カテゴリ:Suiko108 クロニクル
北宋時代、梁山泊に集まった好漢たちの物語は、はじめから今の「水滸伝」の形をとっていたわけではありません。 『宋江三十六人賛』は、『水滸伝』の誕生に先駆けて、南宋時代(1127~1279)に書かれた宋江ら三十六人の仲間を讃える文章です。もともとは画がついた“画賛”でしたが、画は散逸して、今では文章だけが残っています。 古文なので訳すのは大変に難しいのですが、一人ずつ紹介していきましょう。南宋時代の梁山泊にはどんなメンバーがいたのか、そして、彼らはどのような人物としてイメージされていたのでしょう。 ※訳文はあくまで素人の推測・想像です。多少とも合っているのかどうか、まったく分かりません。識者のご教示をお待ちしています! 九紋竜史進; 竜数肖九(竜数は肖九) 汝有九文(汝は有り九文) 蓋従東皇(東皇に従い蓋す) 駕五色雲(駕す五色雲) 「竜の数は九を肖り、汝は九文有り、東皇に従って蓋(おお)い、五色の雲に駕す」 水滸伝では第二十三位の“九紋竜”史進が登場です。あだ名は“九紋竜”で同じです。トレードマークの竜の刺青も、ちゃんと九匹いたようですね。ちょっと漠然として分かりにくい賛なのですが、道教や五行説の匂いを感じます……。 「東皇」は天上の最高神、「東皇太一」とも呼ばれ、東方に祭られます。竜は東方に配される霊獣、そして太一神は天の九宮を巡るそうですが、竜と九の間にはどんな関係が……? 九は陽の極まった数、そして陽は東から訪れるものですが……。 「肖」は「似る」「象る」「あやかる」などの意味がありますが、竜の形が九の字に似ていないこともないような? 宋代は太一信仰が盛んだったそうなので、きっとなにか謂われがあるのでしょう。 とりあえず、文章の意味をSUIKO108的に超解釈(?)してみると、 「竜といえば数は九、“九紋竜”史進は文字通り九匹の竜を刺青している。まるで五色の雲に乗った東皇様の一番弟子のような勢いで、その名前は世に鳴り響いている」 ……うーん。とりあえず、なんだか威勢のいい粋な若者のイメージはありますね。当時の風俗を色濃く反映しているような賛は、解釈が難しいです。詳しい方がいればご教授願います! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年07月02日 14時39分06秒
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