2007/12/27(木)11:38
「小説十八史略 (ニ)」 陳舜臣 ~10~
今回は、第10章です。
呂氏一族の専横にコリた朝廷は、今度は外戚が無力である者の中から皇帝を選ぶことにし、
劉邦の四男で、代王であった劉恒を立てます。
この劉恒が文帝であり、極めて温厚な政治路線で国を治めます。
その子景帝(劉啓)も、呉楚七国の乱(増えすぎた王の数を減らす政策を取ったため反乱が起きた)が
あったものの、父・文帝と同じく「無理をしない」政治で、
漢帝国は、地味ながらも平和な時代を過ごします。
そして次に登場するのが、漢の一番華やかな時代を築くことになる、武帝(劉徹)
しかし、この武帝が皇帝になる時も、女同士でひと悶着がありました
はじめ景帝は、栗姫の子・長男の劉栄を皇太子に立てていたのですが、
ある時、景帝の姉・館陶公主が栗姫に侮辱され、腹を立てた館陶公主は劉栄の皇太子廃位を決意。
王夫人の子・劉徹を皇太子に、そして自分の娘を皇太子妃にするため、景帝にはたらきかけます。
その作戦が見事成功し、ついに劉栄は皇太子を廃され、栗姫は憤死
まだ7歳だった劉徹が皇太子となります。
まったく女の争いというのは恐ろしいモンよのぅ。。
そして紀元前141年に16歳で皇帝となった武帝は、その明るく積極的な性格から、
漢の威厳を示すため、匈奴の討伐を決意。
その匈奴討伐で大活躍することになるのが、奴隷からのち大将軍となった衛青です
衛青は、武帝が寵愛した衛子夫の弟ですが、
幼少の頃、匈奴の地の近くで牧童をしていた経験から、匈奴に対する知識が豊富で、
その知識を武帝に買われて正式に軍人となった人です。
その頃まだ20代の若さだった武帝は、建国以来の古い軍体系を改革するためにも、
新しい風であった衛青が必要だったのですね。
衛青の活躍は、次巻にて。
小説十八史略(2)
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