ぼくと彼氏の恋物語

人は、結婚したり新しい好きな人ができても、

どうしても忘れられない・ケリのつかない恋を

いつまでも胸に秘めてるのかな…。



おれの場合それは初恋とか、青春時代の恋とか、

淡い思い出とは違っていて決して綺麗なままの

記憶ではない。



大好きだったTくん。

おれときみは、あの日あの時あの場所で、

たしかに恋していたね。



どうしようもなく好きになって

どうしようもなく憎しみあって

どうしようもなく傷つきあって



きみを忘れられないのは

そうした甘くて苦い思い出と、

時折すれ違い、遠くからでも目に留まり、

互いの存在を意識しつつも言葉を交わさない。

そんな環境を維持しているからなのかな。


ほんとはね、

駅で見かけたとき、一緒の電車に乗ったとき、

面と向かって話したいんだよ。

むかしの傷が　それを困難にしているけれど、

それは　きみも同じだよね。



似たもの同士。

なにを考えてるか手に取るようにわかる。

そんな存在・Tくん。



もし君がゲイだったとしても、

おれには大事な人ができたから。

守ってあげたい人ができたから。


心変わりをするなんてないけれど、

おれの記憶の片隅に

きみの居場所を残したままでもいいよね。


いつまでも。

いつまでも。





来た道と行き先　振り返ればいつでも

臆病な目をしていた僕

向き合いたい　でも　素直になれない

まっすぐに相手を愛せない日々を繰り返しては

ひとりぼっちを嫌がったあの日の僕は

無傷のままで人を愛そうとしていた




愛されたい　でも　愛そうとしない

その繰り返しの中を彷徨って

僕が見つけた答えは一つ

怖くたって　傷ついたって

好きな人には好きって伝えるんだ


その想いが叶わなくたって

好きな人には好きって伝える

それはこの世界で一番素敵なことさ




　　　　　　　　千の夜を越えて　by.AquaTimez