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カテゴリ:小説
お題は
ボンバルディア。 飯島愛の代役にドクター中松。 シンクロナイズ剣道。 ボンバルディアて何? ---------- 安藤からのメールが来ている。 コレはいったい何の暗号だ? 呪文の一種か? 俺は朽木三朗。 安藤はひょんなことから知り合った探偵だ。 詳しくは「たがみよしひさ」の ナーバスブレイクダウンを読んでくれ。 今回の依頼は護衛。 偶然か安藤の推理か、俺の仕事を安藤は知っているようだ。 相変わらずキレる男だ。 俺は今カナダ、モントリオールのボンバルディア社の前でその敷地を眺めている。 ほー。 と間抜けな溜め息をついて。 これが宇宙開発まで手を出したスノーモービル屋か。 ここが今日本での知名度を高める為にCMキャンペーンをやるらしい。 安藤のメールはそれ絡みのことだろう。 次はドクター中松はまあいいとして、飯島愛が何故関係するかだ。 日本の芸能人には詳しくない。 安藤に 「飯島愛って、さくらんぼ、とか、豚骨塩ラーメンとか歌う女か? 」 とメールで問うと 「バカ」 と返信が来た。 週刊誌の記事が添付ファイルとしてついていた。 分かって来た。 飯島愛引退か。 つまりはキャンペーンに飯島を起用したのに引退してしまうので社としては困ったと云うことか。 起用のセンス自体が問題だと思うがな。 外国人なんてそんなものだ。 で奴らが知り得る日本人でセレブリティの高かったのが、フロッピーディスクの親。ドクター中松か。 飯島愛の代役にはイメージもキャラクターも違い過ぎる。 奴らは知らんのか? ドクターはもう呆けて、いまだにジャンピングシューズを履いて飛び回っている阿呆だと云うことを。 で俺の仕事は、ドクターの護衛。 やるせない。 最もバカバカしいのは、俺が撮影に参加する羽目になったことだ。 CMの内容を知って、俺は愕然とした。 「宇宙でならこんな事も、可能だぴょん♪」 ジャンピングシューズで空中を飛び回るドクター中松のMCの後ろで、俺は剣道の防具を着け、逆さ吊りにされシンクロナイズスイミングさながらの振り付けで踊らされていた。 「シンクロナイズ剣道だってできちゃうぴょん」 ボンバルディアはこれで何をアピールしたいのだ???? このアイデアはやはりと云うか、当然と云うか。中松のものだった。 こいつはやはり、ただの呆け老人だ。 護衛の価値も無い! 撮影を終えた俺にメールが届いた。 依頼者からだ。 マッドクッキー。 「ドクター松中の護衛はどうなっている?」 と。 松中? 間違えた? 俺、間違えちゃった??? 俺はポケットから葉巻を取り出しふかした。 自らを省みるために…… 俺はマッドクッキー。 一流の傭兵だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ほら、絶対繋がらない話になっちゃうんですって。
りんさんにもさせなきゃですね。 (2007/03/21 02:20:31 PM)
ドクター松中!
すげーの出てきた。 本物でさえニセモノ臭いのにそれのパチモノか? そのうえVIPなのか? ハードボイルド路線なのにお笑いなのがいいね。 (2007/03/21 02:43:46 PM) |