過去からの贈り物
先日、元カレに会ってきました。その彼とは、こちらのブログで書いていた上海に住む同い年の人。元カレと言っても、もう16年前のこと。一年に一度クリスマスのシーズンにメールのやり取りをしていましたが、今月初めて東京に来るというので「16年ぶりの再会をしようじゃないか」と久しぶりにメールが来たのです。ポン太に言ったら最初は「え!オレもついて行く!!」とか言ってましたが、最終的に「ブログに面白く報告するんだったらいいよ」と言われたので、「んじゃ、行ってくるわ♪」ということに。しかし月日が16年もたっちゃったし、お互いに家庭も出来たことだし、仕事もいろいろ変わったし、人間的にずいぶん成長したんじゃないかなー…と思っていたのですが…。会った瞬間、共に出た言葉は、「全然変わってないね!!」ばかり。それからはこれまでの16年間についてお互いのことを喋る、喋る、喋りまくり。英語で会話をしているのですが、なぜか彼と話すともう日本語のようにベラベラ言葉が出てきて何か言ったあと詰まってもすぐわかってくれるのが当時は本当にありがたいな、と思っていましたね。少し太っていたけれど、相変わらず彼はかっこよくて面白くてやさしくてマメで、笑顔が憎めない16年前の姿そのまんまなのでした。家庭を持って落ち着いているのかと思えば「女性から誘われたら、オトコはNOって言えないものだよ、you agree???」とか「女は若いに限る!20代前半の彼女が欲しいね!you agree, too??」とか「家庭も大事だけど、自分の人生を楽しむことも大事だ。あまり深く考えないことが、人生にとっては一番重要なんだ、そうだろ?だろ??you agree? you agree??」なんてことばかり言われていて、あぁ…、相変わらずだわ…、まったく本当に、過去の私はことごとくこういうプレイボーイに心を奪われていたんだよなぁ…、と後半はうなだれていました(^_^;)。そんな彼からポン子に「これ、おみやげ」と、キッズ用のモンクレールのダウンをくれたので、「え!?うへー、ありがとう。で、私には??」「ケイコには、ふっふっふ…、何だと思う?」と笑いながら手のひらの中に何かを隠して差し出すので「なに??またコックローチのおもちゃとか???」と言っていたらこれが出てきました。なんと、16年前に貸しっぱなしだった爪切りです・・・。確かに、私のものです。そうだ、確か、シドニー出発の日に成田で買ったような…。そういえば、いつか貸したような遠い記憶が…。彼は、「15年間使っていたよ。今でもよく切れる。優秀なつめきりだ。一年間の賃料を1ドルとして、16ドルを君に払うよ、なんちって、がははは!!」と笑っていました。16年間も持っていたとは、なんて律儀な…。何度も引っ越しをしたって言ってたのに。そしてさすがプレイボーイ!というか、おさえるところおさえている…。これが出てきたとき、ちょっぴり感動してうるっと来ました。「あと16年間君が持っていて。56歳になったらまた会おう!!そのときはお互い、よぼよぼの老人だね!がははは!!」と笑っていました。帰りがけ、駅の途中まで一緒に歩いていたら、彼が静かに鼻歌を歌い始めました。低くてやさしいメロディ。そういえば彼は気分がいい時に決まって鼻歌を口ずさんでいたよな…。そして、その歌声を隣で聞くことが本当に好きだったんだよな…。と、ちょっぴり切なさも味わいながら16年ぶりの再会は終了。シドニーで出会った二人が、上海と東京に住んでいながら再会するなんて。人生長く生きてくると、時々こういう贈り物の瞬間がやってきますね。