こんな国に生まれて…日本狼…純粋バカ一代…山崎友二
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在野ノート32
純粋バカ一代526
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【回顧4】オレは、運転がていねいだと理由で、ときどき社長の運転手をしていた。もう70歳すぎで、じゃがいもに油をぬったようなじいさんだったが、妾(愛人)が7人もいたんだとか。出かけるときには、3号さんと5号さんを横に乗せてた。たしかに、面倒見がいい人だとは思うが…7人て……。
2020.06.24
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【回顧3】ホテルでの仕事は、オレが配膳などをする調理係、夫婦2人は客室の準備などをする用度係だった。用度係には、長く務めているらしい50歳くらいのおっさんがいた。後でわかったのだがその人は酒乱だった。すごくおとなしい人で、まさか酒を飲むと豹変する酒乱だとは気がつかなかった。
【回顧2】北海道のとある温泉地のホテルでバイトをした。地名は内緒です。放浪途中の食事つき活動費稼ぎみたいなものである。そのホテルに夫婦ものらしい若い二人が働きに来た。2人はホテル旧館の片隅の部屋で一緒に住んでいた。歳が近かったこともあり、オレと2人はすぐ仲良くもなった。
【回顧26】さあ、ヘッドハンティングを振り切って帰ろう。「それじゃ、帰ります」と言うと「えっ、もっとゆっくりしていけばいいのに……」とふつうにひきとめる。「いえ、これで帰ります」とキッパリ答えて、帰ってきた。だから、いまだに背中には悪霊がついたままのはずだ。(終)
2020.06.22
【回顧25】「こういうのに むいてるかどうかは やってみないとわからないと思いますけど……」「うん、じゃ やってみる?」「……いえ、今の仕事がやめられないんで…できないと思います」「そう……残念……」仕事のスカウトはうれしいけど……宗教関係ってのは、入りにくいよなぁ……
【回顧24】「あなたは、やさしいのね」はぁ?おばさん祈祷師の目はうるんでいる。どういう心境で言っているのか、察しがつかない。急にやさしい言い方になったおばさんは、次に「あなた、こういうお仕事してみない?」はぁ?宗教関係の仕事?か。「あなたは、むいてると思うのこの仕事」
【回顧23】「あなたは、どうなってもいいの?」おばさん祈祷師は静かに言う。「いいよ。先祖が末裔に残す遺産なら受けようじゃないか」おばさんは黙っている。「それがオレの運命なんだよ。上等だよ」さあ、これでどう言うのかなと思ったら、おばさんの口から信じられない言葉がでた。
【回顧22】「さっき、先祖の霊がついてるっておっしゃいましたよね」「そうだ、先祖の悪霊がついておるぞ」「御先祖様は、わけがあってオレにとりついたんだろう。災難をおこすならオレが受け止める。他人は手を出すな」ちょっと強い口調で言ってしまったので、相手が怒りだすかと心配だった。
【回顧21】「百万が最低で、上限なし!上は1千万でも1億でもいいぞぉ!」あほか。百万さえも出す気ないわ。「じゃあ、浄霊はしません」「なに?今後災難がおこるが、それでいいのか?」「いいですよ」バックに悪霊が付いてるってのは、経験しておくべきだろう。災難も経験しておこう。
【回顧20】「それで、悪霊はどうしたら消えるんでしょう?」「消える?そのためには、そこのような位牌を作って供養することだ」祭壇のまな板のような位牌か。「それを作るのに費用はおいくらぐらいでしょうか?」「父方の位牌が50万、母方が50万、あわせて100万だな。それが最低だ」
【回顧19】「その悪霊は強力だって言いましたよね」「ああ、強力だぞ」「その悪霊は、外国に連れて行けますか?」「外国?どこへ行ってもついてるぞ」「その悪霊は、イスラム教徒1万人に勝てますかね」「…なんで戦うんだ?」いや、強力だっていうから、、大勢の人間と戦わせたかったな。
【回顧18】「その悪霊は、透明の中に色も見えますか?」「色?…すこし見えるぞ」割と素直に答えてくれるな。「そこにアンコは見えますか?」「アンコ?…アンコは見えんぞ」そうなんだ。悪霊は、トコロテン風ではなく、アンミツではなく、ミツ豆風に見えるってことだ。これは成果だ。
【回顧17】「ああ、あなたの後ろに悪霊が見えておるぞぉ」そうなんだ、見えるんだ、悪霊って。「その悪霊は、はっきり立体的に見えるんですか?」「立体的とはなんだ?」う~ん、どう聞けばいいんだろう。「それは、透明に近いですか?」「そうだな、透明に近いな」う~ん。知りたい。
【回顧16】目をつぶった状態で後ろで大声出されたら、誰でもビクッとするよ。それより「徐霊してもらったんで、もう悪霊はついてないんでしょう?」「いや、悪霊がついておるぞ。あなたの遠い先祖の悪霊だ。かなり強力だ」「そうですか。あなたには、ボクについている悪霊が見えるんですか?」
【回顧15】おばさん祈祷師は「ハイ、今あなたの徐霊が終わりました」徐霊だったんかい。「あなたには、悪霊がついている!」男口調ではげしく言う。ついている?「あのう、今徐霊をしてくださったんですよね」「そう徐霊をしたぞ。私が声をかけたら、体がビクッとしたろう。あれが悪霊だ」
【回顧14】背中に回った祈祷師は、鈴などガッシャンガッシャン鳴らしていた。急に静かになったなと思った次の瞬間「ええい!」と大声でどなった。背中から聞こえた罵声に体がビクンとふるえた。背骨のあたりが気持ち悪い。「よーし、いいだろう。目を開けなさい」と相手のペースだ。
【回顧13】あばさん祈祷師は、急に大声でお経のようなものを唱え始めた。目をつぶった状態で聞く大声は…不気味だ。おばさんは物音から察するに立ち上がったらしい。なにをする気だ。お経を唱えながら、おれの背後に回ってきた。見えない状態での背中は急所だぞ。おばさん、きたねぇな。
【回顧12】「さ、それでは、あなたの運命を見てあげましょう!」やっぱり運命鑑定するんだ。ところで、おばさん祈祷師のしゃべり方が男口調になってるけど。「さ、両手をあわせて目をつぶって」「はい」いきおいに押されて言うとおりにしてしまった。目をつぶった暗闇に、危険を感じた。
【回顧11】人の悩みと欲望で求心していく。新興宗教とはそんなものだとわかったところで帰るとするか。と「それじゃあこのへんで失礼します」立ちかけると「まぁだ、まだ。これからですよ」と言う。運命鑑定料3000円ならこの程度だろうと思っていたが、急にすごまれた感じで不安だ。
【回顧10】「それで今後あなたはどうしたいの?」と聞いてくる。なにそれ。今後こうしなさいって言うのが新興宗教じゃないの。とりあえず「若い人達の支援をしていきたいですね」などと優等生的に答えてみる。「それには、資金が必要じゃない。お金が…」それかい。なるほど、悩みと欲か。
【回顧9】しかし、話を先に進めるために…悩みを言ってみるか。「悩みはですね…前に悪性リンパ腫ができましてね。手術で治ったんですけど…あとどれくらい生きられるものやら……」命にかかわる悩みなら、悩みとしてはどこでも通るだろう。だから、運命鑑定…してほしかったんだけどな…
【回顧8】この女性は運命鑑定係ではないのだろうか。「だいたい、ここには悩みを持った方が相談にみえるんですよ」と言う。そうか、悩みのある人がこういうところへすがるわけだ。悩み相談より運命鑑定で未来を予測してほしかったけどな。占いみたいで、そのほうがおもしろいと思うけどな。
【回顧7】奥に座った女性霊媒師(?)は、にこやかな作り笑顔で「今日は、どんな相談でいらしたんですか?」と、妙に柔らかすぎる声で聞いた。「ええ、ちらしに『運命鑑定』をしていただけるとありましたので…」「『運命鑑定』?ちらしにそんなこと書いてありました?」と首をかしげている。
【回顧6】入り口近くに座りたかったのは、下座だからではない。隔離されないようにだ。部屋の奥に座れば、逃げるような状況になった時困りそうだから。女性1人なら押しのけていけそうだが。仲間の男などが来たら、部屋から出られない。拉致・隔離されて洗脳されるのだけは避けたかった。
【回顧5】ドカドカと誰かが入ってきた。ドアの方を振り向くと、ひとりの中年女性が立っていた。法衣というものか着物を着ていた。「さ、奥のほうへどうぞ」とオレに言う。「いえ、先生のほうこそ奥へどうぞ」『先生』と言ってやった。「ボクは、ここでけっこうです」と入り口近くに座った。
【回顧4】案内された部屋は、ベニヤ板で仕切られた4畳半ほどの広さ。畳が敷かれ座卓がある。なんといっても目立つのが、おおきな祭壇だ。「仏教系だ!」と威圧的だ。ひな祭りかと思うほど大きい。祭壇に置かれている位牌らしいものも、台所のまな板ほどの大きさだ。車でいうとリムジンか。
【回顧3】会場に到着した。ビルの1フロアを借りきっているようだ。受付に若い女子2人がいて『運命鑑定』を受け入れていた。「運命鑑定お願いします」と3千円わたすと、人の目も見ずに「運命鑑定はこちらでお待ちください」とみごとに事務的に小部屋に案内された。事務服が喪服に見えた。
【回顧2】場所は千葉県柏の会館らしい。水戸からは電車で一本だけど、50Kmくらい離れてるだろうか。あまり、近いところだと、後で面倒だったりするから、ある程度遠いのはいいことだ。もちろん、今回もひとりで行った。ひとりのほうが、行動する時に自由でいい。逃げるのも簡単だし……
【回顧1】新聞のちらし広告に『運命鑑定3000円』とあった。主催者は宗教団体らしい。3000円では済まないだろう。何十万とか要求されるんじゃないのと思いながら、『運命鑑定だけ3000円で!』で行ってみようと考えた。低料金で人を集めた後、どうするのか『お手並み拝見』である。
≪18≫--------------------------------------------【回顧】賽銭箱には小銭を入れるものという固定観念が強かった。500円ほど…いやあるだけ小銭を入れていこうと思ったが……100円しかない。まあいいか、気持ちだけでいいと言ってくれたんだし、100円玉を入れて、手をあわせてお礼をした。100円で坐禅を知った。よかった。(終わり)
2020.06.20
≪17≫--------------------------------------------【回顧】ひととおり坐禅について教わったので帰ることにした。教えてもらったのだから、お礼をしたほうがいいなと思った。現金で3千円ほど出せばいいかなと申し出て見ると、和尚はお礼はいいという。賽銭箱が近くにあり、気持ちだけ入れてくれればいいという。財布の中には小銭があまりない。
≪16≫--------------------------------------------【回顧】『感じて考えず』が『無』ということかもしれない。しかし、感じることはいいのだという。過去にこだわらず、未来に不安がらず、今の感性を大事にすること。なにも考えすぎなければ、何もないけど、今の感性は充実すぎるくらいある。情報過多の時代ゆえ、忘れていたことかもしれない。
≪15≫--------------------------------------------【回顧】今回は坐禅の作法だけ教えてくれるという。広い本堂に一人座り坐禅の型をしてみた。後ろからバシッとたたかれるのもやってみた。たしかに、気合いが入る感じだ。今回は短い時間だけど、本式に45分もやったら…トリップしそう。不思議な世界に入り込むような感じになるだろうな。
≪14≫--------------------------------------------【回顧】「実際に坐禅をしてみませんか?」和尚が言ってくれた。坐禅がどんなものかわかればいいと考えていたが、体験できるのはありがたい。本堂に案内された。中はけっこう広い。学校の体育館の半分くらいありそうだった。線香と畳の香りが、坐禅初体験のオレを落ち着かせてくれた。
≪13≫--------------------------------------------【回顧】坐禅の極意は見極めた。「感じて考えず」これでいいだろう。瞑想とただボーっとしてることの違いがわからなかったのに、ここまでわかった。和尚は具体的に教えてくれた。「小鳥が鳴いてるのは聞く聞こえる、しかしその先の、それがなんの鳥だろう、何羽来てるんだろうとは考えない」
≪12≫--------------------------------------------【回顧】「感じて…考えず…ということでしょうか」この「感じて考えず」は見えた!という気がしていたが、よくしゃべる人というのは、すぐに同意しないか、言われたことを理解する力が弱いのか、「う~ん…」と、すぐに返事は返ってこない。「う~ん、そうとも言えるかもですね」遠まわしだ。
≪11≫--------------------------------------------【回顧】坐禅の作法の続き……「目は半眼で、見えているけど見ない。耳は聞こえているけど聞かない…」「へ?…どういうことでしょう?」「目で見えたもの、耳で聞こえたものはそのまま頭に入るけど…それ以上はないということですかね」「え?」「考えない、意識しないといってもいいかも」
≪10≫--------------------------------------------【回顧】『坐禅』の概念のようなものを聞いたつもりだが、和尚は作法を話しだした。素人には、作法が大事と思ったのだろうか。坐禅の時間は、線香が燃え尽きる45分間。目は『半眼』といって、薄目をあけ,背筋をのばし動かない。自分でふらついたら、後ろからバシッとたたいてもらう。
≪9≫--------------------------------------------【回顧】この和尚はオレに『仏教』をわかりやすく教えようとしてるのか。素人にもわかるように話してくれる気持ちはうれしい。『般若心経』がどの宗派にも共通する仏教経典であることもわかった。さあ『坐禅』だ。「そうすると坐禅というのは、仏教徒の修行なんでしょうか?」と聞いてみた。
≪8≫--------------------------------------------【回顧】「すらすらぺらぺら」と話は続いて次は『般若心経』……『無』の話しになって、テーブルの上のポットがたとえになって「これは見えるけどないものなんですよ」と……「色即 是空…ですか?」と言うと、「ご存知でしたか?」と驚いている。それくらいは知ってるけど…『座禅』は?
≪7≫--------------------------------------------【回顧】住職は、よくしゃべる和尚さんという感じのひとだった。『托鉢』やら『賽銭箱』の話やらが「すらすらぺらぺら」続いた。ときどき「ささ足をくずして楽にして」と言うが、大事な話を聞きに来たのだからと「いえ、このままでいいです」と正座を続けた。足の痛さより『座禅』の話が……
≪6≫--------------------------------------------【回顧】お寺の住職には、硬いイメージがあったので、玄関前で構えていた。「ささ、どうぞどうぞ」と気さくなひとだった。明るい畳の部屋に案内された。そこには座卓があって、ポットと茶器セットが置かれていた。普通の部屋だった。「ささ、どうぞ」と座布団を出されて、緊張しながら座った。
≪5≫--------------------------------------------【回顧】本堂には人影はなく、隣にある住まいに声をかけた。出てきたのは50歳前後の僧衣を着た人だった。「こちらのご住職でしょうか。座禅について電話したものですが」と言うと、「ああ、電話のかたね」とその住まいの中に案内された。本堂で厳粛にお話を伺う思い込みがあったので、びっくりした。
≪4≫--------------------------------------------【回顧】ひとりで行くのが心細かったので、友人2人に声をかけてみた。「座禅?う~ん」という疑問で断られた。しかたなくひとりで行くことになったが、こういう未知の世界へ飛び込むのは、身軽でひとりがいいとも思う。うす曇りの日曜日に、お寺の山門をくぐった。ちょっと緊張から寒気を感じた。
≪3≫--------------------------------------------【回顧】電話の住職らしき人は、オレの「座禅について」の質問に最初戸惑いながらも、だんだん『受容』というのか話を聞きいれてくれた。次の日曜に、実際にお寺で教えていただく約束をした。座禅会など催しているお寺もあるようだが、そうでない所で個人の要望を聞き入れてくれたのがうれしかった。
≪2≫--------------------------------------------【回顧】座禅の専門家というと、やっぱりお寺のお坊さんか。座禅を基本とする宗派は「曹洞宗」と「臨済宗」と社会科で習ったような……電話帳で、近くのお寺の電話番号を調べてかけてみた。「個人的に、座禅とはなにかを知りたくて教えてほしいんです」という申し出に応じてくれるだろうか。不安だ。
≪1≫--------------------------------------------【回顧】仏教の『座禅』というものに興味をもった。外国人も『ZEN』は神秘的に感じるらしい。ただ、座って『瞑想』でもすればいいなら、自分でやってみようかとも思ったが、妄想はできるが瞑想がよくわからない。わからないままやっても、ただの真似でしかないから、専門家に聞きに行こうと考えた。
≪29≫--------------------------------------------【回顧】その後、他の組合に入ったが…気付いたことがひとつ……組合員の人に左翼や右翼の人ほど魅力がない。人間はアイデンティティによっては見え方もちがうのかも……極端な政治ポリシーは別にしても、なにかに属するという存在感は必要なのかもしれない。もちろん、自分にも言えることだけれど……(おわり)
2020.06.19
≪28≫--------------------------------------------【回顧】右翼の支部長は下を向いて「そうか、わかった……しかしもったいないな」としみじみと言う。なにがもったいないの?オレの命?それとも、オレを右翼に入れようとしたのにってこと?どちらにしても……そう左翼も右翼も、極端な政治思想は持たないんでね。ごめんね。じゃ「いってきま~す」
≪27≫--------------------------------------------【回顧】左翼の反発を買い、右翼の仲間入りを拒むオレは『孤立』することになるかもしれない。だけど、言いたいことを言い、自分を守るために徒党を組まないということに、自分で満足していた。この先、不具合なことが起こるかもしれないが、その時になったら考えよう。今考えても『取り越し苦労』だ。