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カテゴリ:長相思 シーズン1全39話
长相思 lost you forever 第2話 清水(セイスイ)鎮に到着した軒(ケン)一行。 ここには知らぬものはないと豪語する霊石の妖怪がいた。 霊石の広場では講談中に兎妖(ウヨウ)の急なお産で一騒動あったばかり。 軒たちはちょうど医者の玟⼩六(ビンショウリク)と入れ違いで講談の続きを聞くことにした。 しかし思いがけず小夭(ショウヨウ)と瑲玹(ソウゲン)の物語だと気づき、軒は目を潤ませてしまう。 …小王姫は玉(ギョク)山で哥哥との再会を待ち続けていた だが待てど暮らせど哥哥は迎えに来ない 小王姫はあきらめて父の皓翎(コウレイ)王を探すため密かに下山するも、その後、行方知れずとなり、今では生死すら分からないという… 「今日はここまで、続きを聞きたい方はまた明日、来てくれ」 すると石妖(セキヨウ)は霊石に戻った。 軒は身分を隠し、街の東側にある空き家を借りた。 早速、従者の老桑(ロウソウ)と2人、手際よく住まいを整え、中庭には従妹・阿念(アネン)の好きな梅の木を植える。 阿念はまだ真冬のため花が見られないと残念がったが、軒は霊力で梅の木を満開にした。 しかし花びらの舞う中ではしゃぐ阿念を見ると、軒は鳳凰木の鞦韆(ブランコ)で遊んでいた小夭の姿が重なってしまう。 その夜、軒は寝つけず中庭で酒を飲んでいた。 すると老桑が現れ、王姫のことを考えているのだと気づく。 あれから300年、遊歴しながら西炎と皓翎をくまなく探したが小夭の手がかりは何もなかった。 「私を役立たずの哥哥だと思っているだろうな」 「殿下は長年、王姫の行方を探す一方で五王や七王から命を狙われてきた 王姫が知ったら胸を痛めるはずです」 「小夭が見つかるのなら大したことではない 化外(ケガイ)の地である清水鎮にいれば何か分かるやも」 しかし清水鎮に来た目的は本来、辰栄(シンエイ)の残党軍を探るため、小夭の件は秘密にするよう釘を刺した。 一方、小六も石妖の講談を思い出しながら独り、月見酒で寂しさを紛らせていた。 石妖の話では瑲玹が叔父たちの排斥を受けて人質として皓翎国に送られたが、今や第二王姫と楽しく過ごして世俗を忘れてしまったという。 軒の店の前は小六が子供を取り上げた兎妖の点心の店だった。 挨拶がてら朝食を食べに行った軒、すると兎妖がお近づきの印に漬物をおまけしてくれる。 「それで何の店を開くの?」 「酒造りを学んだので酒を売ろうかと…酒ができたら店を開きます」 小六が往診から戻ると、弟分の麻子(マシ)と串子(カンシ)が西河(セイガ)沿いで物乞いを見かけたと報告した。 実は洗い物当番だった小六も草むらで倒れている物乞いに気づいたが、余計な事に首を突っ込まず、悠々自適に過ごすことが信条、見て見ぬふりをして帰っていた。 「六哥、すごく哀れだったし…」 「哀れな奴はいくらでもいる!面倒を起こすな!」 そうは言ったものの、小六はやはり気になって散歩がてら様子を見に行った。 物乞いはまだ川辺で倒れていた。 するとその男は麻子が恵んだ焼餅(シャオビン)ではなく、すぐ横に咲いている小さな花に手を伸ばしている。 小六はかつて監禁されていた時、自分も同じように必死に花へ手を伸ばしたことを思い出し、結局、男を助けることにした。 男は余程むごい仕打ちを受けたのか全身傷だらけだった。 鞭打ち傷、やけど、刀傷に刺し傷、どれも古傷から生傷まであり、足には釘で地面に打ち付けられていたような跡があった。 右脚は手当てしなかったせいか、折れた骨が曲がったままくっついている。 小六は脚をもう一度、折って骨を真っ直ぐ治すと決めたが、老木(ロウボク)は怪我人が神族だと気づいて心配した。 恐らくただならぬ事情を抱えているはず、助けてもろくなことにならないという。 しかし小六は耳を貸さず、手当を始めることにした。 その時、怪我人の目がうっすら開く。 「心配するな、ここは医館だ。これから脚を治療する」 すると脚を折られた男は気絶してしまう。 小六の献身的な治療で神族の男は落ち着いたように見えた。 しかし長年、虐げられてきたせいで五臓六腑が傷つき、どちらにしても長くはもちそうにない。 一方、軒の屋敷に密かに暗衛・鈞亦(キンエキ)が現れ、辰栄の残党軍に潜入している間者と接触できたと報告した。 「慎重に動いてくれ」 五王や七王も残党軍にはお手上げの様子、祖父の心の棘である残党を滅ぼすことができれば西炎山へ戻れる日も近いはずだ。 その夜、軒は老桑と一緒に石妖を訪ねた。 「清水鎮にいる旧友の居場所を知りたい」 軒がお礼に妖族の修行に役立つ玉山の万年玉髄(ギョクズイ)を差し出すと、石妖は喜んで引き受けた。 しかし長年、会っていないため風貌が特定できず、かろうじて分かっているのは眉間にある桃の花のあざだという。 石妖は早速、清水鎮の住人を全て映し出したが、その中に小夭はいなかった。 「そうだ、旧友は姿形を変えているのかも…術を見破って真の姿を見られるか?」 石妖はそこまでの霊力がないと断ったが、軒は自分の霊力を使わせた。 神族の強い霊力のおかげで霊石は人の姿をした妖族たちの真身を映し出した。 小夭はやはり見つからなかったが、霊石はなぜか最後に小六の寝顔を映して止まる。 「彼は知り合いの医者だ、名前は玟⼩六、数十年ここに住んでいる 戦を好まぬ西炎の逃亡兵1人と、親のいない2人と共に暮らしているが、怪しい点はない だが…隣にいる怪我人は見たことがないな?」 「旧友は女子で男ではない、この2人も神族だが姿は変えていないようだ」 軒は結局、小夭の手がかりを得られず、落胆した。 翌朝、小六は神族の男に付き添ったまま目を覚ました。 男は眠っていたが、どうやら枕元の燭台から溶けた蝋燭が小六にかかないよう腕を伸ばしていたらしい。 …これほどの仕打ちを受ければ性格も変わるはずだが、それでも善良な心が残っているとは… しかし男は再び高熱を出してしまう。 老木は見切りをつけて棺の準備に出かけたが、小六は男の包帯の上ですっかり固まった蝋を見て心が動いた。 「安心しろ、俺は神医だ、すぐ良くなる」 小六は手首を切って男に自分の血を飲ませた。 小六の献身的な看護が実を結び、神族の男は起き上がれるまでに回復した。 そこで湯浴みをさせることにしたが、男は小六に触れられるのを頑なに拒む。 「身体を拭いて薬を塗り、頭を洗ったのも俺だ、今さら気にするな」 小六は遠慮なく男の肌着を脱がせ始めたが、なぜか急に鼓動が激しくなってしまう。 「ちょっと用事を思い出した、後は自分で…」 すると感の鋭い男は小六の様子から実は医者が女子だと見抜いた。 つづく ( ̄▽ ̄;)小夭のおでこの印ってあざだったのか… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.07.29 22:02:28
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