2007/02/28(水)00:56
個人情報保護法・・・本当に厳しいの?2
かなり時間が空いてしまいましたが、
個人情報を漏らしただけで本当に罰せられないのか?という問題についてお話したいと思います。
まず、「ある人の個人情報を見て頭の中で覚えていてそれを人に話した」というケースでは、罰せられると言う事は少ないと考えます。
ただ、個人情報が自分の会社の企業秘密(営業上の秘密)とすると不正競争防止法で罰せられる事がありますし、
会社に損害を与える目的や、他人の利益を図る目的で流した場合は、背任罪として罰せられる事もありえます。
(刑法247条、背任罪は財産に対する罪であり、「事務」も財産に関連しなければならないとも考えられますが、条文上財産に関連すると言う限定が無いので罰せられても文句は言えません・・・「事務」に限定がないとする方が、文理にかなっていて、類推解釈ではないと考えます。)
次に、「個人情報の入ったファイルを持ち出して他人に見せてしまった。」というケースでは、ファイルを持ち出した場合、物を盗んだ事になりますので、窃盗罪で罰せられることがあります。(自分に預けられたものだった場合は横領罪になります。仕事上で預かっていれば業務上横領となります。)
「持ち出しても返しておけばよいのではないか」(財産権の侵害など無い、使用窃盗に過ぎない。不法領得の意思の中の「所有者として振舞う意思」が無い)といえなくはありませんが、情報自体に価値があり、見せること自体所有者で無ければ出来ない処分(所有者ですら情報主体の同意がないと目的外利用できないこと)とすると窃盗罪ともと考えられます。ただ、盗んだのは情報自体で「物」でない以上窃盗の構成要件に当たらないのではないかという理論も成り立ちます。やはり物ではないと言うところがポイントになり、結局窃盗で罰せられるという事は少ないと考えます。)
さらに、個人情報をコピーして持ち出したと言う事になると、(コピー用紙の)窃盗罪となります。
ちなみに、自分のフロッピーにコピーした場合、データ自体は窃盗の構成要件に言う「物」ではないと言う事になり、罰せられる可能性は低いと考えます。(また、蓄電量の違いによってデータを記憶する媒体(現実にあるか分かりませんが)ならば、電気は財物とみなされますので、電気自体をコンピュータから吸い取った事になり、窃盗罪に問われる可能性はあります。・・・これはかなり非現実的な話なのであまり気にしないで下さい。)
結局、どんな形でも個人情報を漏らすと何らかの罪で罰せられる事も考えられますので、十分ご注意下さい。
(一応注意書き:この記事を信用して、何らかの不利益があっても私は一切責任を負えません。
実際に訴えたり、訴えられて裁判所等の判断がこの通りにならないことは十分にありえます。
この記事に関する事柄ついては十分ご注意の上行動なされますようお願い致します。)