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日本人は一日の平均タンパク質摂取量が約70gで、所要量を満たしており理想的な食生活と言われてきました。しかしその「所要量」はいったい誰が決めたのでしょうか。
人間のタンパク質の所要量を調べるには、窒素出納試験という調査を行う必要があります。これは非常に難易度の高い調査で、過去100年間にこの調査のサンプルになったのは世界でたった154人しかいません。しかもこの154人は大学や研究機関の男子学生が中心。 つまり今の世界で所要量と考えられているタンパク質の一日摂取量は、世界中の、20代の、健康な、男子の、学生の、きわめて特殊性の高い、154人だけの所要量だったのです。これをもって、世界中のあらゆる人に共通するものであると断言するのは、科学的見地から言って無理がありますね。 これはタンパク質に限った話ではありません。脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、体に必須な栄養素の多くにおいて、万人に適用できる一定の正確な基準値を作ることは事実上不可能なのです。 このような事実に基づいて、厚生労働省は11月、2005年4月(平成17年度)から2010年3月(平成21年度)までの5年間に使用する新しい日本人の食事摂取基準を決定しました。 これまで栄養摂取の基準となっていた日本人全般に適用する「所要量」の概念は廃止され、あらたに個人差(個体差)に着目した確率論の考え方が導入されたのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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