爺さんの写真日記「写真家とカメラマン」
一見、ユニークな風貌の中年男性に出会った。先ず頂いた名刺には、「写真家」と刷り込まれていた。爺さん早速、「どんな写真を撮っているのですか?」と聞いたら「写真家ってカッコ良いでしょう・・今は役所をリタイヤして好きな写真で楽しんでいます」と言う。さて爺さんの名刺も好き勝手な肩書きを付けている。爺さんの名刺を見た人の殆どがニタリと笑う方が多い。その肩書きは、「皿洗い係長」だ。それは本当の職種である。この歳まで働けるのは、皿洗いならまだやれるからだ。今回頂いた、写真家の名刺もカッコ良いからとは、これまた面白い。別に詐欺的な事でもない。写真好きの誰もが憧れる「写真家」とは一体どんな職業か?また、写真家の前にプロとつけば職業写真家だからお金が絡む。 今の不況下にプロ写真家でも大変な時代だ。他人が気に入る写真を撮らなければ売れない。またプロになるには機材も金も要る。それに芸術的センスと、時には注文通りの写真を求められることもあるだろう。また、学歴やプロ写真家との人脈も必要になる。どこかの出版会社や広告会社で写真を撮っても、写真家とは言わないのかもしれない。だって機材は会社持ち、撮影料は給料として受け取るのだから・・。写真家に憧れる人の殆どが、独立した立場で写真家と呼ばれたいらしい。また、プロになってもカメラメーカーのCMを引き受けメーカーのご機嫌を取る。アマチュアは、憧れの写真家が勧めるカメラを100%信用するだろう。名刺に写真家と書いても金儲けにもならないのは明白だ。また、コンテストなどに入賞してもプロにはなれない。プロはプロで我が職域を守らないと秩序も乱れるだろう。アマチュアには写真で喰っていく責務がないから団結もない。あくまでも趣味の世界だからだ。しかし、プロには著作権と言う宝刀を守るために団結もいる。それは、喰うための勝ち取った職業だからである。爺さんは、皿洗い係長を生涯のプロとして飯を喰い、我が職に感謝しアマチュア写真家に甘んじる。だから好きなジャンルの写真が撮れる。媚びも要らなく自由気ままな趣味を堪能できる人生が送れるのだから幸せな事である。※爺さんのひとりごとはこちら