大山
大山は、鳥取県の大山町・伯耆町・江府町・琴浦町・米子市・倉吉市・北栄町・岡山県真庭市にまたがる日本有数規模の成層複成火山で、伯耆大山(ほうきだいせん)とも呼ばれる。また、西の方角(特に鳥取県米子市方面)からみた山容が富士山に似ていることから伯耆富士(ほうきふじ)や出雲富士(いずもふじ)の名も持つ一方、北・南壁を見ると日本一の規模の溶岩ドームによって形成された荒々しいアルペン的景観によりまるで違う山に見える。ちなみに大山町から見る「大山」は通称「北壁」と呼ばれ、尾根づたいの弥山(みせん)~三鈷峰(さんこほう)北縁の馬蹄型大断崖で、比高400m、長さ2kmにわたる屏風型の岩肌が特長である。 大山の主峰は剣ヶ峰(けんがみね、1,729m)、中国地方の最高峰であり、中国山地から離れた独立峰である。なお、大山とは一般的に主峰の剣ヶ峰~三鈷峰と外輪山の烏ヶ山・野田ヶ山・矢筈ヶ山・甲ヶ山・勝田ヶ山・船上山を総称しての名称でもあるが岡山県側にある擬宝珠山・蒜山・皆ヶ山なども含めて表すことも多い。古来より「日本四名山」に数えられ、日本百名山や日本百景に選定されている他、一帯は大山隠岐国立公園にも指定されている。 大山は180万年前から50万年前にかけて噴火形成された巨大な成層火山である古期大山のカルデラ上に、 5万年~1万年前にかけて成長した巨大な溶岩ドームである新期大山から成る。新期大山は過去数回にわたり破滅的な大噴火を起こしている。中でも5万年前に起きた噴火は大規模なプリニー式噴火で、大量の火山灰や軽石、火砕流を噴出した。最後の噴火は約1万年前で、有史以後の噴火記録は残されていないが、火山の一生は非常に長く、特に大山の長い活動史から考えると 1万年程度の休止で完全に活動停止したと考えるのは妥当ではない。 また大山は「大神岳(おおかみのたけ)」と呼ばれ、古くは山岳信仰で隆盛を誇った霊山です。大山寺周辺は「大神岳」と呼ばれた風格を漂わす神社や寺社、仏像が多数点在している。大山へ通じる道は、大山へ向かう方向により「坊領道(ぼうりょうみち)」「尾高(おだかみち)」「溝口道(みぞぐちみち)」「横手道(よこてみち)」「川床道(かわとこみち)」があり、これらの道を、総称して「大山道(だいせんみち)」と呼んでいます。