梅干とジラ最近、手抜き料理ばかりの私。週末、また手巻き寿司を食べた。お刺身のパックとレタス、きゅうりなどを買ってお皿に並べるだけ。以前、ジラが私の大好物の「うに」に手を出すようになって、それまで独占できていたうにを独り占めできなくなったことの悲しさと同時にジラが色々な物に挑戦して克服していく姿が嬉しい「複雑な気持ち」を書いたが、ジラ、また最近以前食べなかったものを食べるようになった。 まず、 マヨネーズ 日本人はなんにでもマヨネーズを使うと言い、生の魚にマヨネーズ???と言っていたジラだが、最近好んでマヨネーズを手巻き寿司につけるようになった。 そしてもうひとつが驚き、桃の木、 梅干し!!! ジラの梅干し初体験は、とんでもなかった。 まだ私がジラと付き合いはじめて間もないころ、夜になって小腹が減ったので夜食を作った。夜食といってもご飯とお味噌汁と小皿に昆布、お漬物、そして梅干を並べただけのもの。初めて見る赤いかわいらしい梅子ちゃんに眼を奪われたジラ・・・ 「この赤いのな・・・・ (大きな梅干しをほおばる) に?」 と聞き終えないうちに大梅干しを口に放りこんだ。 「あちゃ~」の顔の私。そしてジラは 「うぐっ、ふんがっふっふ~~~」 とサザエさんのように、梅を吐き出し、そして "WHAT'S THIS???" と声荒げに私に聞いた。 「Salted Plumだよ」 大爆笑しながらと言うと 「こんなもの食べるなんて信じられない、とんでもない味だ!」 と言い出した。そこで 「これ、うちの母さんが丹念に作ったものなんだよ。湿気の多い日本で天気予報をチェックしながら、三日三晩湿気が一番少ない日を選んで陽に照らして、すんごい手間暇かかるんだからね!」 とムキになって言うと、一瞬のうちに申し訳なさそうに「シュンッ」としたジラ。そしてもう一度、吐き出した梅干しの端っこをお箸でつついて、少し口に入れて、首を横に振った。 日本人でも梅干を食べられない人がいるのに、外国人が梅干を食べれないのはもっともだと思ったし、ましてジラはアメリカンフードには欠かせないピクルスなどのすっぱいものが苦手だったので、しょうがないと思い、それからは梅干は私だけが食べるようになった。そしてジラは梅干を見るたびに眉間にしわを寄せた。 そのジラ・・・ ここ数回の手巻き寿司のときに梅干をつつきだした。 しかも「通」なことにきゅうりと一緒に食べる。 梅きゅうかい? その上、手巻き寿司には梅としそを一緒に食べる。私がしそを買い忘れようものなら、催促する。 君、日本人かい? そんなジラを見て嬉しいとともに心が痛くなった。 うちの家族はジラのことを知ろうともしない。 実は強行突破で日本へつれて帰り、両親に紹介しようとも思い、母と電話中に「もし、私がジラと一緒に日本に里帰りしたらどうする?」と聞いたら 「駄目よ、一緒だったら敷居はまたげないわよ」 といわれた。 知ろうとも、わかろうともしない私の愛する家族と 知ろう、わかろうとして、知らなかった事や物を楽しみにする私の愛する人。 梅干しだって食べ続ければ美味になるのにね~。 ジャンル別一覧
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