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2002年12月21日
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担当職員はセリが終わるとすぐにその結果をコンピュータの端末にインプットする仕事をしなければならないので、ミカン箱のチェックに行ったのは部会役員だけだった。ミカン箱のチェックが終わるとO沼課長と再び合流する。こんな時には携帯電話が便利だ。O沼課長に案内されて朝食を食べに行く。途中でY下さんも合流した。

市場という所はモノが集まるだけではない、人も集まる。市場の中には食堂、喫茶店はもちろん、果物を包むラップやリボンを売っている店、乾物屋、お菓子屋、衣料品店、鞄屋、クリニック、歯医者、郵便局に銀行もある。。資料によれば大田市場には仲卸業者が186店舗、セリに参加できる資格をもった小売業者が1,654人もいる(平成14年4月1日現在)。東京青果の社員だけで500人。東京青果の他に卸売業者が4社、各県のJA東京事務所の駐在員、仲卸の店で働いている社員やアルバイトなどを合わせればtetywestの町の人口、7千人より多いかも知れない。

tetywestたちが入ったのは市場の東側に並んでいる食堂街の中の一軒だった。狭い店内にはカウンター席と4人掛けのテーブル席が3つ。15人も入ればいっぱいになるくらいの広さだった。先客がいたのでテーブル2つとカウンターに別れて座る。カウンターの向こうが調理場になっている。カウンターの上にはポップに書かれたメニューがぶら下がっている。窓や壁には「○○食堂さんへ」と書かれた野球選手や歌手のサインが掛かっている。何もかも雑然としていて、いかにも市場の中の大衆食堂といった雰囲気だ。O沼課長が、
「ここはネギトロ丼が美味いんだよ」
と薦めるので全員それを注文した。すぐに黒いプラスチックのお盆の上に、ネギトロ丼、シジミの味噌汁、漬物、お茶が載って運ばれて来る。4つのお盆を置くと、テーブルの上はまったく余分のスペースがなくなった。

tetywestは普段はほとんどネギトロを食べることはない。かつて家庭でもネギトロが流行したことがあったが、スーパーなどで売られているネギトロの中にはニセモノが結構多かったそうだ。マグロの赤身にラードを混ぜ合わせると素人には見分けがつかないらしい。しかし大田市場は水産物も扱っているのだから、まさかここの食堂で出るネギトロがニセモノということはないだろう。トロはとろけるような食感で美味しかった。しかし、tetywestにはシジミの味噌汁の方がもっと美味しく感じた。ポップで値段を確認したところ1,000円だった。お金を支払ったわけではないのだが結構高い。

食事が済むと、管理塔の5階にある東京青果の会議室へと向かう。市場の建物は大きな鉄骨平屋で4つの棟が連なっている。西の端に冷蔵庫スペース、東の端に仲卸の店舗の集まっているコーナーがある。それ以外の内部はほとんどだだっ広い空間で、毎日そこに青果物が集まって来てセリが終わるとなくなってしまう。東京という大都会は胃袋も巨大なのだ。tetywestはセリの始まる直前の大田市場に青果物が全くなくて、ガラーンとした空間が広がっているシーンを想像してみた。都会で暮らす人々にとっては、毎日スーパーに野菜や果物が並んでいることに何の疑問も問題意識も感じていないだろう。しかし、もし何かのアクシデントでここに青果物が集まらなかったらスーパーから野菜や果物が消えるのだ。東京は一日でパニックになってしまう。1週間もストップすれば、都市としての機能すら危ういかもしれない。そんなことが起って初めて、農産物の流通システムは重要なライフラインなのだということを実感できるのだろう。しかしこういう考えは、SF映画のラストシーンには使えるかもしれないが、意地悪な想像であることは間違いない。






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最終更新日  2002年12月21日 12時37分27秒
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