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2016.08.20
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カテゴリ:映画感想
今月ずっとおかしな状態になってる作品について語ります。
 うっかりシンゴジラの2時間後に観てしまったために脳がショートしてしまい、前回の記事を書ける程度に回復するまで時間がかかりました。エグザイル耐性がなさすぎただけでしょうか。

久保茂昭『HiGH&LOW THE MOVIE』
(2016年/日本/130分)&ドラマシリーズ『HiGH&LOW』



なんでしょうね、このヤンキー版プリキュア大集合みたいな図は…

◼︎EXILE王国の国威発揚計画

 日本芸能界に死ぬほど疎い私の独断ですが、深夜枠の30分ドラマから始まった『HiGH&LOW』は、EXILEみのある様々な「漢(おとこ)」集団が登場するヤンキー抗争ドラマをEXILEメンバーを中心にキャスティングして映像化し、彼ら全員のテーマソングをそれぞれの演者が唄うことで新規ファン層も取り込みつつ、LDH(ラブ・ドリーム・ハピネスの略らしい)の総合力を高めよう……というコンセプトのもと企画されたのではないかと思われます。

 端的に言うとHIROさんの心の中学二年生を解放し、溢れるイマジネーションでノートに書きなぐったキャラ設定集をEXILE王国の財力と人民資源を湯水のごとく用いて全力で映像化してキャラソンもつけた感じです。↓の雨宮兄弟なんてチームでも何でもないのに謎のカッコイイマーク背負ってバイク乗ってるし……



 キャラクター主導のためかドラマ版の話は1話30分・2シーズン(各10話)ということを考慮しても大変に薄い。顔見せしなければならない登場人物がとにかく多いことも手伝って、例えば一般的な物語構成であればちょっとしたエピソードを通して紹介されるべき登場人物の設定がモノローグやカットのみで説明されることが多いため、ずっとダイジェストを観せられてるような印象が強い。

 私は劇場版から入ったけれど、130分のうち前半30分程度でほとんどのキャラクター説明とこれまでの経緯がチョイ出しで語られるため、その後Huluでドラマ版を全話視聴した際にストーリー上重要だと思われた新情報が「ノボルとミホ」「村山と轟」の2要素しかなく愕然としました。どういうことだ。


◼︎EXILE文脈に呑まれてみよう



 まず劇場版では最初の7分程度を使い、その後全編通してナレーションを担当する立木文彦ボイスで世界観とあらすじの説明が入ります。
 なんとなく関東南部、川崎あたりかな?いや、もしかしたら静岡辺りかもしれない…ということがふんわり察せられる地図が示され「かつてこの地を支配していたMUGENというグループがあった…」「その圧倒的な勢力により、かえってその一帯は統率が取れていた」「しかしそのMUGENにたった二人で対抗した兄弟がいた…」とAKIRA率いる大バイク集団の成り立ち映像+TAKAHIROと登坂広臣演じる雨宮兄弟がそこに立ち向かうカッコE映像がババババッと流れます。

 なんかよくわからないうちにAKIRAが去ってMUGENは空中分解ののち解散、決闘の結果もよくわからないまま雨宮兄弟もその地域を去ったあと「その後5つの勢力が台頭し、彼らの頭文字をとってSWORD地区と呼ばれるようになった…」と、どうやら映画本編でメインになるらしいチームとキャラクター紹介が始まりました。


↑(勢力図)こっから

こう分割される


 ほとんど前知識のないまま劇場版から入ってそこだけ観た私は、当然の文脈として「なるほどドラマ版ではシーズン1あたりでMUGEN結成〜雨宮兄弟対決〜解散まで、シーズン2からSWORDのチーム抗争が描かれてるんだな!」と考えました。というか普通に観たらそう受け取るんじゃないでしょうか。

 なのでその後Huluでドラマシリーズを観始めた際、映画版の冒頭と全く変わりのない前提説明が始まって第1話からSWORDのチーム抗争が描かれていることに面食らいました。なんだこれは。

 俺たちはまだその時わかっていなかったんだ…これがエグザイル時空だってことが……



↑なお新キャラクターの顔見せシーンごとに、基本的にナレーション・テーマソングとともにキャラクター名が文字で画面にカッコよく表示される親切設計なので三国志ばりに多い武将格キャラに面食らってもなんとか覚えられるようになっています。さすがHIROさんだぜ。


◼︎EXILE時空の歪み



 単にEXILE国民の男前たちを過剰なモノローグとともにキメキメに撮っててテンションがおかしいだけのPV映像なら面食らっても混乱はしません。特筆すべきは時系列の謎。ここで多くの人間が死んでいきました。

・MUGENが結成されてから大集団になるまで
・MUGENが解散してからSWORD地区になるまで
・S(山王連合軍)のノボルがチームから消えた時期
・S(山王連合軍)のチハルが加入した時期

 キャラクターの感情描写や過去の友情エピソードは過剰なまでにモノローグで説明されるのに、だいたいこのへんのエピソードがいつ、どのくらいの期間なのかがサッパリわかりません。
 その死がMUGEN解散のきっかけとなるキャラクターの墓には「1988-2014」と書いてあったので作中年月が2016年だとしたら2年程度の期間ということになるのですが、そうなると今度は同時期から昏睡状態にあるはずのキャラクターが目覚めてすぐにケンカに加わり人智を超えるレベルの耐久力を見せたことがよくわからなくなってくる。というかあの顔で26歳ってどういうことだよ…?!えっ他の登場人物幾つなんだよ!?という新たな疑問まで発生する。

 

 なぜこんなカオスなことになっているかというと、突然の回想シーンが死ぬほど多いからです。シーズン1の冒頭でキーマンとなるチハル、その後の展開的に彼は少なくともその前に山王連合会を抜けてヤクザ入りしているノボルに会っていないといけないのですが、どういうわけだかシーズン1の山王チーム顔見せ段階からチームの一員としてノボルが出ている。顔見せだから先にキャラクターだけ見せちゃった♡ということかもしれないけど、ノボルがいるはずのないチハルが加わる時間軸とシームレスに顔見せシーンが繋がれているため納得いかない。
 


 SWORD地区の外側に↑マイティウォリアーズという外国人チームがあり、彼らもまたここ数年のうちに結成し勢力を拡大してきたようなのですが、シーズン2ではMUGEN時代のエピソード回想が時系列無視で無軌道にブッ込まれる中、さらに「一方その頃マイティウォリアーズは湾岸地区で着実に勢力を伸ばしていた…」というモノローグ+字幕でいちいち場面転換して彼らの動きを見せていくため(こっちが)混迷の極みとなります。



 わからん。

 しかもそんな細切れの映像がいちいちEXILE人員を割きどでかいセットの中で金をかけて撮影されているので、ちょっとした回想程度なのにバトルシーン回想だけはカロリー高めで「あれ?これ前に観た?重要なとこ?」という謎も生まれていく。素で難解です。

 なお、私自身は既に「EXILE時間は人間によって伸び縮みする(四次元説)」「ハイロー界の人間寿命は250歳程度で外見も若さを保っている(ファイブスター物語時空説)」を取り入れているためわりと悟りの境地にたどり着きつつあります。


◼︎EXILEバブルを体で感じろ

 前述のような問題を抱えながらも「金はパワーだ」ということをリアルな圧で感じられるのがこの作品。
 状況説明やドラマ作品らしい演出はわりと置いてきぼりですが、画面の端から端までEXILEダンス仕込みの「動ける」人間がリアリティあるバトルを繰り広げる長回し・俯瞰シーンは圧巻の一言。日本の映像作品は予算と時間がとにかく少ない、という話は韓国ノワールにハマッたタイミングでも語りましたが、役者の時間は確保しきれなかったとしても金さえあればここまでできるのかと唸らされる出来です。

 「動ける奴」が集結したバトルシーンの身体言語が問答無用の納得感をもたらす、文字通り力技のパワー。後述するパルクール集団のシーンはセットを含めて一体どんだけの金をかけたのか考えると身震いします。



 特にマネーの存在を感じるのは、全企画・プロデュース・キャラ設定をしたというHIROに対してHIROさん、あんたこっち側だったんだな……と言いたくなるAKIRAのキャラ設定でしょう。「伝説のチームを率いていたときに親友を失った悲しい過去があり、心に傷を負った片目義眼の最強の男・琥珀」。いや盛りすぎだろ中学生か。

 でもそんな中学生がノートに書いたオリキャラみたいな盛りすぎキャラばっかりの設定資料集をそのままポンと映像化できるわけです。歌えるメンバーがそれぞれテーマソングも歌ってくれて。これが金の力でなかったらなんなんだ…映像の豪華さに呑まれてみるのもいいんじゃないでしょうか。


◼︎SWORDとは

ざっくりメインのチームだけ説明しましょう。

S【山王連合会】
絆パワーで勝つ度★★★★★
ムゲンは仲間を見捨てねぇ!!」

 MUGENの残党を含む、商店街を拠点にした地元ラブ集団。頭はコブラ(岩田剛典)。精神性は「地元のサイコーなダチ…サイコーな俺ら…ラブ&ピースな家族の絆…おにぎりっていいよな…俺らは家族と仲間を守るためにここにいる…帰ると女たちが笑顔でおにぎり作ってくれてる…地元…ラブ…」的な感じ。
 やつらの溜まっている食堂にはおそらくONE PIECEが全巻置いてある。

W【White Rascals】
戦いは小道具度★★★★★
「女は大事なキャスト…女を守るのが俺たちの使命だ」

 夜の街のケツ持ち集団。頭のRocky(黒木啓司)は幼少時にDV父に追い詰められた母と姉が自殺するという経験をしており、そこからこのチームはクソ客や理不尽な中抜きをする経営側からキャストの女性を守ることを是としている。「女たちを闇に堕としすぎないために」全員が白服を着ている。
 構成員にゴールデンボンバーのメンバーが含まれており、見た目は全体的にホスト。

O【鬼邪高校】
敵の偏差値も下げる度★★★★★
「拳一つで成り上がる!」

 「おやこうこう」と読む。全国から番長クラスの不良が集まってファイトクラブを形成する凶悪高校で、ここで5留するほど生き残れば一流のヤクザからスカウトされるため「5留で一流」のキャッチコピーがある。平均年齢23歳。頭の村山良樹(山田裕貴)は鬼邪高校始まって以来初めて学校中をまとめ上げた実力者で、北斗の拳でいったら雲のジュウザ。一番二次元っぽいチーム。スタミナと数の力で勝つ。

R【RUDE BOYS】
創作同人度★★★★★
「ここは俺たちの街だ…ルールは俺たちが決める」

 捨て子から犯罪者までが廃棄される街「無名街」を仕切るチーム。全員がパルクール使いなので機動力で勝つ。創作同人に石投げたら当たる「僕たちはこの街で生まれた…」から始まるファンタジーのような、一度文明が滅びた後の世界が現代日本に存在している。
 頭のスモーキー(窪田正孝)は身体能力的にかなり強い方らしいが病弱なためにすぐ喀血する。北斗の拳なら間違いなくトキ。

D【達磨一家】
祭り力★★★★★
「祭りは達磨を通せやァ!」

 元はヤクザグループの一角を担っていた組織「日向会」だったがMUGENに惨敗したことでグループを排斥され、今は寺社仏閣でお揃いの法被を着て過ごしながら近隣の祭の利権で生き延びるゴツい男集団。頭の日向紀久(林遣都)は元組長の4男で、一度戦い始めるといつまでもかじりつくルール無用な戦い方がポイント。
 いつも境内で焚いている火で豚汁とか作って食べてると思う。

 頭はだいたいキレイな顔をした男が獲るという不文律が見て取れますね!!!あと彼らの公式キャッチコピーに何か見覚えがあると思ったらメンズナックルでした。


↑ハイロー
↓メンナク


「誘惑の白き悪魔」とか「無慈悲なる街の亡霊」とかまんまじゃねーか…

 他、それぞれの強さがヘッド級の元MUGENメンバー、雨宮3兄弟(長男は劇場版のラストで初めて登場)がいます。


◼︎そして劇場版へ



 ドラマ版のドがつくカオスっぷりを浴びた後に劇場版『HiGH&LOW THE MOVIE』を観ると、劇場版の時系列はかなりマトモ。その代わり視覚的にかなり脳にクる映像が延々と繰り返されます。

 最初の印象は「マガジンっぽいヤンキー漫画をジャンプで連載してみて意外にも5巻くらいまで続いたやつを土9枠で実写化した」感というか、5分に一度はキメキメのポーズとセリフとキメキメ音楽がドーンと来るので笑ってたんですけど、そのうち振り落とされないように真顔になっていました。カオス映画の方向性としてはキンプリというよりもX-ミッション(オザキ8)です。

 『HiGH&LOW THE MOVIE』で特徴的なのは監督側の趣味かどうか、冒頭の無名街のシーンと決戦の場へ向かうヤンキー大移動のシーンにマッドマックス、九十九がクラブの二階席から投げられるシーンにキングスマンのオマージュと取れるシーンがあるところ。演出だけで言えば無名街のシーンにはちょっとブレードランナーみも感じた。

 このへんはTwitterでネタ化することしか私にできることはなかったです。



 そしてクライマックス、EXILEの財力を感じるやたらと広いセットで色とりどりのヤンキーたちが鬨の声を上げて全員で100メートル走みたいに全力疾走して戦いに行くシーンの豪快な俯瞰長回し。正直こんなに「おもろい画」久しぶりに邦画で観た。マネーだ。おもしろさはマネーで作れるんだ…。

 ただ映画のラストで初登場する雨宮兄弟の長男(斎藤工)が某LDH社長クリソツだった件についてはちょっとこう突然の夢小説を見せられたような衝撃で今はまだ何も言えません。すべてがHIROになる…



 劇場版のストーリーに関しては琥珀さんのメンタル弱すぎ問題やそれに反比例して強くなる腕力(同じ日に観た『シン・ゴジラ』のゴジラと同じレベルで脅威を感じる)、九十九の不死身と言っていい耐久力などの圧もあるんですが、ドラマ版に通じる確かな身体性に裏打ちされた説得力で

「何やってんスか琥珀さァん!!」
「MUGENは仲間を見捨てねぇ…!」
「祭は達磨を通せやァ…」

という謎のパワーワードが腹にズドンと落とされて忘れられなくなります。



↑※「祭は達磨を通せや」を検証してみました

 あとケンカのシーンが異常に多いわりに人死にが出ることはほとんどなく、「人を確実に殺したいときは車でカチ込め」というヤクザ界の暗黙のルールが示されます。勉強になるなあ。


◼︎みどころ

 ドラマ・劇場版を通して一番「ドラマっぽい」仕上がりになっているのが鬼邪高校のシーン。これは頭役の山田裕貴が村山良樹のハマり役ということもありますが、おそらく他のグループに比してメインキャストの知名度が全体的に低く、そのためキャラ設定の掘り下げや打ち合わせが深まったのではないかと推測できます。
 他のEXILE外の若手俳優たちも他作品を観る限りでは演技力はあるはずなんですが、スケジュールの問題やキャラとのハマり具合などもあって印象が散漫というか。ドラマのシーズン2でスモーキーが病弱ゆえに寝込んでる?設定だったのは窪田正孝のスケジュールが調整できなかった説があるのもちょっと納得。
 
 このドラマ性やキャラ掘り下げに凸凹があるのもハイロー時空ならではです。

 劇場版を観た時から「やけにここだけアドリブ力を感じる」などと言っていたのですが、最近読んだ記事によれば「村山役は5〜6割アドリブ」とのことで、こっちが思ってたよりずっと役者がキャラクターとしての人生を生きていてくれたようです。


左・古屋役の鈴木伸之は元ミスタージャパン、右下・関役の一ノ瀬ワタルは元格闘家


 ドラマ版で村山が自分を見失ってバッティングセンターに行ったりずっと野球ボールを持っている回があるんですが、これは演者である山田裕貴の父親が元プロ野球選手で本人も一時期は野球の道を志していたということに引っ掛けているんだろうか?と深読みするのも面白い。

 逆に0点なのはオナゴの描き方が古典的というか時代錯誤なまでに古臭い点で、E-girlsメンバー演じるレディース軍団など個性的なキャラクターはいるものの、まさか2016年になっても「おにぎり作って待ってよっか♡」というセリフが出るとは思わなかった。女の役割が男性の「母・姉・妹・娘・彼女・水商売の女」か、いずれそこに加わる「恋をしたい女」しかない。
 せっかくE-girlsもいるんだし、彼女たちのアクションも拝んでみたいものです。


とてもかわいい

 あと性暴力に遭って自殺未遂をした仲間の恋人を「◯◯の女がやられた」と言うシーン、彼女のケアはほぼ放置で仲間の方に「お前の苦しみは俺たちが知ってる…」と泣きながら労わり合うあたりにはホモソーシャルの一番残酷な部分を見た気がしました。
 見た目の点でいかにも男社会なのはラスカルズや達磨、鬼邪高校なんですが、内実や精神性が家父長制モロ出しなのはルードや山王というあたりも面白い対比です。

 キャラクター設定を見せるための説明映像がひたすら続くため「要するにこれは艦これや刀剣乱舞と同じ性質のコンテンツか」と当初は理解していたけど、軽いなりにドラマが進行してネタ材料を提供していくため、最終的に「おそ松さんだ…」と結論しました。


【余談】
 ハイローイメソン集…じゃないサントラベスト盤聴いたわたし
「ATSUSHIさん最大手」


HiGH & LOW ORIGINAL BEST ALBUM





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Last updated  2016.08.20 14:55:53



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