Buddy Rich。70年代のビッグバンド・ジャズファンク。強力盤。イチオシです。
【No.217, 218】
・Buddy Rich:The Roar Of '74 (1973) /Big Band Machine (1975)
グルーヴィーなビッグバンドジャズとして、マイナーなFrank Derrick Total Experienceを前に紹介しましたが、やはり大御所は外せないということで、Buddy Richの70年代の傑作を2枚紹介。P-Vineから日本盤も出てます。Buddy Richは言うまでもなく一流のジャズドラマー。彼を敬愛するドラマーはジャンルを問わず数知れず。本作は、Buddy Richの生み出す躍動感のある強力なグルーヴに、ビッグバンドという編成ならではの迫力・スリリングなアンサンブルがプラスされた非常に熱いジャズファンク作品です。疾走感のあるキラーチューン「Nuttville」や「Backwood Sideman」を収録した「The Roar Of '74」の方が人気が高いように思いますが、「Big Band Machine」の出来も素晴らしく、両作共に甲乙付けがたい内容です。ジャズファンク・アシッドジャズが好きな人は間違いなく買いな作品と断言できます。マイナーなレアグルーヴを追いかける前に、こういった作品は聴いておきたいところ。グルーヴって何?という質問に対する答えが詰まっている作品です。Buddy Richのドラムは、ドラミングの多彩さ、切れ、グルーヴ感どれをとっても素晴らしく、カッコよすぎです。もちろんドラムだけではなく、切れのあるホーンセクション、時折入るエレピ、曲の展開やアレンジも良いです。両作共に捨て曲はありません。なお「Big Band Machine」には同年録音のボーナストラックが2曲追加されており、そちらもオイシイ内容です。ジャズファンク系の作品としては文句のつけようのないアルバム。こういうのを聴くと、やっぱり生音が最高だと思ってしまいます。本作のようなスリリングでファンキーなビッグバンドジャズはもっと幅広い層に受け入れられる気がしますので、ジャズを聴かない方にもオススメです。敷居の高いものでは決してありません。写真は「Big Band Machine」。