落書きなのか宗教なのか「バンガロールの休日」
インドではいろんな場所で落書きを見ます。ただしその落書きには尋常ではない気迫が感じられます。ヒンドゥーの神や寺院が微細な書き込みで仕上げてあるのです。以前も書いたのですが、インドではヒンドゥー寺院をあまり多く見かけません。しかし街の至る所に神様がいるのです。落書き、屋根の上、車の中…。生活の一部であり、まるで友人か隣人のように崇めると言うよりは共存しているのです。インドの寺院を見かけないと同時に、インドではあまり神に向かって祈る人を見かけません。イスラムの方たちはいたるところで祈られていますし、日本人もお地蔵さんにお祈りをする子供の姿を見かけます。しかし宗教が生活に強い影響を与えているインドで祈ると言う行為をあまり見かけないのです。人前で祈ることはしない宗教なのかもしれません。日本でも昔、仏像を彫る事が忠誠心の表れだった事があります。このあまりに丁寧に書かれた落書きのような神の姿は宗教的な行為なのかもしれません。そして丁寧に描かれた絵が汚されたり痛めつけられたりしている姿は見かけないのです。日本のような信仰心の薄い人種でも神社マークにだけは悪戯をできないのですから、不思議ではないのですが。さてここまで歩いてきましたが、午後は宮殿見学に連れて行っていただく約束になっていますから急いでホテルに帰ります。