北鎌倉円覚寺
今年春の家族合宿は鎌倉に行った。実は北鎌倉に我々の墓を建てたのは2005年で、予定としてはもう墓石の下にいても不思議でない時となったが幸いにもまだ無事毎日を過ごしている。孫たちも大きくなったのでまだ案内していないわが墓所を案内しておくのともうそろそろ教科書で習った歴史探訪をしても良いのではと考えてのことである。北鎌倉駅前の円覚寺の門前はもモミジの新緑で覆われている。我が墓石の横には今筍の季節で大小色々なサイズの若竹が育っている。我が菩提寺のこの寺は臨済宗であるが、この宗派で禅画としてよく描かれるものに一筆書きの「円相図」があり、悟り、仏性、全宇宙の真理などを表すとされている。この寺内墓地に黒石に円相を描いた見事な墓石がある。これはイサム・ノグチが描いたものである。私は自分の墓を球形の石にした。球形はどの方向から見ても「円」に包まれているからだ。球体の墓石に刻んだのは「和」の字、これは家族の和、社会の和、世界の和、宇宙の和を願う思いを込めたつもりである。揮毫は以前から知り合いの親子2代の禅僧に重ね書きしてもらったものを用いた。私がここに墓を建てた2005年で、この寺内墓地に「和」を刻むものはなかったが今回周りを見ると次の2例が見つかった。賛同を得たのかと勝手に思い込んでいる。この日(5月4日)円覚寺境内は観光客でごってがえしていたが、中心から離れている我等が塔頭には時々歌う鶯以外には静まり返っていた。主道から少し離れて建つ「居士林」は学生たちが座禅を中心にして修業する場所、主として土日曜一般に開かれている。方丈庵の裏庭仏日庵の甍と山内の林仏日庵にある円覚寺を開基した北条時宗の開基廟墓石を堂で包むもので国家への特別な功労者にのみ許されたという。今まで拝観したことはなかったが今回は孫たちも一緒だったので拝観料を払って拝観し緋毛氈で抹茶をただいた。仏日庵の入場発券所にあった雪の下の盆栽。