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カテゴリ:生物系のお話
あまり気持ちのいい話ではないかもしれませんが、レポートかいてて、「あれ?今回の実験はどの系統のマウス使ったんだっけ?」という疑問から、書いてみようかなと思いました。
絶対に世間には知られていないと思います。実験用マウスにも血統のようなものがあるんですよ。 碧眼の兎さんならわかると思います。蚕にも細かい系統がありました。白いやつ、黒いやつ、縞々のやつetc・・・ 実験によって使い分けたりもしますね。 むしろ、ネズミになるとこっちのほうが多いですね、遺伝的特性を持たせた系統を使って研究するパターン。 同じ哺乳類なので、意図的に遺伝子をKO(ノックアウト)、働かせないようにして、発生や遺伝子の働きを調べたりします。 ネズミは飼いやすいし、すぐ増えるし(20日)でいいらしいです。 で、そのおとなしいネズミに噛まれてるのが、黒山羊だったりしますが・・・orz さらに、最初の時はマキロン(消毒薬)とバンドードなかったのに、2回目以降は用意されてる始末・・・なぜに?? まぁ、感染しなかったからよかったものの・・・一応実験ようとはいえ、どんなウィルス持ってるかわからないですからねぇ。 このような遺伝的に特性を持ったマウスをどうやって作るか?というと、まぁ、人工的に交配させるわけですな。 別に野性のを探しにいくわけではありません。 というか、こういう遺伝的にダメな個体はすぐに死んでしまうので、まず自然界では発見できないでしょうね。 マウスの飼育から説明すると、結構昔までさかのぼります。 今使ってるマウスはどれが元になってるのかと、系図で追うと100年前の1900年までさかのぼれたり、江戸時代にはすでにペットとして飼うという文化があって、飼い方の本まで出てたりと、歴史は古いです。 そして、おとなしく、飼いやすいマウスが実験用として使われはじめるんですね。 人工的に交配させるといいましたが、手順はいたって簡単。 お金と暇と、特に膨大な時間があればできます(笑 たとえば、乳癌が起こりやすいというような個体があるのですが、 1.こいつはある親同士で組み合わせた結果、子達の乳癌の発生率が普通よりも高かった 2.というわけで、近親交配して、遺伝子を均一化しはじめた。 (近親交配:AとBの親から、Cという子供が生まれたとする。その子供のC同士を掛け合わせ、Dという子供を得て、さらにE・・・というのを繰り返す。こうすると、ある特異的な遺伝形質が濃くなるらしい) 3.何世代かを経て(まぁ、20代くらい)、遺伝子が均一になる。 と、で、乳癌が起こりやすい系統の完成。 大抵は、10代くらいを経ると全滅・・・というか、生まれないパターンが多いらしいです。発生の途中段階で止まることが多いんですね。 でも、中には10代を越えれるものがあって、数学的に近親交配で20代を越えると99.99999・・・%兄弟のゲノムが一致するようになると証明されています。これで、常にこの系統だけで飼い続ければ、乳癌高発系のマウスで実験等ができるとの事。 これを使えば、実はクローンなんて楽に作れると。 だって、自分と同じ遺伝子の個体と交配して子供を生むわけですからね、子も同じ遺伝子を持つわけ。 マウスでこのことができるのだから、同じ哺乳類の人間でもできるんじゃないかと思うけど、そうそううまくはいきませんね。ってか自然にできはしないでしょう。 似たような環境として、王族・・・中世ヨーロッパの王族の血統(結構近親系だったりする)や日本だと天皇が挙げられますけどね。 もし、日本の場合でこれをやってみたいなら、20代前・・・んー、戦国時代あたりだったかなー?そんなことを先生から聞きましたよ。 話が脱線しましたが、 近親交配ってのはタブーです。遺伝子が似通ってしまうため、いい点も多少出るかと思いますが、それよりもむしろ悪い点が多く出ます。だからすぐに死んでしまったりするのですが、中には生き延びられるものもいて、それが遺伝的な特性を示すようになるのです。 こんな感じで得られた遺伝的特性を持ったマウスたちのファミリーを系統として実験に用いてます。 たとえば、C57BL/6は一般的腫瘍低発系ただし、放射線誘発リンパ腫高発、BALB/cは放射線高感受性、CBA、NZB、SJLとか・・・ 最初の頭文字以外はBLなら毛色がブラック、黒。ALBならアルビノ、白と言うような意味なんですが、それ以外はわかりません。 ちょっと、動物愛護派の人にはきついお話かもしれませんでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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