カテゴリ:物書き
JRの先頭車両に乗り、運転席の真後ろに陣取った。
子どものようだが、ここ私の好きな場所だ。 少し雨が残っているところがいい。 夏色の景色に味わいを加えていた。 一駅ほど行くと人ごみの隙間を縫うように、 小さな男の子が私の隣へ来た。 同じように運転席の真後ろにかじりついた。 だが、小さいので窓には届いていない。 思わず抱っこして見せてあげたいと思ったが、 振り向いたら若い母親が心配そうに私を見つめていた。 だがら、手が止まった。 どこうとしたが人ごみで動けなかった。 どうしたもんか? そんな大人の思いを他所にその子は満足げだった。 3駅ほど行くと後ろの母親が「降りるよ」と その子に声を掛けた。 するとその子は私の手を握り、 そのあとでバイバイをしてくれた。 温かだった。 名前も教えてくれた。 またね、と言って降りて行った。 幼稚園くらいだろうか、 笑った顔が可愛らしかった。 息子たちが大きくなったので、 あんなに小さな手は久しぶりの感触だった。 おじさん、嬉しかったよ。 楽しかったよ。 ありがとう、またね! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011年08月20日 08時33分27秒
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