小中学生も「コピペ」時代 罪悪感なく…盗作チェックいたちごっこ
小中学生も「コピペ」時代 罪悪感なく…盗作チェックいたちごっこ 2010.11.29 14:22産経ニュース インターネット上には自由に使える読書感想文のサイトが登場。保護者の知らないところでネット空間は広がっていく 文学や詩のコンクールなどで盗作が相次ぐ中、インターネット上の文章をそのまま写し取る「コピペ」(コピー&ペースト)が小中学生の間で広がっている。パソコンや携帯電話をパーソナルメディアとして使いこなすティーンエージャーにとって、コピペの罪悪感はうかがえない。読書感想文の“模範例”を紹介するサイトも登場しており、盗作チェックはいたちごっこの様相だ。(日出間和貴)気ままに文章操る 10月、前橋市が主催する詩のコンクール「詩(うた)のまち前橋若い芽のポエム」で、金賞作品が盗作であることが発覚した。盗作していたのは秋田市内の中学3年の女子生徒(15)で、ネットの投稿サイトからの盗用だった。コンクールの存続にもかかわる事態となったが、ネットを含めた膨大な作品群から盗作を見抜くのは至難の業という現実もある。 文学賞やコンクールをめぐる盗作はプロアマを問わず、枚挙にいとまがない。最近はネットからの転用が増加し、低年齢化も特徴の一つだ。小学生のときから携帯電話やネットが身体化し、他人の文章を自由にコピペできる環境にあることも影響しているようだ。 子供を対象にした創作コンクールの選考委員を務める児童文学作家、光丘真理さんは選考には細心の注意を払っているという。 「このくだりはどこかで見た気がするとか、表現が大人びているとか、疑い始めるときりがない。今の子供たちは文章を自由気ままに操り、ネットにあふれる情報を引きながらリポートにまとめるのもお手のもの自分らしく書く ネット上にある「自由に使える読書感想文」というサイトは作品ごとに事例集を紹介している。学校提出用に限り、著作権フリーなどのルールを明記。サイトを運営するライターの恩田ひさとしさんは「音楽でもスポーツでも最初はまねて、反復しながら上達する。すべての児童生徒にオリジナリティーを求めるのは無理」と話す。 著作権法では本人やごく限られた範囲での「私的使用」であれば、著作権者の許諾なしに使用できる。 ケータイ小説が浸透し、活字文化が変容していく昨今。光丘さんは「どんな良い文章を書いても借り物が肌身にしみるということはない。つたなくてもよいから自分らしく書くことが大事」と話している。関連ニュース「ネットからアイデア」文芸賞取り消し波紋 盗作・依拠、見極め困難 中3少女が詩を盗作、「詩と思想」新人賞取り消し ほぼ丸写し 「盗作」の中3少女、福岡と前橋の詩コンクールでも賞取り消し 【すくむ社会第1部】子供にも広がるコピペ症候群~『考える』の空洞化(2) 【古典個展】立命館大教授・加地伸行 民主党は「コピペ政権」 【キブンの時代】第1部 考えはどこに(7)他人の意見「コピペ」 ネットで作られる群衆心理 コピぺ論文見破るシステムの開発 に成功 阪南大