堀切菖蒲園(東京・葛飾区)~名所江戸百景
毎年6月になると堀切菖蒲園の「菖蒲まつり」が開催されるのですが、前回訪れた時は少し早すぎたので、再度訪問しました。すっかり見ごろになっていました。一口に花菖蒲と言っても、種類も様々あるようです。堀切菖蒲園には200種類・6,000株の花菖蒲が植えられており、それぞれに産地と名前が付けられています。堀切菖蒲園のある綾瀬川沿いには低湿地が広がり、特に花菖蒲の栽培に適しているとされて来ました。堀切菖蒲園の発祥には諸説あり、室町時代に地頭の久保寺胤夫が家臣に命じて奥州郡山の安積沼の種子を自邸に植えたのが始まりとも言われ、江戸時代の前期に小高伊左衛門が各地の花菖蒲を収集して自庭に植えたのが始まりとも言われています。いずれにしても、江戸時代には相模や土佐など、各地から収集された花菖蒲が植えられ、花菖蒲の名所となりました。歌川広重「名所江戸百景 堀切花菖蒲」戦前までは堀切園の他にも、武蔵園・吉野園・小高園などの菖蒲園が残っていましたが、宅地開発により埋め立てられ、堀切園だけが「堀切菖蒲園」として残っています。現在は葛飾区の管理にあり、入場は無料です。