国営昭和記念公園(2)
残念ながら銀杏並木の紅葉は時機を逸していたので園内トレインに乗ってもう一つの目的スポットである日本庭園に向かった。子供であふれているかと思ったがジジババを伴った幼児が数人乗っているだけであとは後期高齢者であった。幸い日本庭園の紅葉は今が盛りであった。お休みどころの庇を通して見るピクチャーウインドでは池をめぐる景色で実にトランキライジングな光景でである。ここの庭園にくると、柄になくかならず立寄るのが盆栽コーナーだ。今まで何度も訪れているのに気が付かなかったが入り口近くに下の彫刻が掲げてあった。太い孟宗竹の根の部分を利用した翁の面である。竹の繊維で植毛していると思われるがひげ根をうまく利用している。ここで覚えた言葉に「舎利」と「神、ジン」がある。盆栽に多用される真柏は超老木になると自然に皮がはがれて白い幹が露出するようであるが、盆栽ではほとんどナイフで木皮をはがし人工的に作るそうだ。こうしてできた主幹上の白い部分を「舎利」、枝に出来た部分を「神」と称するらしい。考えてみれば盆栽と言うのは残酷な芸術だ、真っすぐにすくすくと伸びようとする植物を枝をを無理やりひん曲げてしまうのだ。どうも教育論には反する日本の伝統かもしれない。しかし見ていて気持ちが落ち着くんはなぜだろか、複雑な心境である。陳列の中に芸術的価値はどうかと思われるが「仏手柑(ブッシュカン))と言う柑橘類の実が成っているのがあった。初めて見るものなのでWikiで調べていると、英語でもBuddha's handというらしい。果実の形が両手で合掌しているように見えるところからこの名があり、食用には適さないか観賞用として鹿児島県で栽培されているとのこと。上の写真ではよく分からないが向こう側の実がばらけているのに対して手前の実はとじている。Wiki下から借りた下の写真にも見れれるように”open hand", "closed hand"と二つの結実様式があるらしい。いずれにしても珍しい柑橘類を初めて目にした。 休憩舎の周りの手水鉢にモミジ葉が落ち沈み、水滴の波紋で金魚が泳いでいるように見えた。子供が跳ねているので池の飛び石に目をやると、波立つ湖面がゆらゆらとアニメーションを映すスクリーンのように見えた。ともあれ好日と好景に満たされて寒くなる前に早々に公園を後にした。