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カテゴリ:エッセイ
太極拳の型は、武術の巧妙な動きを作り出す。 太極拳の動きは、左右の手を別々に動かす。 前の手が顔の前に移動すると同時に、後ろの手は後方から半円を描きこめかみの位置にくる。 右手も左手も同時に別々の方向に動いている。 例外はあるが、ほとんどはそう。 これは早くやったら、同時性は損なわれるだろう。 1、2と順番がついてしまう。 ゆっくりと意識的に、同時に左右の手が定位置にあるように動く。 これは、脳でしっかりと計算しながら行わなければ無理である。 足も同様。 左右の手の動きに合わせて同時に移動する。 ゆっくりでなければ身につかない。 しかし、長年やってくると、速くやってもできるようになる。 左右の手を同時に素早く別々に動かすことができるようになる。 これが進化してくると、手だけでなく、肘も、膝も、重心も、ばらばら別々の方向に、しかも同時に動くことができるようになる。 これは、太極拳のクンフーの一つだと思う。 長年、ゆっくりと、しかも同時にバラバラに動かし続けてきた成果だと思う。 結局、武術の技は、手足が別々の方向に同時に働くことによって成り立っている。 人間の感覚は、同時にバラバラに動くものにたいして反応できない。 そこに力みや抵抗が消え、見事に技がきまる。 お互いに力みや抵抗が消えた時に技が現れる。 この意味は深い。 太極拳のゆっくりした動きと型は、武術の動きをする身体を作る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.12.19 16:25:01
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