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![]() ![]() ![]() 私の通う武術の道場は、田園風景のひろがる山あいの静かなお寺です。毎週一回の稽古ですが、気持ちのよい汗を流させていただいております。豊かな自然、広々とした田畑、美しい山川、澄んだ空気・・・そんな中で稽古をしていると身も心も癒され、ストレスも洗い流されていくような思いがします。日々の生活に追われ、辛いこと、いやなことなどが積み重なって疲れ果てても、またあのお寺で、あの澄みきった空気の中で稽古するんだと思うと、また活力がよみがえってきます。お寺の名前は、西忍寺。300年続く浄土真宗のお寺です。私の師匠は、そこのご住職です。全日本中国拳法連盟の佐藤金兵衛会長から10年にわたって武術を学び、その全てを伝授されました。外柔内剛という言葉どおりのお人柄で、いつも穏やかな春風が吹いているような、そんな感じのする師匠です。いつも私たち門下生の悩みをきいていただき、様々な相談にものっていただいて、武術の師匠というよりは、人生の師匠といったほうがいいのかもしれません。もちろん、武術のほうは、我々が10年、20年稽古したぐらいでは、真似できないような技術を持っておられます。そのお人柄のように、技をかけられるとうららかな春風に身体を包まれたような感じがして、次の瞬間には絶体絶命の状態にさせられてしまう。私は30年あまり学び、様々な技を習得し、そこそこは使えるようになったと自負しておりますが、それでも、師匠のあの、うららかな春風を吹かせることができずにいます。このブログは、尊敬する師匠のお寺のことを紹介したり、稽古していくうえでいろいろ学んだこと考えたことなどを書いていくものです。
カテゴリ:西忍寺道場
こないだの日曜日の稽古日を書きます。
この日の柿崎のお天気は晴れ。 海は茫洋とした青い色を見せていました。 気温は32℃。 とにかく暑い。 今回のメンバーはいつもの4人。 N師範、O大師兄、S君と私。 あまりにも暑いので、境内のイチョウの木木陰で稽古した。 最初は基本の定歩崩拳、馬歩穿掌、握拳。 次は太極拳対練。 最初は行気から打擠。 相手の突きを受け流すとき、少し貼粘勁を使う。 こうすると2打目も使う。 こうすると相手は突くたびにグラングランと体ごと引き回される。 次は琵琶勢。 化勁を使って相手の重心を崩すと簡単に関節技がかかってしまうので、相手を崩さないで関節技をかける稽古をした。 相手は崩れていないので、こちらが関節技をかける動作がよく見える。 よく見えれば、技がかかる前に踏ん張ってかからないようにできる。 あえてこちらが手首をつかみ捻って、もう一方の手で肘を捻る動作をゆっくりと見せる。 この時点で相手は逃げることもでき、攻撃することもできる。 しかし、目の前のこと、つまり技がかかる瞬間に踏ん張って防ぐということに気を取られて動かなくなってしまう。 これも立派な術である。 相手の目の前で相手の手首を捻る。 その捻り始めの瞬間にもう一方の手で相手の肘を捻り始める。 手首のひねりに注目させておいて、肘の動きを相手に伝える。 こうすると相手は手首に向いていた意識が一瞬肘に行く。 ここで手首の意識が消えるので、その隙に捻る。 もちろん、力づくでひねろうとすれば、相手の腕や身体全体が踏ん張るので、相手にこちらの握力を感じさせないように捻る。 この時、呼吸は順腹式で吸っている。 相手の手首を捻り終わったところで、相手の意識は肘から手首に戻ってくる。 その隙に相手の肘を捻る。 また肘に意識を戻そうとしても、手首が返っているので、もう肘を曲げて踏ん張ることができない。 これは意識のキャッチボールだ。 残念ながら、まだできたりできなかったりするので、引き続き研究していきたいと思う。 次は攬雀尾。 今回は自分の体が風鈴になったイメージで行った。 風鈴だから軒先に吊り下げられている。 風を受けてひらりひらりと揺れるが、頭頂部は動かない。 これこそ虚領頂勁。 相手の突きを受けながらひらりひらりと躱す。 ここで、まだ自分の悪いところは後ろの首筋を伸ばそうとする意識が強いために、あとで少し筋肉痛になることだ。しかし、一応、股関節と肘関節は緩み、体の浮遊感は出ている。 もう少し、首の力みが抜けるといいのだが・・・・。 次は左右搬攔。 これは今のところ敢えてやりにくくする方法が見つからないので、普通にやった。 次は提手上勢 これもやりにくいやり方を思いつかないので普通に相手の手足を封じてやった。 ここで、イチョウの木の下も日差しが強くなってきたので、お御堂に入って稽古した。 次はかねてより課題にしていた琵琶勢の応用技。 相手の突きを受け流し、そのまま肘を曲げさせて相手の胸に押し付け、相手をのけぞらせて仰向けに落とす。 相手の右中段突きに対して、こちらは左足を前外方に進め、進める間に相手の肘を折りたたむ。 もし、左足の動きが止まれば、相手は腕を突っ張らせてくるので肘は曲がらない。 次に相手がのけぞってくれるには、自分の正中線が、相手の方にはなく、相手の前外方に直進していなければならない。 これもできるようになったので、今度は右足を半歩前方に進める間に、相手の突きを受け流し肘を曲げさせてのけぞらせ、仰向けに落とす。 これはかなり難しい。 左足を前外方に進めるならば、自分の懐に空間ができるので、相手の突きを受け流しやすい。 しかし、右足を前方に進めるだけだと、相手との体が近くなりすぎて充分に受け流すことができない。 どうにか受け流し、肘を曲げさせることはできても仰向けにのけぞらせることができない。 ここでもう技はかからない。 これをどうにか、右足半歩進めるだけで、化勁を使って、発勁のゆっくりした動きを利用して相手をのけぞらせることができないか? いろいろやってみたが結論はでなかった。 次は相手の上段突きを下から捉まえて、前進すると、相手は後ろ歩きを強制されて最後は吹っ飛ばされていくという技を稽古した。 これは下から捉まえる時、相手の手首を自分の人差し指と親指の間に乗っけるだけで、相手の腕は棒のようになるので、やりやすい。 つまり握力を使わなければ、相手の腕は棒のようになってしまう。 もし、あらかじめ腕の力を抜いていた場合、当然相手の肘は曲がるので、曲がったまま正中線に押し付けて前進すれば、同じように技はかかる。 しかし、ここはあえて、足で踏ん張ってこらえたとする。 そこでこちらは相手の腕を下方に落とし、次にその肘を曲げさせて前外方に押せば、そのまま相手はひっくり返る。 しかし、ここもあえてあまり下方に崩れなかったとしよう。 中途半端に相手は重心を起こして踏ん張る。 そこを押しても相手はびくともしない。 そこをなんとかひっくり返そうと思い、稽古した。 いろいろやってみたが、下方に崩そうと思い引っぱった腕を曲げさせて押すと上手くいくことがわかった。しかも、その肘を曲げさせるときにt橈側に屈曲させても崩れないが、中間位で肘頭を下に向けたまま屈曲させるといとも簡単に崩れ、投げ落とすことができた。 この肘の屈曲にしかたによって、全く崩れ方が違うのは、今回の大きな発見だった。 ただ、技をかけるときに、相手は左半身、こちらの左半身の状態を保つことが条件だ。 おもしろいように技がかかるようになった。 以上。 午前中の稽古は終わり。 みなさん、お疲れ様でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.07.24 16:32:39
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