パクス・ジャポニカ Vol.2

2022/03/07(月)14:10

両国花火(東京・墨田区)~名所江戸百景

名所江戸百景(73)

毎年7月の最終土曜日に行われる隅田川花火大会、その歴史を辿ってみると、1733(享保18)年に両国の川開きで行われた花火に始まります。 途中何度か中断はあったものの、おそらく日本で最も古い花火大会ではないでしょうか。 (「隅田川花火大会」と呼ばれるようになったのは1978(昭和53)年からで、中断される1961(昭和36)年までは、「両国川開き」と呼ばれていました) 両国川開きが始まった当初、打ち上げは「鍵屋」が行っていたそうです。 その後鍵屋から分家した「玉屋」も加わって、「玉屋」と「鍵屋」が打ち上げの腕を競っていました。 歌川広重「名所江戸百景 両国花火」 玉屋と鍵屋は別々の場所から打ち上げ、江戸っ子たちは良い方の名前を掛け声にしていました。 総じて玉屋の方に軍配が上がったようで、「玉やだと又またぬかすわと鍵や云ひ」と川柳にも詠まれたほどです。 両国の回向院の隣には花火資料館があり、そんな隅田川花火大会の歴史をうかがうことができます。 花火資料館(夏場以外は閉館していることが多いのでご注意) 大正時代と現代の打ち上げ筒 3号玉から2尺玉までの花火の原寸大模型 ところで真夏の夜空を彩る花火の色は、「炎色反応」によって描き出されます。 高校の化学で「リアカー無きK村、馬力借りようと、努力するもくれない」と覚えていたのが、まさに花火を作りだす色でした。 それでも一発に賭ける芸術は、科学だけで導き出せるものでもないように思います。

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