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このドラマは様々な映画作品へのオマージュが随所に見られますね。
「守」と「進」の兄弟が好きになる女性の名前が「ゆき」とくれば『宇宙戦艦ヤマト』を、兄弟の苗字「星野」からは『銀河鉄道999』と松本零士さんへのリスペクトを感じます。 また毎回劇中で流れる「ムーン・リバー」は映画『ティファニーで朝食を』の主題歌であり、主演女優のオードリー・ヘプバーンが歌った曲。 そして、主人公たちの設定も彼女の主演映画『麗しのサブリナ』に似通っていますね。 とくに恋多き弟がサブリナの外見の美しさに心惹かれていったのとは対照的に、会社人間だった堅物の兄がサブリナの心の美しさに魅了されるようになる設定はこのドラマも同じ。 進はゆきのどこが好きになったのかと考えると、どうしても彼女の内面より着飾ったときの美しさに目を奪われたように思えてなりません。 誕生日のサプライズもゆきの脚本を映画化も、彼女の喜んだ笑顔が見たいという一心から行動したように思えます。彼女がどう思うかまで想像していなかったような。 進はまだ奥さんと正式に離婚が成立していませんよね。どんな経緯で奥さんと結婚し、さらに離婚にいたったかは描かれていませんが、ゆきと知り合う前にあれだけ多くの女性と付き合っていたのは寂しさを紛らわせるためだとしてもどんだけ高い慰謝料を請求されても文句は言えませんね。 奥様には話せなかったであろう心のうちをゆきには話せるからが進がゆきに真剣になった理由かもしれませんが、今まで付き合った女性に何かを与えるのみで相手が何を望んでいるかを考えたことはなかったのではないでしょうか。 一方兄の守もいくらゆきを忘れるためだとはいえ、玲子さんと結婚を前提に同棲を進めてしまうのは本来なら玲子さんに失礼な話ですが、それを望んだのはおばさんと玲子さん本人。 この作品が『麗しのサブリナ』との違いで素晴らしいと思ったのは、3人以外の人々の描写が細部にわたって考えて演出されているところです。 あれだけ守に結婚をせまっていたおばさまですが、守が何よりも大事にしている靴を捨て玲子の持ち物を陳列していたことで守の異変にいち早く気づく。おばさまが進だけではなく守のことも心配だからこそ結婚を進めていたことがうかがえました。 お見合いをしたころの守は玲子さんの話は一切聞かず、山手線の駅名を数えて合いの手をいるだけの会話だったのに、「子宝」あたりから会話が成立するようになり、手料理を振る舞うようになった今話では守の笑顔と態度も普通になりました。お嬢様の玲子さんですが料理も上手なことがわかり、なにより本気で守を愛していることが予告の涙でもわかりました。 そしてゆきの友達・沙織はゆきに劣らず心がきれいな人ですね。「ゆきが喜ぶのは物ではないですよ」というような台詞に彼女の人柄があらわれています。 急接近した川越くんと緒方さんも今後注目ですし、どの登場人物も丁寧に描写されていてこの作品を制作されている方々の愛を感じます。 守が捨ててしまったゆきへのプレゼント。緒方さんが持っていたのでいつかゆきの手元に届くのでしょうか?私がゆきならあのエンパイアステートビルはヘリコプターからの遊覧や豪華ディナーよりもうれしいですね。 「めぐり逢えたら」の映画は私も見ましたが、あれこそがゆきがあこがれる「運命の恋」。守とゆきは映画への思い入れ、好みなど他の人に話しても理解してもらえない情熱を共有できる相手と「めぐり遭った」。 何時であろうと何処であろうと、二人でいる空間・時間が大切だということにまだ気づいていない二人の今後が楽しみです。 守を演じている草薙さんは、哀愁漂う背中の演技や思いつめた表情などとてもいいですね。このドラマをみていると、12年前に見た藤原紀香さんと共演された「スタアの恋」を思い出します。あの作品では紀香さんにあこがれる会社員の草薙さんがけなげで、最後までどうなるのかワクワクし、そして最終回見終わってすごくいい作品だったと思いました。 あのドラマでは最後に香取さんがでましたが、このドラマでも社長室に香取さんが描かれた絵があると聞きました。香取さんが出演されることはあるのでしょうか? 12年を経て俳優として演技に磨きがかかった草薙さん、守とゆきが笑い合っている場面を見るとこちらも心が温まります。 初めての恋に戸惑う守が胸の苦しさをどう癒すのか、劇中に流れる数々の映画音楽に酔いながら毎週楽しみに見させていただきます。
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最終更新日
2013年11月16日 21時27分25秒
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