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砂菩に詠む月

砂菩に詠む月

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 くーる31@ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
 殿ヨーク@ こんばんわ 砂さんだー
 王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
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カテゴリ:映画

「月にかわって」のあの男のエピソード2.0
弱めです。期待はしないほうがいいです。

PCでご覧の方。

最後は色を反転してお読みください。(クリックしたままカーソルでなぞってください)

====================================

 

「へっぷしっ」

鼻がずるずるする。
くしゃみが出る。
昔 杏里という歌手が歌っていた。
I can’t stop loneliness.と。

よくみんなで歌ったものだ。
「はーなみーずがー 止ーまーらなぁーいぃ~♪」

その仇を買ったのかもしれない。
まさにI cannot stop a runny nose.
鼻水が止まらない。
俺は鼻の粘膜が弱く、すぐに切れてしまう。
なので普通以上にティッシュが入用だった。

手持ちのティッシュはもう残り少ない。
買いに行く事はできない。
勤務中は外出禁止だ。

心境は、敵に囲まれた部隊の兵士といっていいだろう。

しかし幸いなのは、人前に出る仕事ではないということだ。
少々 手間だがバスルームへ行って顔を洗えばいい。

「7番行ってきます」
そう言って持ち場を離れ、走るようにバスルームに向かう。
この場合のバスルームとは、当然風呂ではない。
だってレディズルームと言っても、女性の部屋とは思わないだろ?
この場合 当然ながら どちらも洗面所=厠をさす。
洋画を見ていればわかることだ。
ジャッキー・チェンも「ラッシュ・アワー」の中でそう呼んでいた。
モニカ・ベルッチも「マトリックス・リローデッド」でレディズルーム」と言っていたではないか。

残念ながらこの4Fフロアに従業員用のその設備はない。
俺はエレベーターで上の6階へ行く。
降りてすぐの左手にドアがある。

「清掃中」

仕方ない。
下の階へ行こう。
再びエレベータを待つ。

待っている間に鼻がむずむずしてくる。
くしゃみが出そうだ。
こういう時は、手で鼻をこすって鼻腔を揺らしてやると止まるのだ。
本当にこれは事実だ。
ちゃんと『U.Sアーミーサヴァイバルマニュアル』にも載っていることだ。
何故かって?

隠密接敵中にくしゃみができると思うか?
それは死を意味する。

俺は鼻をこすった。
OKだ。

そうしているうちにエレベーターのドアが開いた。
数人が乗っていた。
俺は軽く会釈をして乗り込んだ。

この建物は10階以上が劇場になっている。
その関係で舞台挨拶の芸能関係者が時々、この従業員用エレベーターを利用することがある。
今日はどうやらその日だったらしい。

どう見ても一般人ではない。
一人は俺も知っている。
最近、女性誌などで高感度No.1の若手女優だ。
他はマネージャーなどの取り巻きだろう。

また鼻がむずかる。
俺は鼻をこする。
女優たちは全く気に止める様子もない。
俺など存在しないかのようだ。
気になっているのは俺の方だった。

彼女はいま俺が一番憧れているスターだった。
何度か彼女の参加する、ファン交流会などに応募している。
しかし当選は一度もない。

俺は息を殺して立っていた。
こういう場所だ。
じろじろ見るわけにも行かない。
内心はドキドキだ。
乙女のように。
できることなら
「あなたのファンです」
くらい言ってみたい。
握手くらいサービスしてくれないだろうか?
勝手な想像が大きくなるばかりだが、もちろん相変わらず俺は息を潜めていた。

鼻がむずかる。
鼻をこすってみる。
まだ鼻腔がこそばゆい。
もう一度こすってみる。
あまり変わらない。
できれば、憧れの女優のまえでくしゃみなどしたくない。
誰だってそうだろう。

俺は思い切って息を止めた。
このまま数十秒たてば地階に着く。
それまでの我慢だ。
階数表示灯が数を減らしていく。
間もなく到着だ。
良かった。
なんとか持ったな。


ドアが開き一行が一人づつ降りていく。
3人めに彼女が俺の前を過ぎる。
と、そのとき。

へっぷしっ!!


体が震えるような大きなくしゃみだった。
もちろん口を手でかばったけれど。
彼女に向かって俺は一発かましてしまった。

「す、すいません、申し訳ありません」
俺はすぐさま頭を下げた。





誰からも返事がない。



何故だ?









下げた頭をそっと上げる。

「!!」





彼女の顔は血だらけだった。




そして俺の手も、シャツも。

???

それは俺の鼻血だった。


俺は憧れていたあの人に、アイドル女優に。
鼻血を浴びせたんだ。

急速に血流が引いていく。
意識が遠くなっていく。
視界が白くなっていく。


そのなかで、杏里は歌う。

「I can’t stop sneezing. こらーえーきれーずー

はーなみーずがー 止ーまーらなぁーいぃ~♪」




  了



すいません スイマセン すいません!!






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Last updated  2007/02/08 11:44:32 PM
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