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カテゴリ:自然
もともと野生の昆虫であった「みつばち」だが、
現在では 「家畜」 としての位置付けである。 みつばちと人間とのかかわりは非常に古く、 ヨーロッパがもっとも早かったと考えられている。 知人である「みつばち博士」から聞いた、興味深いみつばちのお話‥‥ 中心部でぬくぬくと体力を温存していた処女女王は 体がムズムズしてきたらしい。 ある晴れた日、処女女王が巣門から勢い良く飛び出した。 するとそれまでのらりくらりと怠惰な生活をしていた雄蜂(おばち)達も いっせいに巣門を飛び立ってゆく。目指すは先に飛んだ女王だ。 女王は飛ぶのが速い。追いつくのは至難のわざだ。 だが、元気な一匹がようやく追いついた。 一番で追いついた一匹だけが女王と交尾する権利を持つ。 これも、強い子孫を残す為の種の保存の法則なのだろう。 女王はこの一回しか交尾しない。交尾にありついた栄光の雄蜂は 精嚢ごと女王に吸い取られあわれ天国へと旅発つのだ。即死である。 ミツバチの世界は一匹の女王と数万匹の働き蜂(メス)と 数千匹の雄蜂(オス)とからなりたっている。 (季節によってかなり変化する)(雄蜂=全体の約15%) 女王はもっぱら産卵のみを行い、他の仕事、例えば育児、巣の掃除、 蜂蜜採取、濃縮、花粉の採取、プロポリス採取等々はすべて働き蜂が行なう。 では、雄蜂は? 雄蜂は春先の女王との交尾以外何もしない。それも、一匹だけだ。 交尾の栄誉にあずかった一匹はタマごと抜かれて、 あわれあの世へ行ってしまう。 では残りの女王蜂争奪合戦に負けてしまった大多数の雄蜂は どうしているのだろうか? 実は何もしないで餌を食べてのうのうと暮らしているのだ。 雄蜂は働き蜂に比べてほんの少し体が大きい。 産毛も沢山生えているが針は持っていない。 だから、敵と戦うこともしないし、ただ餌をもらってのんびりと 暮らしている。でも、秋になって越冬の準備をする頃になると 雄蜂には過酷な運命が待っている。 働かざるもの食うべからず、とばかりに働き蜂達が寄ってたかって 雄蜂を巣の外へ追い出しはじめる。 雄蜂も必死の抵抗を試みるが何せ多勢に無勢、 次々に巣の外へ追い出されてしまう。 外は寒く、餌もない。今までの天国のような生活から一転、 地獄の生活へと突き落とされあわれ、夜霧の露と消えてしまうのだ‥‥ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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