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第1章 人類が新たに取り組むべきこと
第2章 人新世 第3章 人間の輝き 第4章 物語の語り手 第5章 科学と宗教というおかしな夫婦 第6章 現代の契約 第7章 人間至上主義革命 第8章 研究室の時限爆弾 第9章 知能と意識の大いなる分離 第10章 意識の大海 第11章 データ教 ↓ぼくにとってのポイント 第1章 人類が新たに取り組むべきこと →これまでは飢饉、疫病、戦争との戦い。これからは不死と至福と神性。 第2章 人新世 →過去7万年間は人類の時代。動物と人間の関係は、今後の超人と人類の関係を考えるうえで参考になる。 第3章 人間の輝き →なぜ「心」「意識」「主観的経験」が必要なのかはわからない。べつに意識しなくても無意識のうちにすべてがうまく動いていくことがわかってきた。 ・ほかの動物たちにも意識があり、快、不快を感じ、喜んだり苦しんだりすることがわかってきた。 ・人間と動物では意識の点で科学的な観点からはちがいはない。 ・生き物はアルゴリズム。 ・3つの現実→主観的、客観的、共同主観的 第4章 物語の語り手 →文字による虚構が世界を動かす。→古代エジプト、中国の三峡ダム、ユダヤ人にビザを発行したソウザ・メンデスと杉原千畝、毛沢東の大躍進政策、アフリカの国境、、、文書と現実が衝突した時には現実が道を譲る。 第5章 科学と宗教というおかしな夫婦 →宗教はその時の社会体制を正当化し存続するためのもの、霊性はこの世から逃れようとする。 ・宗教にとって、霊性は権威を脅かす危険な存在。 ・科学は力に関心がある。病気を治したり、戦争をしたり、食物を生産する力の獲得を目指す。 ・科学は事実について述べるが、倫理的価値観から何をするべきか、せざるべきかを判断できない。 第6章 現代の契約 →人間は力と引き換えに意味を放棄することに同意する。 ・現在、地球を覆う資本主義は経済成長が至上命題 ・様々な社会は何千年にもわたって個人の欲望を抑えようとしてきた。パイの大きさが決まっていたから。現在、貪欲は成長を促すので善である。 第7章 人間至上主義革命 →意味も神や自然の法もない生活への対応策は、人間至上主義が提供してくれた。 ・お前は間違っているなどと上からきめつけるような権威など、どこに存在するだろう? ・必要な感性なしでは、物事を経験することはできない。そして、経験を積んでいかない限り、感性をはぐくむことはできない。 ・人間至上主義の人生における最高の目的は、多種多様な知的経験や情動的経験や身体的経験を通じて知識をめいっぱい深めることだ。 ・人間至上主義の夢を実現しようとすれば、テクノロジーによってその夢の基盤をそこなう。 第8章 研究室の時限爆弾 →人間至上主義の基礎→自由意志がある個人。 ・最近の科学では、自由意志はないらしい→人間至上主義の基礎が崩れる。 ・自由意志は薬物などでいかようにも制御できる。→個人の意志はどこにあるのか? 第9章 知能と意識の大いなる分離 →一人ひとりの人間が比類ない価値ある個人であり、その自由な選択が権威の究極の源泉。 ・人間は経済的有用性と軍事的有用性を失い、経済と政治の制度は人間にあまり価値を付与しなくなる。 ・経済と政治の制度は、集合的な人間には価値を見出すが、個人としての人間には価値を認めなくなる。 ・経済と政治の制度は、一部の人間には無類の個人として価値を見出すが、彼らは人口の大半ではなくアップグレードされた超人という新たなエリート層を構成することになる。 ・自由主義は政治的、経済的、軍事的に理にかなっていたからこそ、成功した。 ・人間は、物語る自己が創作する物語に導かれる自律的な存在ではなくなる。巨大なグローバルネットワークの不可分の構成要素となる。 第10章 意識の大海 →テクノ人間至上主義→サピエンスの能力を超えた神のような存在、ホモ・デウス ・テクノ人間至上主義では人間の意志が最重要。しかし、その意志はテクノロジーで制御される。 ・人間の欲望や経験のかわりに意味と権威の源泉となるもの→データ、情報。 第11章 データ教 →生き物はアルゴリズム。情報の通り道。 ・情報は自由になりたがる。何であれ、情報を遮断するものは悪であり、すべての情報は公開されなければならない。それは個人の権利よりも優先される。 ・社会主義は集中型データ処理、資本主義は分散型データ処理。資本主義の方が情報が自由に飛び交ったため、社会主義に勝った。 ・データ至上主義の視点では、人類という種は単一のデータ処理システム。一人ひとりの人間はそのシステムのチップの役目を果たす。そう解釈すれば、このシステムの効率を高めるには、 1.プロセッサーの数を増やす(人口を増やす)、2.プロセッサーの種類を増やす、3.プロセッサー間の接続数を増やす、4.既存の接続に沿って動く自由を増やす、となる。 ・現在、多くの人(特に若者)はSNSに自分のすべてをアップロードしている。そうしなければ、この世で存在を認められなくなるようになるかもしれない。 ----- 非常に面白かった。特に最後の2章は現在の人間至上主義がテクノ人間至上主義になり、最後にはデータがすべてを支配するという非常にエキサイティングな予想だった。なんか映画マトリクスの世界が近づいてきているように思える。あの映画では人間はシステムのためのエネルギー源で、エネルギーと引き換えにいい夢を見させてもらっていた。本書では人間はプロセッサーということだ。 最後に著者から3つの問いかけがあって終わっている。 1. 生き物は本当にアルゴリズムにすぎないのか?生命は本当にデータ処理にすぎないのか? 2. 知能と意識のどちらのほうが価値があるのか? 3. 意識は持たないものの高度な知能を備えたアルゴリズムが、わたしたちが自分自身を知るよりもわたしたちのことを知るようになったとき、社会や政治や日常生活はどうなるのか? ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来【電子書籍】[ ユヴァル・ノア・ハラリ ] にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年02月09日 22時56分07秒
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