『この世でいちばん大事な「カネ」の話』 by 西原理恵子
この本は、間違いのない、名著です。そう言い切ることに、一片の迷いも感じません。もしも私に子供があったなら、確実に読ませるでしょう。そして、読後の感想の言い合いなんか、したでしょう。※一応、中学生以上が対象のようですが。人は、見てきたものによってその器が変わってくると言いますが、この人は、一体、どれ程のことを見てきたんだろう、そう思わずにはいられませんでした。相変わらず、社会通俗的には良しとされない表現なんかもあってそういう箇所だけは読むのに注意したほうがいいとは思います。いや、内容が間違っているとか、キケンな思想だとか、そういうことでは全然なくて、むしろ思いっきり逆の話で、読む側が、字面や変な常識なんかに囚われたりしないで書き手の伝えたい内容をキチンと理解する姿勢が必要だ、というようなことです。この本を読んだ後、改めて西原さんの漫画を読んでみると、なぜ私が今まで西原さんを好きだと言っていたのかが、案外、少し分かってもらえるかも知れない。おススメは、『毎日かあさん5 黒潮家族編』。一番泣けるという意味で。あと、『女の子ものがたり』とかも。って、いや、全部、面白いんですけどね。改めて思いましたが、私は、こういう女性が大好きです。って言うか、西原理恵子さんという方が大好きです。以前から気にはなっていたんですが、今日になってようやく、一気に読み通しました。というより、読み始めたら、途中で本を置くことがもったいないと思ってしまい、読み通すしかありませんでした。本当に、もっと早くに読んでいればよかったと思いました。2008年12月10日 初版第1刷、2009年 2月25日 初版第10刷。なかなかのペースですね。でも、もっと売れてもいいのにね。この本を読んだ後、映画『スラムドッグ$ミリオネア』なんかを観てみることもおススメします。