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カテゴリ:エッセイ
今日は11月22日。1122ぞろ目が並ぶ。
ただそれだけんですけど・・・・。 今日もしょうもないことに感動しながら「願立剣術物語」を眺めている。 「つり合うという事。前に言い尽くすといえども、これ万事の根本たる故、よくよく合点したき事なり」 つり合うということ。 前からくどいほど言っているんだけど、根本的な事だから、マジ理解してほしい。 「人も水火の性剋せしめ、五行をつり合わす。鳥獣も同じ。鳥の鳥を取る事。鷹はつり合いよき故ぞ。 人に勝つもつり合いのよき故ぞ。獣の獣に勝つもつり合い。鳥の空を飛ぶ事、つばさを延ばして空の空をあおぎ飛行をなす。足なき物の地を走る性、魚の水に遊ぶも皆つり会うなり。」 「水火の性」は、前に出てきたけれども、相手の身体を包み込むような働きだったかな。 たしか・・・・。 「水火の性剋せしめ」っていうことは、相手を包み込むような働きを克服し・・・か。 これでは矛盾する。 ・・・ということは、前回出てきた「水火の性」というものとは違う解釈だ。 この後の文章は、「五行をつり合わす」と続く。 「水火の性剋せしめ」と「五行つり合わす」とはイコールなのではないか。 五行とは、中国の古い哲学、「五行説」のことだろう。 五行とは、木・火・土・金・水の五つのシンボル。 木→火→土→金→水の順番に、全てのものはめぐっていく。 木の枝がこすれれば、火がおきる。 火が起きれば枝を燃やして灰にする。 灰はやがて土になる。 土からは金属が生まれ、金属は冷えると水滴がつく。 水は木を育て、木は枝がこすれると火を出す。 火は枝を燃やして灰にする。 灰は土にかえり、土は金属を生む。 金属が冷えると水が付く。 水は木を育て・・・・・と言う風に永遠に循環していく。 これを五行相生という。 また別のサイクルもあって、それは「五行相剋」。 木は土の養分を吸い取り、土は水を吸い取り、水は火を消す。 火は金属を溶かす。 金属で斧を作り、斧は木を切り倒す。 木は土の養分を吸い取り・・・。 こんなふうに繰り返す。 これが「五行相剋」。 「水火の性剋せしめ」とあるのは、五行の水と火。 これを剋せしめということだから、火に対して水で勝て!ということか。 しかし、これでは、「つり合いという事」から離れてしまう。 ここでは、水と火がつり合うように・・・という方向に行くのが筋だろう。 ところが、水が火に勝つように・・と解釈すれば話が違ってくる。 五行相説は、創造の世界。生み出していく世界。 五行相剋説は、破壊の世界。 だから、相剋状態から、相生状態にいかなければならない。 つまり水のエネルギーは火に向かっていかずに木に向かっていかなければいけない。 しかし、火のエネルギーが低いと水のエネルギーは火に向かって行ってしまう。 それでは、水のエネルギーは木に向かうためには、どうすればいいか? 水のエネルギーと火のエネルギーが同等になってつり合う必要がある。 これで、始めて水のエネルギーは火のエネルギーを消さずに、木に向かっていける。 ここで初めて「つり合う」というキーワードが出てくる。 水と火がつり合うとは、どういうことか? 水も消えない、しかも火も消えない状態とは? 火は水に触れた瞬間に消える。 したがって、水を直接火に触れさせずに近づけたら、どうなるか? たとえば、鍋に水を入れて火に近づけたら、お互いに消しあうことなく、存在することができる。 水はお湯になるが、お湯はいろいろなことに使える。 鍋は金属。 金属は刀。 したがって水と火の性質は刀を介在してつり合うということ。 水は下に向かって流れ、火は上に向かって燃え上がる。 上下の動きは刀を通じてバランスを取る。 これでなんとなくわかりやすくなってきた。 次。 「鳥獣も同じ。鳥の鳥を取ること。鷹はつり合いよき故ぞ。」 鳥や獣も同じ。鷹が上手くエサを捉まえることができるのは、うまく飛ぶことができるからだ。 これもつり合いがいいからだ。 「人が人に勝つもつり合いのよき故ぞ。」 ここから続いて、鳥が空を飛ぶのも、足のない生き物が地面を這うのも、魚が水中を泳ぐのも、つり合っているからだと言っている。 「このつり合い離れれば、鳥は地に落ち、魚は水上に浮くなり。」 この地球上で、上手く身体を動かすには、重力とのつり合いが大切で、このつり合いが崩れれば、鳥は地に落ち、魚は水に浮いてしまうだろう。 こんな風に解釈したのだが・・・・。 この地球の生きとし生ける物、全てはつり合いを保って動いている。 鳥は空気、蛇は地面、魚は水とつり合っているから上手く動ける。 みんな地球の重力を巧みに操って、空気や水や地面とつり合ってを動いている。 「この流の宗と修行する事は、ただ心のつり合いを以って身のつり合いを勤めるべき事。」 当流の修行とは、すなわち、心のつり合いを使って、身体のつり合いを作ること。 「眼心身一致せしめ打つも滞りなく、無病の身と成り、思うところ一つもなくんば楽遊の他なし。 これ外を求めるにあらず。」 身心一致させ、打つことも躊躇なく、自然に反することもなく、迷うところ一つもなくなれば、楽しく遊ぶしかないだろう。これ以外は考えなくてもいいよ。 結論。 全ての動きがつり合うようにして、迷いなく動けば、あとは戦いを楽しむだけだ。 今日はこの辺で・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.11.22 20:12:13
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