再会
会う日が決まり、わくわくしていた。そして、当日。。。その日は雨だった。都内に打ち合わせにいき、7時ごろなら帰宅しているというので、その時間に合わせてメールを入れる。普通ならここで電話をするというシナリオだが、電話番号は聞いていなかったので、メールにした。なかなか携帯のメールを打つのは慣れていないので少しの文章も時間がかかった。送信!続いてすぐに返信がきた。戻っていますとのこと胸をドキドキさせながら、車のハンドルを握る。心臓の鼓動が、腕に大きく伝わり、まっすぐ走れるのか?と思うほど震えていた。落ち着かなければそうなんども言い聞かせるように彼女の元へと向かった。彼女のアパートに到着した。「着きました」運命の再会!!彼女はあの時と同じでした。胸がドキドキしてるのを悟られないように、必死におどけてみせる姿はどこかぎこちなさを露呈していたとおもう。彼女の部屋は2階だった。早速高ぶる気持ちを抑えて仕事モードへと切り替えて行った。彼女の洗濯機は1階にあり、今あるのをよけてから出ないとつけられない。いつもなら簡単に出来るのだが、雨。。。。。外は土砂降りの雨だった。電気製品なので外にあまり濡れさせるわけには行かない。時間はかかるが、安全策で行くことにした。まず今あるものをはずし、部屋の中によけておき下にある洗濯機を上に移動する。その際ドアをはずさなければならなかったがそれはたいした作業ではなかった。一番大変だったのは、その洗濯機を2階に上げること。なんと、その洗濯機は通常より重いタイプだったのだ。しかも雨で本体そのものは滑ってしまう。少し持って見る。やはり重い!雨は激しさを増してくる。ここは一気にいかないといけない。タイミングを計って確実に行かなければ。しかし、持つところが定まらない。失敗すれば、落下してしまう。しっかりともてなければ階段を上がっていけない。ただでさえ、雨で階段は濡れすべる状態だ。ちょっとのミスも許されない。ようやくしっかりと持てる場所を確保した。「よし!いくぞ」気合を入れて一気に持ち上げる、そして雨が激しく吹きつける中全神経を集中して一歩一歩登っていった。一瞬雨で下が見えなくなった。冷やりとしたがしっかりともち、上がりきる今度はその持ったのを降ろすのが大変だった。通路は狭くゆっくりと降ろさないといけないからだ。手が滑らないようにしっかり力をいれ降ろす。2階の廊下は屋根があるのでここまでくればもう濡れる事はない。一安心その後洗濯機も無事設置を終わった。しかし排水のホースがどうしても絡まりやすい状況だったので今度下に引くのを持ってきてあげると約束をした。彼女は「お礼にご飯ご馳走します。食べに行きましょう」と言ってくれた。うれしかった。一緒にアパートを後にし、近くのファミレスに行った。そこで、自分でもおかしいくらいに、たくさんのことを話していた。小さいころの話、悪かった、中高時代そして、数々あったエピソード時間を忘れて話していた。彼女は笑顔で話を聞いてくれた。彼女も自分のことを話してくれた。その時間がとても楽しかった。そしてこのまま、ずっと一緒にいたいと思うようになっていた。夜も遅くなってきたので、彼女をアパートへと送っていった。到着したとき、何だかこのまま離れるのがすごく淋しく感じた。そのとき、気功のはなしをした。手のひらを出してみてそして目を閉じてごらん。なにか感じる?彼女の手の上に手のひらをかざして見た。「暖かい」「触れていないのに、不思議」そう話す彼女の顔がまぶしく感じた。「あっそうだ!わたしに何か出来ることがあったら言ってくださいね」「あるといえばあるんだけど。。。。。」「え?何ですか?」「う。。。。ん」なんていったらいいかわからなかった。「うん、また今度話すね」「え~?教えて?」「。。。。。」「仲良くこうしてメールしたり、ご飯食べたり、仲良くずっとしていたいな~って。駄目かな~」「うん、いいですよ、変な事いうんですね」でもそれは本当の気持ちだった。彼女とここ数日メールを交わしていてすごく楽しく、癒されて行く自分がそこにいた。いつまでも、彼女とこうしていたいな~そう思っていた。「今日はどうもありがとうございました」彼女は笑顔でそういい車を離れた。「それじゃ、おやすみなさい。また、メールします。」帰りの車のなかで急にまたドキドキが再発していた。「どうしよう」全くと言っていいほど落ち着かない。これは「恋?」どんどんと彼女に弾かれて行く自分を抑えられなくなってくる自分がそこにいた。それから数日が経った。その日は引越しのアルバイトの日であった。その日の現場はわりと近場で、時間も早く終わりそうだった。自分たちの持分が終わり、これで終わりと思ったとき応援に行かなくてはいけなくなった。「え~?なんで?、なんで今日という日に応援に行かなくてはいけないのだろう」でもそれも仕事だからしょうがない。サクッと終わらせていかなければ。そう思い、その現場に向かう。到着して、いざ作業に取り掛かろうとしたら、作業に入れない状態だった。なんと、お客さんがいない。これはどうした事だ!これじゃいつ終わるのかもわからない。だんだんと焦りが出てきた。「くそ~!どこにいってるんだ」その現場の責任者が電話をかける。ようやく相手がつかまり戻ってくる時間を確認できた。でも1時間はかかるとの事。だんだんとイライラが顔を覗かせていた。「先に帰っていいですよ、人数も足りてるから、新人を連れて先に戻ってください」そういわれ、普段なら「いややって行くよ」というところだが、その日は違った。どうしても早く終わりたい。その理由とは。。。。続く