~山形県三川町の「文化交流館・アトク先生の館」で撮影~
『陽炎の辻~居眠り磐音 江戸双紙~』がついに最終回。
泣いた泣いた・・・・。
山本耕史演じる坂崎磐音はいつも通り最高なのだが、今回は私のイイ男包囲網に今までみじんもひっかかることがなかった、渡辺いっけい演じる今津屋吉右衛門の純な男ぶりに泣かされた。
檀れいが演じる吉右衛門の妻、お艶。
実は今まで「武士の一分」の時のオ-ラが感じられず、役柄が病弱でしかも脇役キャラとはいえなんだか残念な気がしていた。
最終回の今日、いきなりスポットライトを浴びた彼女はやはり輝いていた。
「お前様、こんなこと(不治の病。今で言う胃癌と思われる)になって気づきました。
この世はなんと美しいのでしょう」
さらりと語るお艶は、 落ちていく夕陽のように静かに温かく、死に直面して清々しくさえあった。
さらに印象的だったのは、掌中の珠のように愛しんできた妻を想う今津屋吉右衛門の慟哭と覚悟。男だなあ。
顔は全然好みじゃないけど、ここまで想われたら女冥利につきる、と思う。
檀れいが光を放つのに押されてか、ヒロインおこんを演じている中越典子の割舌の悪さが江戸のおきゃんな町娘、というより現代っ娘のくぐもった喋り方を連想させて気になる。
しかしこのおこん、一心にお艶の願いを聞き届けようと骨身を惜しまぬ磐音の思いやりと行動力に惚れ直してその背中を見つめ、肩越しに『いいなあ。坂崎さん。いいなあ。』と胸中の声と顔を大きく映し出す場面では、むしろ現代に通じる胸キュンなシ-ンが共感をよぶ。
ラストシ-ン。
松本和也アナウンサーのナレ-ションが語る。
「いつか必ず 夢は叶う 想い続けていれば いつか必ず 想いは通じる いつか必ず」