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2015年06月28日
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カテゴリ:読書日記

【楽天ブックスならいつでも送料無料】太宰治の辞書 [ 北村薫 ]

出ていたのを知らなかった。
図書館で見つけて、手に取って、表紙を見て、あっ、と思った。
「私」だ。

出版社を確かめると新潮で、ちょっと迷う。創元推理じゃないの?でも「私」だ。カバーの折り返しや巻末の宣伝を確かめる。続編とは書いていない。だけど。

表紙を開く。
タイトルの裏に「本にー」とある。ふるえるような確信がくる。小説の冒頭に目を通す。
(ああ、「私」の語り口だ。)
判った。わかる。
北村薫の文体だけれど、「私」の語り口。知っている。会ったことはないが、よく知っている人がそこにいた。

いてもたってもいられなかった。即貸し出しした。家に帰るのも待てなくて、公園のベンチで読もうかと思い、いや待て丁度いい日影がないと気付き、これはレアチーズケーキを用意して「美味しい」に「嬉しい」を重ねねばならぬのではないかと思い付き、図書館の本を汚してはならぬと我にかえる。
それはもう、私が「私」と同い年であった頃の(いや本作では再び同い年くらいになってるみたいだけど)、私が「私」と同じくらい本の虫であった頃の(いや私の読書量は「私」の半分の月15冊程度ではあったけれど)、強烈な読書欲に久しぶりに呑まれました。

楽しい!!!

ああ、なんという非日常。
一話目をゆっくりとゆっくりと、大切に読みました。
「私」の仕事。
「私」の家族。
「私」の暮らし。
ああ、そうだったんだ、そうなったんだね、頷きながら。
そして大好きな芥川の、花火についての考察。


いつか、書かれるだろうな、と思ってた。

私は、花火は、高校生のときに教科書で読んだんだよ。
花火の結びの解釈は、私は「私」とも少し違うよ。純粋な一瞬、というのは同じだけれど、仔猫のような令嬢はついに無邪気なまま、生(ブイ)を生きた、その無邪気に昔日の面影を見せているように思えるんだ。あまりに感傷的な鑑賞であるかもしれないけれど。
そして紫の火花は・・・

そんなことを考えることも久々で、だけど溢れるように昔に戻る。ああ、芥川の話だけで1時間語れたこともあったっけ、語れる友も在ったっけ。
こないだメールしたきりだけれど。

この本に会えたのだから、会いたいな、話したいな、また、話したいな。
あなたと。
あなた達と。






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最終更新日  2015年06月28日 16時59分37秒
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