日本の歴史教育は不正確な情報を伝えています。原因の一つは比較基準が西洋史にあるためで、日本に強い影響を与えた中国を中心とした東洋史が基準になっていないからと感じます。当時の西洋史と日本史にはほとんど関連がないのに西暦で覚える年代が歴史を難しくしています。歴史に重要なのは年代/時代ではなく東洋と前後のつながりであり順序です。もう一つの原因は江戸時代の鎖国解釈です。鎖国は日本の技術力を自主規制し、技術を使うことが許さなかった時代です。自主規制しただけなのですが日本に技術力が無かった遅れた国と誤解されています。鎖国をしなければ日本で産業革命が起こっていたかもしれません。
そんな鎖国の時代でも日本には西洋の情報がタイムリーに伝わっています。鎖国とは国内諸侯対策であり、海外との国交を断つという意味はありません。鎖国とキリスト教弾圧は南米やアジア諸国に対する殺戮や植民地政策が徳川幕府に手に取るように伝わっていたから実施したのです。植民地政策は商業的と勘違いされますがスペインやポルトガルは実に宗教的であり、ローマ法王の許可の下であったという西洋での常識は日本ではあまり知られていません。しかしそんな時代に植民地政策を商業的に進めた国がありました。東インド会社を使ったオランダです。
スペインなどはキリスト教徒にならない植民地の住民(言語さえわからないので当然と思うのですが)を迫害、奴隷化、殺戮していきました。しかしオランダはキリスト教にならない国とでも商売をして実利を求めたのです。そのためにオランダと江戸幕府は普通に貿易を続けました。つまりオランダは江戸幕府の宗教戦争否定主義を理解してくれた国とも言えます。不平等貿易だったという話もありますが、私はそうは思っていません。
そのオランダの代表的な都市であるアムステルダムでヨーロッパの中の日本との共通点を感じてきました。オランダ特集に戻ります。