は深窓の令嬢だったが、その年、両親と蜀にいる名医を訪ねるため、初めて外の世界へ出ることになる。
しかしその夜、一家は滞在先の満香(マンキョウ)館で何者かに襲撃された。
宗主と夫人は娘を箪笥に隠して応戦したが、黒装束の男に殺されてしまう。
指を噛んで恐怖に耐える小祥、その時、かろうじて刺客の手にあざがあるのが見えた。
御剣宗の弟子たちが満香館に駆けつけた時には宗主夫妻も従者も全滅していた。
そこへ小祥の身を案じた裴修茗(ペイシゥミン)が駆けつける。
修茗は楊宗主と親しい白鶴(ハクカク)派の侠客の息子で、小祥とは幼馴染だった。
しかし小祥の姿は見当たらず、誰かが連れ去ったと分かる。
実は小祥を助けたのは初空だった。
初空は箪笥に隠れていた小祥を発見し、聖凌教に連れ帰った。
しかし玲瓏心の力を使ったせいで体力を消耗、数日は車椅子での生活となる。
小祥は恐怖のあまり記憶を失くし、興奮を抑えるため今は薬で眠らせていた。
弟子たちは小祥が玲瓏心だと分かり、これで師匠も助かると安堵する。
ただし残りの1年でどうすれば小祥が教主を愛するようになるのかが課題だった。
側仕えの小放(ショウホウ)は教主が刺客を倒して助けたことを思い出せば、恩返しに心の臓を捧げるはずだという。
「ともかくこの娘は預かる、弟子たちには私の最後の弟子だと伝えてくれ」
修茗は配下から報告を聞いた。
実は事件の前、聖凌教の弟子たちが似顔絵を持って小祥を探していたという。
修茗は今さらながら楊宗主夫妻に蜀行きを勧めたことを後悔した。
…離れても祥雲を守れると思ったが、まさか延命のために手段を選ばずさらうとは、初空め…
その頃、天界では李天王が修茗皇子も歴劫に出かけたと気づいた。
しかも自分が書いた初空戦神の話を代用し、祥雲の幼なじみとして転生している。
「でも聖凌教での3人の情劫は俺の筋書きよりむごいな~
宣伝しとこっ!2人の神仙が私の筋書きを使ったって!」
小祥は記憶を失ったおかげか、聖凌教での新しい生活にすぐ慣れた。
ある日、小祥は海棠餅が食べたいという教主のため、書を見ながら作っていたが、また厨房で爆発を起こしてしまう。
「このひと月で大爆発が8回、小爆発は18回…もしや小師妹は火薬の専門家なのか?」
「やっぱり只者じゃないのかも…」
初空は食卓に並んだ小祥の料理に困惑した。
「炊事については何も望まぬが…この苦行に身体がついて行かぬ」
「師父…あなたをまた失望させてしまいました、でも努力します!」
「しなくていい、ただ海棠餅だけは必ず成功させてくれ」
「了解!」
初空は天界で食べ損ねた祥雲の海棠餅がどうしても忘れらなかった。
「で、さっき作っていた海堂餅はどうした?」
すると小祥は申し訳なさそうに大失敗した海堂餅を出す。
「聖凌教に来て一月も経つのに学問も武芸も何もできないなんて…私は本当に役立たずです
聖凌教は私の家も同然、ここでの暮らしも師父も大好きなのに…」
「(はっ!)今、何と?」
「師父のことが好きです」
つづく
( ˶´꒳`˵ )ちょこちょこ2回目の転生と繋がるネタが仕込まれているのイイ!
初空と錦蓮が一緒に転生しちゃう展開も面白いわ