2024/10/10(木)11:40
アーリドラーテ歌劇団シチリアの晩鐘
写真前列左から、米谷 朋子 奥秋 大樹 小林 啓倫 中村 真紀 藤田 卓也 東原 貞彦 渡辺 正親 西山詩苑 二列目左から、高橋雄一郎 山本雄太 松井永太郎 室岡 大輝 香月健 男山俊太郎 ※カーテンコール撮影OK
Photo Album
Photo: ©Shevaibra, courtesy of Ali Dorate Opera Company,Teatro Verdi di Tokyo
アーリドラーテ歌劇団 第10回公演
《シチリアの晩鐘(シチリア島の夕べの祈り)》
ーバレエ音楽≪四季≫完全版を伴う【東日本初演】
(全5幕・字幕付)
~ Teatro Verdi di Tokyo ~
2024年6月23日(日)
DAY2
新国立劇場 中劇場
指揮&総合プロデュース:山島達夫
演出:木澤譲
バレエ「四季」演出構成・コンテ振付:能美健志
バレエ振付:石井竜一
エレナ: 中村 真紀
アッリーゴ: 藤田 卓也
モンフォルテ:小林 啓倫 (Role debut)
プロチダ: 東原 貞彦
ニネッタ: 米谷 朋子
ダニエリ: 渡辺 正親
ベテューヌ: 奥秋 大樹
ヴァドモン: 松井永太郎
テバルド: 山本雄太
ロベルト: 室岡 大輝
マンフレード:西山詩苑
フランス兵:寺澤宏治 村田耕太郎 高橋雄一郎 山本雄太 松井永太郎 室岡 大輝 香月健 男山俊太郎(カーテンコールの並び順)
テアトロ・ヴェルディ・トウキョウ・コーラス&オーケストラ
井上バレエ団、
ダンステアトロ21
副指揮/稽古ピアノ:越前 皓也
照明:照井晨市
ほか
***
イタリア語ヴァージョン
アーリドラーテのシチリアの晩鐘
DAY2
ホントに珍しいオペラをやってくれてもう感謝しかないです!
ヴェルディの全てが堪能できる。
もう最高です!
主役の二人は休憩入れて4時間歌いっぱなしでさぞ大変だったろうと思います。
5幕では全て出し切った上に歌わされてる感じでホントご苦労様。もはや拝みたいほどありがたいです。
ヴェルディはやっぱりハンパないです。
フランス人を虐殺する話をパリ・オペラ座のために書いたヴェルディってほんとすごい。
全編カットなしで上演するなんてもはや執念としか言いようがないです。
脱帽です。
この演目は東日本初演ってことですからすごいです。
それをアマチュア団体がやってしまうところがもうちょっとよくわからないw
すばらしい快挙ですね。
おめでとうございます㊗️
モンフォルテの小林啓倫さんが最高でした。
重厚なカヴァリエバリトンで
ノーブルで艶々のビロードのような声
怒気を含んで歌うシーンも哀切に語る部分も超最高。
有名アリアは表現力も半端なく高音A?ぐらいまで出してました。(→この高音はG#だったそうです。)さすが!
屈指の難役アッリーゴは超スピントの藤田さん
最高のパワーで歌うシーンばっかり書かれている無茶なスコアに敢然と挑みました。本当に感謝しかないです。最高でした。
追記>>>藤田様からコメントいただきましたので僭越ながら掲載させていただきます。
藤田卓也「このプロダクションには初めて参加させていただきましたが、主催者の山島さんのヴェルディ愛と情熱が半端なかったです。それと弁護士という職業にありながらの、公演に向けての仕事の敏速さ的確さ、個人でこの規模でこの作品(これまでもヴェルディ10作品を)をやれてしまえるものなのか!と、本当に驚きました。きっとこのアーリドラーテ歌劇団さんはこれからどんどんすごいことをしてくれるだろうと想像します。」
藤田卓也様、ありがとうございます!
エレナはドラマチック・コロラトゥーラというこれまた最難関の役ですが、スピントの中村さんやり遂げました。高音のコロラトゥーラが続く難役です。見事でした。
プロチダはリリックバスの東原貞彦さん。本当にリリックな美声で豊穣な響き。すばらしいかったです。
追記>>>東原貞彦様からすばらしいコメントをいただきましたので一部お許しを得て掲載させていただきます。
東原貞彦「このシチリアの晩鐘で大変な難役を演じられた中村さん、藤田君の健闘を讃えたいですし、若手の小林君も素晴らしく、皆さんと共演できた事をありがたく、また誇りに思っております。
この5幕のグランドオペラをカット無しで上演できた事は、合唱団、オーケストラ、バレエダンサーの皆さんの素晴らしいパフォーマンスと、これだけの人数をまとめ上げた、指揮者・演出家の力があってこその公演であったと思っております。
この団体で難しいヴェルディ作品と向かい合う事や、大きな役を歌わせて頂ける事で、様々な勉強をし、また成長させてもらっていると痛感しております。」
東原貞彦様ありがとうございました。
バスと言えばベテューヌの奥秋さんがすばらしかったです。ビンビン飛んでくるバス声で、主役の輝きを持つ声でした。
***
Les vêpres siciliennes was first performed at the Paris Opéra on 13 June 1855
1861, reverting to Italian versions of the names from the original French
libretto was prepared by Eugène Scribe and Charles Duveyrier from their work Le duc d'Albe, which was written in 1838
FACH
Guido di Montforte baritone Fach : dramatic baritone
Arrigo, a young Sicilian tenor Fach : spinto
Giovanni da Procida, a Sicilian doctor bass Fach : lyric bass
Elena soprano Fach : dramatic coloratura
Lord of Bethune, a French officer bass
Count Vaudemont, a French officer bass
Ninette, Elena's maid contralto
Danieli, Elena's servant tenor
Tebaldo, a French soldier tenor
Roberto, a French soldier baritone
Manfredo, a Sicilian, adherent of Procida
設定
1282年にイタリアのシチリア島パレルモで起こった住民暴動と虐殺事件に基づく
***
「シチリアの晩鐘」は、実演で接したのは、数年前にミュンヘンのバイエルン歌劇場で上演されたものを鑑賞したきりで、それはフランス語の上演だった。フランス語版のブルーレイをそのために購入したがこれがクリストフ・ロイの読み替え演出で非常におもしろい演出なのだが読み替えなので最初の入りの勉強にはもちろん向かなかったw。
今回聴き易いイタリア語版でノーカットで上演してくれるというのは誠にありがたかったです。何が楽しいってこれまでの数々の名演で予習ができるのもすごく楽しいのです。イタリア語のものはレオ・ヌッチとダニエラ・デッシーの2010年のパルマで上演されたものはすでに見ていた。
何本も見たがその中で特にMUTI指揮のスカラ座の公演はバレエ「四季」が演奏されているもので参考になりました。しかもそのバレエは主要なダンサーがカルラ・フラッチとウェイン・イーグリングというすごいダンサーで、ウェイン・イーグリングはマクミラン振付の「四季」を初演するというすごい金字塔を打ち立てたダンサーなのだった。しかしスカラの振付はもちろんマクミランではなかったし、原設定に基づいているようには見えなかった。
今回アーリドラーテ歌劇団において上演されたバレエ「四季」は原設定に基づいた構成と振付になっているということで大変期待した。中身はコンテンポラリーダンスとクラシックバレエという二つの要素が見事に融合していて違和感がなかった。すばらしかった。しかし個人的にはせっかく30分もあるのだから、主役のダンサー2人を設定してグランパドドゥを繰り広げるという古典的クラシックバレエスタイルも見たい気がした。
MUTI指揮のスカラ座の公演は1989年でザンカナーロ、メリット、ステューダー、フルラネットというスターリー・キャストでとんでもなく最高の歌手陣。クリス・メリットはリリックな美声で、高音もすばらしく、ザンカナーロがノーブルでかっこいい、シェリル・ステューダーは高音も美しくすばらしいDIVA、フルラネットのえぐるようなプロフォンドな声が最高。
他には、シャイー指揮 ロンコーニ演出 ボローニャ歌劇場ルケッティ、スーザン・ダン、ヌッチ
2003年ランザーニ指揮 ピッツィ演出 ブッセート・ヴェルディ劇場:レンツォ・ズリアン、アマリッリ・ニッツァ、ウラジミール・ストヤノフ、オルリン・アナスタソフ。アナスタソフのプロチーダのプロフォンドな低音がすごいです。ニッツァは少々厳しい。
前置きが長すぎますね。しかしオペラという総合芸術を理解するには本公演の何倍も時間をかけた予習が必須なのです。そしてそこが大いなる楽しみでもあるのです。
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歴史>史実
フリードリヒ2世>>>第2代シチリア国王フェデリーコ1世(Federico I)(在位:1197年 - 1250年)イスラーム世界の太守のような生活を送ったことから、同時代人はフリードリヒ2世を「洗礼を受けたスルタン」とも称した
カルロ1世(1227- 1285)アンジュー伯シャルル、シャルル・ダンジュー>>>フランス王ルイ9世の弟。シチリア王(1266 - 1282)、後にナポリ王(1282年 - 1285)。カペー系アンジュー家の祖。ローマ教皇の支持を得てホーエンシュタウフェン家を滅亡させシチリア王国を征服したが、シチリアの晩祷事件を契機にシチリアを失う。
マンフレーディ>>> 1266年、シャルル・ダンジューがイタリアに侵攻し、マンフレーディはベネヴェントの戦いで戦死。シャルルは逃走を図ったヘレナと子供たちを捕らえ、幽閉した。ヘレナは幽閉の身のまま5年後に亡くなり、息子四人は生涯獄中で過ごした
コッラディーノ(1252 - 1268)、コンラディン(コンラーディン・コンラート)>>>ホーエンシュタウフェン朝のシチリア王、エルサレム王(1254 - 1268)。1266年、父方の叔父マンフレーディが敗死するとイタリアに侵攻し、シャルル・ダンジューと戦ったが、1268年8月23日、タリアコッツォの戦いで敗れ、幽閉された。その後ナポリに移され、10月29日、バーデン辺境伯フリードリヒ1世ら7人と共に死刑執行人ドメニコ・プンツォの手によってメルカート広場で斬首され、彼の死によって、ホーエンシュタウフェン朝は完全に滅びた。
シチリアの晩鐘>>>1282年3月30日に、アンジュー家の兵の一団がパレルモでシチリア住民の女性に暴行したことに怒った住民が暴徒化した。忽ちのうちに暴動はシチリア全土に拡大し、4000人ものフランス系の住民が虐殺された。
事件の発生した3月30日は復活祭の翌日で、教会の前には大勢の市民が晩祷を行うため集まっていた。彼らが暴動を開始したとき、晩祷を告げる鐘が鳴ったことから「シチリアの晩鐘」と称されるようになった。
(以上 from Wikipedia)
***
序曲
第1幕
舞台上には大きな白い雲が2つ浮かんでいる
セット(大道具)は一つもなく
雲たちが形を変えてステージを演出する
木澤さんお得意のミニマル演出です。
ダンスのためにも広い空間が必要だからか?
1282年イタリアのシチリア島パレルモの大広場
Gran piazza de Palermo
シャルル・ダンジューが支配するシチリア
しもての酒場で騒ぐフランス兵たちとかみてがわで見つめるシシリア人たち
ロベルトの室岡 大輝さん、よかったです。
ロベルトは粗野な兵隊でシシリアの女を狙っている。
将校の2人、ヴァードモン伯爵とベテューヌ卿は喪服の女性について話している。処刑された前シチリア王フェデリーゴ公爵(フレデリック)の妹、エレナ公女だ。将校の2人は身分が高く、エレナに同情的。2人は去る。
第3場
ロベルトはエレナに景気づけに歌うよう強制する。
二ネッタは反論するが、エレナは承知し、歌い出す。
Sì, canterò
エレナ公女のカヴァティーナ
Deh! Tu calma, oh Dio possente
Range: C4 - C6
In alto mare--
Deh! Tu calma, oh Dio possente
col tuo riso e cielo e mar
これがなんだかRWagnerのオランダ人のゼンタのアリアっぽい雰囲気なのだ。
Mortali! il vostro fato è in vostra man
運命はお前たちの手にあるのだ
次第に曲調が変わり、長調で勇ましくシチリア人の決起を鼓舞する様な内容に変化していく。
coraggio, su coraggio
さあ勇気を出して
Iddio proteggerà!
神様がお守りくださるわ!
ここが高音のコロラトゥーラ
民衆も歌い出す。
全員の合唱
恐怖の支配者、モンフォルテ総督が登場するとシチリア人たちはそそくさと解散しいなくなる
エレナ、二ネッタ、ダニエリ、モンフォルテ4人の重唱
D'ira fremo all'aspetto tremendo
ヴェルディさん難しいものを書いてます
第5場
アッリーゴが登場
囚われていたが公正に釈放されたと語る
アッリーゴ:
E fu sola giustizia
e non perdono
人の気も知らずに、とモンフォルテは思う
この男がモンフォルテであるとアリーゴはまだ知らない。
モンフォルテ:
(お前を釈放した)あの男に感謝しろよ
アッリーゴ:
どこに?
モンフォルテ:
お前の目の前にいる
剣が剝奪されていることを悔しがるアッリーゴ
エレナたち3人に屋敷に戻るよう言うモンフォルテ
エレナたちは奥に歩いていき、かみてから流れだす住居の灯りの方へ入っていく
エレナは先頭
照明だけで屋敷の在処を示している
第6場
アッリーゴ:
父はいない。母は死んだ。10カ月前に。
モンフォルテ:
フェデリーゴ公爵の家に囲われていただろう
アッリーゴ:
あのお方は父のように接してくれた
アッリーゴ:
あの方のためなら死んでもいい
Di giovane audace
castiga l'ardir;
mi sento capace
d'odiarti e morir!
死などなんでもない
モンフォルテはこの自分が見込んだ若者の豪胆さを気に入り、フランス軍に入るように誘う
勇壮ですばらしい二重唱。最高です!
アッリーゴはモンフォルテの誘いを断る。
モンフォルテはますます内心アッリーゴを気に入るが…
モンフォルテ:
それでは行くがいい。しかし
あの家に入るのは禁止だ
アッリーゴ:
なんだと
モンフォルテ:
オレがそうしたいからだ
モンフォルテ:
Non destarmi in sen quell'ire
che cadran su voi, su te!
オレを怒らせるな
この場面のバリトンの最高音について貴重なご教示をいただきました。
モンフォルテ小林啓倫さんによると
1幕アッリーゴとの二重唱最後:A♭(楽譜上にない音)だそうです。すごい!ありがとうございます。
MUTI版だと二重唱最後はクリス・メリットがA♭を出し、ザンカナーロが三度下を歌ってるようです。
モンフォルテ:
オレを怒らせると死が待ってるぞ
最後のアッリーゴの最高音はB(B♭)でしょうか。
アッリーゴはエレナの宮殿に堂々と入っていく。見送るモンフォルテ。
第1幕了
第2幕
第1場
船を漕ぐ人の前に座っているプロチダ
船そのものなどの装置はなく、丸椅子と櫂と立ち位置だけで表現される
すごいミニマル演出~~!この美的センスすごい。木澤さんの部屋にも家具はなさそう…w
浜辺に着く
O tu, Palermo
Procida's aria
Range: F2 - D#/Eb4
Oh patria, o cara patria
Oh tu, Palermo, terra adorata,
a me sì caro riso d'amor!
有名なプロチダのアリア
やわらかな美しいリリック・バスのお声。すばらしいです!
仲間が登場しカバレッタらしきアップテンポの部分へ
プロチダ:
Santo amor che in me favelli
第2場
プロチダはエレナとアッリーゴと再会する。
プロチダはアラゴンのペドロに助けを求めに行っていたらしい。しかし回答はまずはシチリア人が立ち上がること、それなら援助しようということであった。この後、プロチダはシャルル・タンジューの軍に対し民衆が叛乱を起こすよう扇動する行動をおこす。
第3場
プロチダが去り、アッリーゴとエレナ二人。
アッリーゴは愛を告白するが、エレナはその愛に応えるには兄の復讐を果たしてくれることが必要だという。
第4場
ベティーヌ卿がアッリーゴを召喚しにやってくる。
断られたので無理やり連行する。
ベティーヌ卿の奥秋さん、最高です!
第5場
エレナとプロチダ
第6場
人々がやってくる
ダンサーの踊り
花嫁たちと婚約者の踊り
プロチダは占領軍の兵士を唆し、花嫁たちを略奪するよう示唆する
花嫁たちは略奪される
二ネッタは誘拐されるが、エレナは守られる
第7場
意気消沈しながらも静かな怒りを募らせて歌うシチリア人たち
第8場
原設定では舟遊びするフランスの高級将校たちと女性たちなのだが
舞台上に船も彼らも現れず、そでからコーラスだった。
ここのメロディはグノー『ファウスト」の中での集団のダンスの音楽にすごく似ている。
1回目の休憩
第3幕
いよいよモンフォルテのアリアです!
モンフォルテは執務室の椅子に座っている
自分がかどわかした女が復讐のために息子に父親の名を教えず父を憎むように教えた。
それがアッリーゴだった。女のいまわの際に書かれた手紙で真実をようやく知るモンフォルテ。
ベテューヌにアッリーゴを丁重に扱い連れて来るように言う。
モンフォルテのアリア
In braccio alle dovizie
Range: C#/Db3 - F#/Gb4
In braccio alle dovizie,
nel seno degli onor
un vuoto immenso,
orribile regnava nel mio cor!
D'un avvenir beato
splendel il sorriso a me,
se viver mi fia dato, figlio,
viver vicino a te!
めっちゃすばらしい~
ここで驚きの展開!最後に小林啓倫さんは楽譜にない高音に上げたのだ。
この高音はG#だったそうです。ご教示ありがとうございます。
第4場
アッリーゴが入ってくる。
アッリーゴは母の筆跡の手紙を示され読む。
目の前にいる人が父親だと知り、しかも彼が憎むべきモンフォルテその人だと知りショックを受ける。
エレナの仇だ。エレナの愛を失ったと歌うアッリーゴ。
モンフォルテの楽譜にない高音→二重唱最後の F
ご教示ありがとうございます!
第5場
バレエ「四季」
ダイナミックに美しく四季の精霊たちが踊りまくる
バレエシューズ、もしくは裸足のコンテンポラリーダンサーと
トウシューズで踊るバレエダンサー
基調の色は白で 雲の色と同じだ。
緑や赤のアクセントの入った美しいドレス
バレエは冬から始まり、秋で終わる。寒さに震える表現や暑さを感じる表現、水浴びをしたくなる表現など、原台本のト書きを忠実に再現しているようだが具象的なものはほぼ出てこないのですべて踊りと照明で表現している。
第6場
合唱
アッリーゴはきょうの舞踏会で父親が暗殺されると聞いて動揺する。
アッリーゴは父親に全てを話してしまう。
エレナがナイフを持って突撃し、モンフォルテを刺そうとするが取り押さえられる。
プロチダはアッリーゴを裏切り者となじる。
合唱
Ah, patria adorata,
mio primo sospiro
2回目の休憩
第4幕
エレナが捕らえられている獄中に面会しにアッリーゴはやってくる
アッリーゴのアリア
Giorno di pianto
Range: E3 - B4(H シ)
Voi per me qui gemete
in orrida prigion
Giorno di pianto, di fier dolore!
Mentre l'amore sorrise a me
il cor piagato tutto perdè!
è cruda,
è ria pena al mio cor!
Grazia, deh, grazia, perdono
è men crudel
del tuo sprezzo!
ここで最高音H(シ)
第2場
エレナが連れられてくる。
エレナ:
許してですって!?とんでもないわ。裏切り者
もう少しだったのに…
アッリーゴはモンフォルテが父親であることを明かす。
父なんだ。
二重唱
アッリーゴ:
あなたと共に生きるか死ぬかしかありません
エレナのアリア
Arrigo! Ah, parli a un core
もう心はあなたを許しています
あなたを愛しています。
でも私たちの関係には流血しかありません
私は死にます
あなたを思って。
さようなら
高音のコロラトゥーラ、見せ場の絶唱。
二重唱
Pensando a me
アッリーゴ:
Pensando a me
È dolce raggio
二人:
se a te vicino
potrò, ah! Potrò morir!
第3場
プロチダが手紙を持って来る。
アラゴンの船が軍資金と武器を積んで向かっている…
プロチダはアッリーゴを見て驚く。
第4場
モンフォルテが2人を処刑しにやってくる。
モンフォルテは民衆の暴動を鎮圧しにかかっている
その前に処刑をする腹づもりだ
アッリーゴ:
どうかお慈悲を
モンフォルテはプロチダに愚弄される息子を見て言う
アッリーゴ、お前には私の血が流れているのだ。
驚愕するプロチダ
プロチダは観念する
三重唱
エレナ:
Addio, mia patria amata
重唱
そでから神に祈る声の合唱が聴こえてくる
死刑執行人が斧を持って出てくる
死を覚悟する2人
モンフォルテはアッリーゴに自分を父と呼べば、処刑をやめると言う
エレナ:
絶対ダメよ!
アッリーゴは最後の瞬間に言う
Oh padre!, Oh padre!
モンフォルテは処刑をやめるように言う
そしてエレナとアッリーゴを結婚させると言う
一転フランス人たちは喜びの合唱(シチリア人は復讐を考えている)
モンフォルテ:
今日晩鐘が鳴るときに
プロチダはこの結婚を利用して蜂起する計画を考えている
第5幕
第1場
モンフォルテの宮殿の庭
騎士たちの合唱
娘たちの合唱
ダンス
白い花のヴェールをかぶったエレナが現れる。エレナは娘たちから白い花を受け取る。
エレナのアリア(ボレロ)Sicilienne
Mercè, dilette amiche
Range: A3 - C#/Db6
有名なアリア
アッリーゴが現れる。
アリア
La brezza aleggia intorno a carezzarmi
Range:E3 - D5
通常の上演ではここのアリアなどのシーンはカットされることもある。しかしこれは完全版だからもちろん歌われる。アッリーゴとエレナの歌う分量が半端ないのである。
しかもこのアリアにはカデンツァでなんとHigh Dが書かれているのだ。え~!まじですか?自分の耳が信じられなかった。藤田さんは美しいファルセットでHigh Dを出しました。
第3場
プロチダが現れ、エレナに恐ろしい事実を告げる。結婚の誓いをエレナが述べて結婚を祝う鐘が鳴った途端に蜂起がおこり虐殺が開始されるというのだ。プロチダの復讐心が強すぎて本当に恐ろしい。エルナーニのシルヴァのようです。
プロチダ:祖国の大地に全てを捧げなさい。フランス人の男の方が大事なのか?
プロチダ低音あり。
アッリーゴが戻ってくる。
アッリーゴ喜びで高音あり(まさにテノールいじめのスコアの様相…((((;゚Д゚))))
エレナは茫然自失し青ざめてうわ言のようにプロチダの言葉を繰り返している。
アッリーゴは問いただす。
プロチダ:話すがいい。
アッリーゴ:あなたの苦しみをどうか打ち明けてください。
三重唱。
エレナ:ごめんなさい。私はあなたのものにはなれません。
アッリーゴ:なんだって⁉
エレナは結婚を拒否し、アッリーゴは怒りで歌う。
アッリーゴ:
Dunque addio, beltà fatale.
Per te moro di dolor!
エレナ、すごい高音
最終場
モンフォルテが来る
アッリーゴは父に子細を話す
モンフォルテは優しく言う
Tu l'ami! Ei ti adora;
ed io, che nomaste tiran,
io vo' per voi
esserlo ancora!
A me le destre, oh figli!
V'unisco, oh nobil coppia!
モンフォルテが二人の手を結び合わせると鐘が鳴りだし、背後の幕が落ち、武器を手にした民衆が現れる。
飛び込んできた男たちにモンフォルテとアッリーゴは刺されて倒れる
民衆:
Vendetta! Vendetta!
全幕了。
ほんとにすごい公演だった!どっぷり浸った!見てるだけでも超疲れた!
今年はアマチュア団体のクリーンヒットが続いていますね!
すばらしい!
お疲れ様でした。
※追記あり。