|
カテゴリ:カテゴリ未分類
私の両親は美空ひばりが大好きで、とにかく美空ひばりを賞賛しているし、
TVで美空ひばり特集の歌番組があると、必ず2人で見ています。 この前、父にどうして美空ひばりが上手だと思うのか聞いてみたら、 「他の人は、歌を歌うかお芝居をしているのか、どちらか一方しかしてないけど、 美空ひばりは両方同時に出来る。彼女の歌は1曲がそのままお芝居なんだよ」 そう言われてみて、他の歌手の歌っているところを聞いてみると、 確かにその通りで、 歌を歌っている。 歌手なんだから、歌を歌っているのが当たり前なんだけど、 じゃあ、美空ひばりは歌を歌っていないのかと思って彼女の歌をきいてみると。 すごい、歌を歌ってない?!!!! 現象としては歌を歌っているのだけど、受け取る側がそのことを忘れてしまう。 そこにいるのは、歌手ではなく、りんご娘だったり、悲劇のヒロインだったり、 失恋に泣く若い娘だったり、そう、女優そのものだけど、女優でもない。 その歌に込められた感情をもつ、主人公そのもの。 なんでなんでだ! なんでそんなことが出来るんだろう???? 聞く側に、今、歌を聴いているのだと 忘れさせてしまうほどの圧倒的な感情表現の力で人にわれを忘れさせてしまう。 聞いている人は、彼女の歌う架空の世界に引き込まれて、 それ以外のことを全て忘れてしまう状態となる。 これが天才歌手「美空ひばり」が、他の歌手と違う圧倒的な能力。 1曲を聞くと、まるでひとつのお芝居を最初から最後まで見たような充実感・・・ 私は、父の言葉で初めてそれを理解して、心底驚いた。 美空ひばりの、その力にも驚いたけど、 父がそれを一言で表現できるほど、よく分かっていることにも驚いた(笑) これがいわゆる歌唱力ってことなのかな? 美空ひばりの番組を見る数日前に、TVで「ちあきなおみ」特集をやっていて、 それも父が見ていたので、何気なく一緒に見ることになった。 その時、「ちあきなおみ」の表現力にも、驚いたっ! 特に、この曲がいいんだよと父が言った「紅とんぼ」 本当に彼女の歌っている間、ひとつのお芝居を見ているようだった。 でも、それはTVの歌番組の中で、舞台上には本当にお芝居仕立てのセットがつくられていたし、彼女も女優のように振舞っていたし、しかも歌自体が歌というよりシャンソンのような語りの曲だったので、お芝居に見えるには、とても好条件だったとは思う。 それでも、その時に「ちあきなおみ」という歌手の 何かとてつもない能力を感じるものがあった。 でもね、美空ひばりは、はるかにそれを越えています。 何もセットがなくても彼女が歌えばそこがすぐにそこが舞台そのものになる。 時代も場所も一瞬にして越える。 やっぱり、すごい人です。 でも、よく思い返してみたら、いつも歌の個人レッスンでは、 先生にそのように歌いなさいと言われ続けていたのです。 そうでなければ、意味がないと。 でも私にはそれがどういうことなのか、ほとんど理解していなくて、 これらの最近の出来事の中でようやく、少しずつ分かってきた気がします。 でも、一方で、私がそんなことも全くわからずに歌を歌っていたということが、 自分で自分にびっくりです。 歌を歌わない父でさえも、そういうことが分かっていたというのに。 一体私は、歌を歌うことで何をしようとしていたのでしょうか???? 感受性という言葉が、自分の中に浮かび上がってきました。 音楽によって、「感受性」を取り戻してゆくことができる。 「共感能力」といってもいい。 「深く感応する力」ともいえるかもしれない。 よく分からないけど、12日のブログで、「15日に生まれ変わろうと決めた」と書いたその通りに、 この日の気づきを境に、別の自分になった感覚がある・・・・ また、新たな変化と展開が起きそうな予感。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.08.17 01:35:44
|