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開幕戦を控えて

これほどＪリーグの開幕戦が楽しみなのは、Ｊリーグ発足以来である。とにかく、楽しみで仕方がない。応援するヴァンフォーレ甲府がＪ１を舞台にどのような活躍をするのか。すべての局面が１対１の勝負なら、日本代表を何人も要するチームに勝つことは出来ないであろう。しかし、11対11である。12人、13人分の力を出すこともあれば、10人分の力も出せないこともある。2005シーズンの甲府は、これがはっきりしていた。５－０で敗北する試合もあれば、６－２（ダブルハットのおまけつき）なんて試合もある。面白い。何点でもとれそうであれば、容赦はしない。先制の一点を守りきろうとして勝つ。そんな試合は出来ないチームなのかもしれない。また、それは大木監督の方針《エンターテインメント》にもそぐわない。３月５日。小瀬で観戦する予定である。Ｊ１初戦。初ゴール、初勝利がみたい。

日本代表

３月５日、ボスニア・ヘルツェゴビア（以下ボスニア）との親善試合、後半ロスタイム、中田英寿のゴールでなんとか引き分けた。前半は、ほぼ互角の展開。スピードのあるパスまわしと素早い展開のボスニアに対し、最終ライン、中盤の守備の連携から、中田や中村、オーバーラップによるサイド攻撃を中心に前線に迫る日本。しかし、サイドからの浮かせたクロスは、ボスニアの高い守備に阻まれる。それでも、中田の裏を狙ったロングパス、小笠原のやはり裏を狙ったパス、中村の精度の高いピンポイントのパスからいくつかのチャンスをつくることができていた。前半終了間際の高原の得点は、この中村のコーナーキックから生まれた。後半、ボスニアの攻撃が一変。前半は日本のミスをついた展開が多かったが、積極的に中盤からプレス、そして攻撃を仕掛けてくる。相手のプレスを受け、前にボールをまわせない日本。悪癖の、マイナス、真横へのパスが目立つ。一方のボスニアは、サイドから、中央から、隙をついてのドリブル、素早いパスまわしで日本を翻弄。完全に翻弄された日本はミスが相次ぎ連続失点。その後もボスニアペースでゲームは進み、２－１のまま、あるいはさらなる失点を予感させながらロスタイムへ。ここで、日本を救ったのはやはり中田と中村のふたり。中村の足から飛び出した、DFの頭を綺麗に超え、ゴール前へのピンポイントパス。中田のループ気味のダイビングヘッドがボスニアゴールネットを揺らした。思った。いずれ、ヴァンフォーレの選手がブルーのユニフォームを着て（ヴァンフォーレもブルーなんだけどね）、ゲームを決めるような活躍をする。きっと、震えがくるほど気持ちよいだろうと。山梨出身の中田のゴールも、じゅうぶんに気持ちよかったのであるが…

オフ

今オフ、私にとっての一番ショッキングな出来事は、小倉の引退であった。かつては日本代表までつとめた選手の突然の、そして静かな引退。チームは、開幕戦である3/5の清水戦前に引退セレモニーを行うということだが、元日本代表の引退としては、あまりにも寂しいものではないかと思うのは私だけではないと思う。小倉は、かつて日本代表に選ばれながら、怪我以降、再び代表の座に返り咲くことはなかったように記憶している。昨年は、浦和の田中達也が、柏選手の後ろからの危険なタックルにより骨折。今後の復活を待つにしても、田中達也は多くのチャンスを失い、チーム、そして日本は一時的にしろ大きな才能を失った。今シーズン、危険なプレーによる選手が怪我をすることがないよう、切に願っている。

VS 清水エスパルス

2006年、Ｊ１での初戦、清水エスパルスとの対戦が決まった。現甲府の大木監督が、かつてヘッドコーチをつとめ、監督を〈解任〉されたインネンのチームである。また、エスパルス監督の長谷川健太氏は、大木氏の出身高校、清水東高校の後輩にあたる。さらに、清水エスパルスからヴァンフォーレには、かつてよりレンタル移籍により数多くの選手が…いろんな意味で、楽しみな対決である。解任された大木監督、解任した清水。どちらにも意地があるだろう。今、ゲームをすれば、Ｊ２最終節に首位京都を破って以来、柏レイソルへの大勝と、勢いに乗っているヴァンフォーレが有利かもしれない。しかし、対戦は３月である。ヴァンフォーレは、相変わらずの資金難で、主力のバレーの移籍の可能性など、さまざまな不安がある。また、エスパルスも、15位に沈んだチームを、このまま放っておくことはしないであろう。ヴァンフォーレサポとしては、両チームのプレシーズンから眼が離せない。

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