2005/12/15(木)00:01
スポーツジャーナリスト 神田 憲行氏のお話
昨日に引き続き、講演会についてです。
講師二人目は、ジャーナリスト 神田 憲行氏。
松坂 横浜VSPL学園の死闘を描いた「ドキュメント横浜vs.PL学園」などの著者です。
講演会終了後の、交流会で同席に座りました。
実は狙っていました。
いろんな人に出会い、いろんな場面に遭遇するジャーナリスト。
講演の神田さんのお話からするともっともっといろんな話を聞けるはずだと。
私が東北、会津から来たことを知ると、できたばかりの本97敗、黒字。楽天イーグルスの一年をおもむろに取り出し、「差し上げます。」と。
本を書いている人から、直接手渡しでもらったのはこれが初めてです。
サインを!とお願いしたら、サインは書けませんと頭をかくようなしぐさ。
マスコミ嫌いの野茂にも取材したことがあるそうです。
気さくで、きどらない、確かな目と耳をもったジャーナリスト。
これなら、野茂英雄もかぶとを脱ぐはずです。
その講演の中の衝撃的な一言。
野球だけでは、飯がくえない。
世に野球人は数あれど、野球という分野のみで文章を書いて飯をくって、家族を養っている人はほんの一握りだという。
野球選手よりも、なることが難しい職業なのではないかと私は思った。
ただし、はじめるのは簡単。
東急ハンズにいってフリーライターと書いた名刺をつくるだけで、誰でもなれるという。
なることと、成功することはべつである。
門戸はおそろしく広いが、成功するには針の穴をとおすほどの確率。
収入にもかたよりも多く、専業でやってくには多くの苦労があるようだ。
書きたいことは、10%。食うために90%。
ジャーナリストとして、生計を立てるためには、野球のことばかり書くわけにはいかない。
コンピュータ雑誌も書くし、ゴーストライターもする。
なんでも書くので、自らを雑食といっていた。
最近のテーマは、歌舞伎町のホスト界。
まったく野球と関係ないように思えるが、そこには野球に通じるものがあるのではないかと私は思う。
気持ちと行動力が前面にでてくる世界。愛憎もうずまく。裏切りや下克上。
人の気持ちがむき出しになっている世界。
そんな状況が神田さんをひきつけるのではないかと私は思った。
いろんな場面に、自ら飛び込んで、それを多くの人に伝える。
伝えるのは、感動であったり、偉業であったりするときもあれば、失敗であったり、挫折であったりもするかもしれない。
野球という一分野にすぎないが、その面白さに魅せられた神田さん。
自信の野球経験は、ほとんどないという。
視点が野球人の視点ではないところから、野球を見れる。
そして数多くの野球人と接しているために野球人の視点にもなれる。
神田さんの書いた本。「97敗、黒字。楽天イーグルスの一年」。
私はまだこの一冊しか読んでないが、そのほかの著作を読みたくなった。
野球ジャーナリスト。そこへの道は、おそろしく険しい。