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カテゴリ:七時吉祥(シチジキッショウ) 全38話
七时吉祥 Love You Seven Times(全38話) 第33話 初空(チュコン)を追いかけ詭(キ)界へ転生した祥雲(シャンユン)。 何とか侍女として妖王府に潜り込むことに成功したものの、初空から手ひどく追い返されてしまう。 …どうして?初空は私のことが分からないのかしら?… しかし初空が頑なに拒んだせいで狂龍(キョウリュウ)長老が怪しんだ。 「もしやこの小虎妖の美しさに心が動くのが怖いのですか?」 「…下っ端の妖怪に過ぎないが長老のせっかくの好意だ、残るが良い」 無事に妖王の寝殿に入った祥雲は安堵から思わず初空に抱きついた。 「どれほど会いたかったか!何があっても隠さないと約束したでしょう?」 しかし初空は祥雲を突き放し、無礼だと憤慨した。 「初空、分かってるわ、詭界に来たのは何か大事なことがあるからよね? 安心して、足は引っ張らない!あなたに会うまで大変だったの でも狂龍長老が大王に侍女を贈ると聞いて入り込めた」 「これは新しい悪巧みか何かか?旧知のふりをするとは…」 すると祥雲は二度と寝殿に入るなと叱られ、追い出されてしまう。 …初空、本当に忘れたの?あの矢を受けたせいかしら、また新しくやり直さないと… 一方、厄誅(アクチュウ)痕に蝕まれる昊軒(コウケン)は体調が悪化していた。 そこで表向き弟が急逝したせいで気力が出ないと言い訳し、初空を暗殺してくれた修茗(シゥミン)を信頼して政務を代行させることにする。 しかし修茗は誤解だと訴えた。 砕魂箭(サイコンセン)を鍛えていたのは神託で滄海(ソウカイ)が復活すると知り、帝休(テイキュウ)族の敵を討つためだという。 昊軒はそれ以上、追求せず、恐らく摩羅(マラ)族が滄海のために強敵である初空を排除したのだろうと言った。 妖王の寝殿に追い出したはずの祥雲が戻ってきた。 初空は香袋の匂いに驚いて祥雲を引きずり出そうとしたが、祥雲は初空の背中にしがみついて離れない。 「下りろ!」 「側に置くと約束するまで下りない!」 「下りろ!さもないと…もう間に合わな…い」 その時、祥雲の香袋に入っていた虫除けの荊芥(ケイガイ)草のせいで、初空の猫耳が出現した。 「あ!耳だ!」 初空は祥雲の香袋を握りつぶし、ひと安心した。 しかし詭界では毒蠍王を死に追いやった猫妖は見つけ次第、殺すよう命じられている。 祥雲は思いがけず初空の弱みを握り、自分を排除すればうっかり狂龍長老に口を滑らせてしまうかもしれないと脅した。 「ならば私の邪魔はするなよ?」 「ご安心を、力になります」 妖王の突然の交代、しかし昊軒は新しい協力者に金丹を集めさせていた。 「あと1つで滅妖(メツヨウ)陣を動かし、詭界の妖力を取り込めるでしょう 私との約束を覚えていますか?」 「安心しろ、全て終わったら約束通りお前の望むものを与える」 一方、昊軒の側近である孫(ソン)天王は修茗の行動を怪しみ、密かに探っていた。 そんなある夜、水晶を商う黒豹妖が襲われ、金丹を奪われた。 金丹を持つ妖怪は狂龍長老と不問(フブン)長老の他に10人、この数日で6人が続けて消滅しているという。 すると報告を聞いた妖王は自ら犯人探しに乗り出した。 これまでの妖王はこの件に一切、関わろうとしなかったが、新しい妖王は今までとは違うらしい。 美しい祥雲にも目もくれず、どうやら本当に情を断ったように見えた。 しかし慎重な狂龍長老はまだどこか妖王を信じられずにいる。 「先王の虚霊鏡(キョレイケイ)が眠ったままだ、きっと役に立つだろう」 その話を祥雲が回廊で立ち聞きしていた。 翌朝、初空が身支度を整えて寝殿を出ると、すでに長老たちが階下で待っていた。 実は先王が残した虚霊鏡を新王に保管して欲しいという。 しかしそれは単なる口実、初空はこの鏡が妖族の真身を映し出すと知り動揺した。 すると上階にいた祥雲が長老たちを誘き出すため、狐妖のかんざしを抜いて屋敷を飛び出して行く。 神仙の気配を感じた長老たちはもはや鏡どころではなくなり、妖王の猫耳姿が映し出される前に出払った。 祥雲は集落の物陰に隠れ、かんざしを挿した。 何とか長老たちをまいて妖王府に戻ることにしたが、その時、運悪く尾狐(ビコ)公子に見つかってしまう。 尾狐公子と言えば若い娘をかどわかすことで有名、しかし金丹を持つ妖怪に祥雲が勝てるはずもない。 「しまった…ここで終わるわけにいかないのに」 その時、初空が現れ、妖王を見た尾狐公子は慌てて姿を消してしまう。 初空は自分を助けるため祥雲が気配を現したと気づいていた。 「私を助けてくれたお返しに忠告しよう、ここはお前に不向きだ、早く離れろ」 「残ると言ったら?」 しかし初空は何も言わず帰ってしまう。 長老たちが妖王府に戻ると鏡は消えていた。 妖王は言われた通り鏡を大切にしまったという。 長老たちの企みは失敗、そこで狂龍長老は祥雲を使って妖王に″真実の水″を飲ませることにした。 黒豹妖の身辺を探っていた初空は黒豹の妻がいないことを訝しんだ。 すると祥雲が現れ、差し入れの海棠の花酒を勧める。 「狂龍長老が真実の水を入れたの、飲まないで(コソッ」 しかし初空は飲まねば疑われると言って杯を空けてしまう。 そこで祥雲は初空の声真似をしてごまかすことにした。 「大王、あなたの真身は何ですか?…″私は太古の奇獣・猙(ソウ)だ″…そうなんだ~なんつって」 回廊では長老たちが聞き耳を立てていた。 不問は猙なら分からないはずだと納得したが、狂龍は頭が切れる妖王のこと、念のため酒に別の薬を入れてあるという。 「もしそれが効いたとしたら本当に酒を飲んでいる」 その頃、初空は異変を感じて杯の香りを確認した。 「早く出て行け」 「助けたのに恩を仇で返すのですか?」 祥雲は不満を漏らしたが、確かに初空の様子がおかしい。 実は酒の中には媚薬も入っていた。 驚いた祥雲は知らなかったと釈明したが、苦しみもだえる初空を見て決心する。 「私が助けになります」 初空は我慢できず祥雲を寝台に押し倒したが…。 つづく ( ๑≧ꇴ≦)猫だ、猫だwww お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.08.23 00:14:53
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