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2001年11月17日
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柑橘試験場・缶詰工場を訪れて(その4)

 20キロ西にある山手の支場のポンカンを出してくれた。私が食べたのは大変甘くておいしかったが他の人が食べたのは大変酸っぱかったそうだ。まだ味の面での品質管理は進んでいるとは言えないようだ。
 試験場の門には臨時作業員募集の張り紙がかけてあり、真っ昼間なのに四~五人の人がそれを熱心に眺めていた。中国の失業率はかなり高そうだと感じた。

 試験場の視察が済んだのが3時。そのあと缶詰工場へ見学に行く。この工場は程氏の顔が効くらしく、竹で作った門を開けさせてバスで工場の敷地内にはいると麻袋に入れた加工原料のみかんが庭に積み上げてあった。サビダニ、黒点、かいようと見た目はかなり汚いみかんばかりだった。訪問したのは国営工場で8つあるうちの第一分場だった。他に民間の工場もたくさんあるそうだ。
 工場長の呉(ウー)氏の話を聞く。1958年に工場が出来た。主な産品はみかんの缶詰、枇杷の缶詰、山桃の缶詰、黄桃の缶詰、今では豚肉、野菜の缶詰は生産を止めた。原料不足のため。1989年から日本の日商岩井と合作して輸出製品を開発した。品質は指導のもとで高くなってきた。95年の缶詰生産量は3、500トンだった。日商岩井は毎年ここから荷物を買っている。日本へは生産量の60%を輸出している。
 だいたい生産量の15%が加工原料として消費されている。冷凍みかんは昨年からようやく日本へ輸出し始めたが、量は500㌧くらいだそうだ。
 枇杷のジュースがあるそうですねという質問に何を勘違いしたのか、どうぞ試食して下さいと枇杷缶詰とみかんゼリーを持ってきてくれた。どちらも少し甘さがきついような気がした。みかんゼリーは日本向けに日商岩井の指導で開発したのだそうだ。黄岩は枇杷の大産地で中国一の生産量、1㎏5から6元(65円~78円)だそうだ。袋はかけないで栽培するという。
 「どうか工場を見て下さい」と階下の工場に案内された。工場は今は作業をやっていなかったが、広い敷地の割に機械は小型でがらんとしていた。ピーク時に工場の従業員は第一分場で1200人雇用している。全体で5000人雇用している。缶詰の期間は11月10日から2月末までだそうだ。
 ジュースの生産能力は1時間当たり1トンで濃縮を作る。缶詰と同じ期間なので缶詰の規格に合わないのをジュースにする。政府からは1千トンのノルマがあるが機械の能力では今年は800トン位しかできないだろうとのこと。袋に入ったジュース原料は小玉で、外観も極端に汚かった。それでも食べてみると甘くておいしかった。
 工場で使う水源は西の山のダム。水は黄岩の水道用水場で一度濾過したものを工場内のイオン交換処理で再度濾過し、おいしいきれいな水を作っている。これがおいしい缶詰を作れる秘訣だそうだ。そういえば中国の河はたいてい黄色く濁っている。日本ではそれほど気を使わなくてもおいしい水が飲めることを感謝した。
 工場の敷地内では製品を段ボールに箱詰めして荷車(大八車)で運んでいた。パレットもあったが、おもちゃみたいな大きさで、とてもフォークリフトで使うためのものではなさそうだった。製品を運ぶためにトラクターを改造したようなトレーラーが走っていた。
 缶詰工場の視察を終えたのは3時45分。試験場で程氏にお礼を言って別れ、また一路寧波へ引き返す200㎞のバスの旅が始まった。この頃から小雨が降り始めた。






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最終更新日  2001年11月17日 12時17分27秒
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