カテゴリ:Blu-ray
今回は8月に購入したブル-レイソフト・パート2でございます。
つか、今回紹介する三作は、見事にSF映画ばかり。 しかも似たような感じの宇宙モノ(笑) ホントにオレってば、このジャンルが好きなんだの。 まずは“パンドラム” ――以降は激しくネタバレをしておりますので、イヤな御方は是非緊急回避をば。 この映画はミステリー……というか、記憶を失った主人公による謎解きの構成を取っているので、もし今後観る予定があるのなら、絶対に読まない方が良いと思いますよ~ ~というワケで、さっそく開き直って書くことにします(笑) いや、もうメチャSF的なセンスが良いんですよ、この映画。 お話の概略としては、未来の滅亡寸前な人類が、新しく発見された地球型惑星“タニス”への移住計画を敢行するという、まぁSFでは何ともありがちなネタであります。 選抜された人類に加え、地球上のありとあらゆる生物の遺伝子情報を搭載していたりと、“ノアの箱舟”の宇宙版と捉えればしっくりくるかもね。 で、このお話のキモは、何といっても“ワープ航行”が存在しないってところでありまして。 つまり大型宇宙移民船“エリジウム”が惑星タニスに辿りつくには、約120年の歳月が掛かると。 ~となると、ここは当然お約束なコールドスリープが必要不可欠になるわけです。 要するに、エリジウムを管理する一部のクルーを除いて、乗員の殆どが人工凍眠しながらの航海になると(無論その管理クルーも、チームごとに交代で人工凍眠) ところがこのコールドスリープが、何とも一筋縄じゃいかないシステムなんでね。 実は長期間の睡眠が脳に記憶障害を引き起こし、場合によっては意識障害すら引き起こしてしまうのである。 そしてその重度な意識~人格障害こそが、この映画のタイトルでもある、通称“パンドラム症候群”と呼ばれるモノなんであります。 で、冒頭コ-ルドスリープから目覚めた主人公が、徐々に失った記憶を取り戻し、節々に現れる“パンドラム”の予兆に怯えながらも、同様に無事だった上司らしき人物と共にエリジウム船内で起こっている“異常事態”へ果敢に挑んでいく―― というのが、物語の大まかな流れ。 船のメインシステムは原子炉の異常暴走のせいで全てダウンしており、何者かに閉鎖された司令室に入らなければ船外部や船内部の情報が一切わからないという状況―― (つまり、今どの辺を航海しているのかもわからない) しかも広大な船内は何故かスラムの如く荒廃し、正体不明な異形の人喰い集団が我が物顔で徘徊しているのだな。 加えて、本来はコールドスリープで凍眠しているはずの人々が、襲い来る人喰い族を相手に必死のサバイバルをしているという、まさに悪夢のような地獄絵図。 これがぶっちゃけてネタバレしちまうと―― 実をいえばエリジウムはとっくに惑星タニスに到着しており、その深海でクルーたちはシステムエラーのためソレに気付かないまま、900年の歳月が過ぎていた、というオチなんであります。 もちろんそのトラブルの原因は人為的なモノでありまして、まぁそれについてはここで触れませんが、何よりも興味深いのが約900年の年月を船内は経ていたという部分。 当初の航海予定で120年だったのが900年も経ってるんですから、そりゃ船内の到る所が経年劣化しまくりで、原子炉だって暴走しようというもの(まさに想定外の事態w) しかもとある事が原因で原子炉の傍に集落を築いていた一部の人類が、異形の食人族に進化(ミュータント化)してしまったっていうね。 まぁ900年近くを経ているという事と、漏れ出していたかもしれない放射能を考慮に入れれば、そこはかとなく納得できてしまうのよ(笑) つかあの姿形こそが、閉鎖された状況で未来に希望を持てない人間が発露させた、ハードコアな本性、 みたいなメッセージに思えてきたり。 あと、他のディティールも妙に凝っててさ。 宗教的な黙示録風の壁画だとか、言葉が通じない東洋系ニンジャもどきの仲間だとか―― その失われた900年の間に艦内ではどんな歴史が紡がれていたのか? ―― ターニングポイントになった事件も含めて、観終わった後の余韻が半端ないのであります。 場面場面を思い出しながらアレコレ考えるのが楽しいっていうかさ(笑) いやぁ、ほんとSF映画って良いモンですよね~ お次は“レッドプラネット” これもやはり未来の人類が、他惑星への移民を計画する御話。 で、この作品は前述した“パンドラム”の惑星タニスよりは近場でありまして、まぁ我々もネタ的に馴染みの深い“火星”であります。 まずは人類が生活できるようにテラ・フォーミング。 極地を覆う氷へ藻を長期間大量に打ち込みむ事で繁殖させ、人工的に酸素を作り出すというね。 これが当初は旨く行ってたんだが、ある時期を境に突然酸素が減少し始めてしまう。 んで、その原因を究明するためにスペシャルチームが派遣される事になり、惑星間宇宙船マーズ1が一路火星へと向かうのであった…… ところが火星の衛星軌道上で強力な太陽フレアの爆発に巻き込まれ、マーズ1は制御不能の事態に陥ってしまう。 結局ボウマン船長(笑)を1人の残し、後のクルーは脱出カプセルで火星地表に降り立つのだが…… さてクルーたちの運命はどうなるのか? 藻や酸素の調査どころではないサバイバルな状況である。 しかも持ってきた軍の調査用ロボットがお約束な反乱を起こしたり、 火星地表には謎の昆虫型生命体がいたり、 強烈な嵐に巻き込まれたり、 何よりも生存に一番必須な酸素もあったり無かったり(笑) そも、どうやって母船マーズ1と連絡を取る? どうやって火星の衛星軌道まで上がっていく? どうやって満身創痍のマーズ1で地球まで帰還する? いや、もうフツーにワクワクするでしょ、こういった宇宙サバイバルな展開は(笑) しかもこの映画もしっかり超自然現象(=オカルト)には頼らない作風なので、描写に逃げを感じないのが、個人的に大変ヨロシイんであります。 もちろん精神論や人類哲学としての宗教描写は、この手のお約束としてしっかりありますが(笑) 何にせよ「あ、酸素って引火、爆発するんだよなぁ」――みたいな暗黙の了解もさりげなく気持良い、全体的に低予算ではありますが、なかなかの佳作であります。 CGも手を抜いてないしね。 さて最後は古典SFの名作~“猿の惑星”です。 内容については今更語ることもありませんが、物凄く久しぶりに視聴して感じたことを一つ二つ―― まずこの映画、何度と無くテレビで観ているはずなんですが、何故かテイラーたちの乗っていた宇宙船のビジュアルイメージが殆ど無かったんですよねぇ。 メカ大好きなオイラが何故に?――と思ってたんですが、今回ブルーレイを観なおしてとりあえず納得。 序盤、準光速で宇宙を航行している“リバティー”の外からのショットって、実は全く無かったんだね(笑) 続く惑星の大気圏突入の際も操縦席視点オンリーで、リバティーがようやくその姿を現すのは海中に突入してテイラーたちが脱出する時になってから。 しかも既に船体の大半が水没しているので、僅かに船首の描写だけだったり。 ……いや、これじゃ宇宙船のデザインが記憶に残らんワケだわ(笑) まぁそういった描写も今となっては、監督さんの意図として理解できるんだけどな。 つまり作り手としては、映像的にチャチなモノを客に見せたくなかったのだろうて(当時の特撮技術じゃ、まずモノホンのリアルっぽい宇宙船は映像化できなかった。“2001年”は例外なのよ。アレは異常です) これは猿たちのメイクにも言えることで、そのリアルな造型は確かアカデミー賞を獲ったほど。 で、肝心要の脚本もかなり風刺性に富んでおり、やたらにハイブロウ。 結果、当時のSF映画としてはホントに珍しい、何気に格調高い本格映画になっているのだな。 さすがはいまだに名画と評され、しつこくリメイクされ続けるだけの作品であります。 つか、今度また新シリーズがハリウッドで出来るんだよね? ――こうなってくると、日本のゴジラみたいだの(笑) しっかしこの映画が公開された年って、あの“2001年宇宙の旅”の公開された年でもあるのだ。 どんだけSF的にターニングポイントだったんだよ、1968年(笑) いやぁ、何とも至福な『SF映画宇宙の旅』、とりあえず今回はこれにて閉幕という事で。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.22 10:18:49
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