欧州ジャズ・フュージョン(クロスオーバー)の傑作。
【No.47】
・Olivier Peters Quartet:Wings of Spring (1980)
私がこの人を知ったのは、多くの人と同じく「The Spinning Wheel of Jazz」というジャズレアグルーヴのコンピでした。このコンピが再発されていた頃は、ヨーロッパや日本の昔のジャズ、フュージョン(私はクロスオーバーという呼び方の方が好きです)、プログレが、メジャー・マイナー含めて再注目されていた時期で、数々のコンピがリリースされていたように思います。その後、日本のCelesteレーベルから2001年に本作がリイシューされ購入しました(まだ入手可能なはず)。同時期に、Celesteレーベルからリイシューされた同傾向のものも、いくつか購入しましたが、その中では断トツでこのアルバムが良かった記憶があります。フュージョンというカテゴリーで紹介されることも多いですが、一般に想像されるような軽いフュージョンでは決してなく、欧州らしく透明感があり、80年代の作品ですが非常に音は硬質です。ジャズと言った方がいいと思います。演奏もダイナミックでカッコイイです。その辺が好きな理由ではありますが、ブラジリアンなフィーリングが随所に見えるところも、この作品の良いところです。隠れた傑作ですね。Olivier PetersはSax,fluteを担当してますが、ジャンルを超えた活動をしているようで、そういう背景がこういったサウンドにつながっているように思います。クラブジャズ的には、女性VoのJoan Johnsonのスキャットや歌がやたらと注目されてましたが、各演奏者のプレイも良く、アルバム全体がスリリングでタイトです。冒頭の「Wings of Spring」や「Full Moon」が特に好きですね。こういうのを掘り出してリイシューする人たちに感謝です。最近のCelesteって全くチェックしてないのですが、まだ続いているのでしょうか。楽天では売ってないようです。大手で購入されることをオススメします。ジャケの雰囲気どおりの作品です。