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2013/03/31
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『ケプラー予想 四百年の難問が解けるまで』(ジョージ・G・スピーロ、訳: 青木薫)を読みました。

三次元球体の最密充填が、いわゆる面心立方格子や六方最密構造などの構造であるという、直感的にはいかにも正しそうな予想の真偽についてのノンフィクションです。

カール・フリードリヒ・ガウスによって格子充填の場合にはこの予想が正しいという証明が与えられていたのですが、格子充填でない、すなわち非周期的な構造の充填まで考える問題としては1998年にトム・ヘールズが計算機を用いた証明を与えるまで生き残っていた問題です。予想が与えられてから解決されるまでの数多くの数学者たちが絡んでくる様子が面白く描写されています。

ヒルベルトの第18問題の一部に取り上げられたことから、ヒルベルトが出てこないわけはないのですが、正直この本の前に『数学10大論争』(ハル・ヘルマン、訳:三宅克哉)を読んでいたので、「またヒルベルトか」という気になってしまいました。ヒルベルトと言えば数学が何かということを考える上で触れずにはいられない人物ですが、両方の本で「Wir müssen wissen, Wir werden wissen」という彼の墓碑に刻まれた言葉が紹介されているのは印象深いです。


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Last updated  2013/03/31 11:33:34 PM
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